人間関係を「演技力」で改善するためのマニュアル

「演技力」を使いこなせば、仕事や人間関係がうまくいきます。
元気がないときには、元気なフリをする。場の雰囲気が良くなります。
好きではない相手に対しては、嫌悪感を気づかれないようにする。味方を増やしておいたほうが得だからです。
『課長のためのビジネス演技力養成講座』(吉田順・著/学研プラス・刊)という本があります。管理職にかぎらず、ビジネスパーソンに必要な「演技力」について学んでみませんか?
演技=気づかい
演技の楽しさには、「なりきる」という楽しさとともに、「人に何かを伝える」という楽しさがあります。俳優で言えば、見せて、伝えて、観客を楽しませるという楽しさです。
(『課長のためのビジネス演技力養成講座』から引用)
演技とは、だますことが目的ではありません。笑顔のフリをしたり、楽しいフリをするのは、相手を不快にしないための「気づかい」です。
相手が「楽しい」「うれしい」「愉快だ」と感じてくれれば、人間関係や仕事はうまくいきます。自分にとっても相手にとっても損はありません。
まずは、演技やフリをすることに対する「うしろめたさ」を忘れることから始めましょう。
演技をするのに才能はいらない
演技における最重要ツールは、顔の表情です。「顔色をうかがう」なんて言葉があるとおり、人はたいてい、まず顔の表情から相手の感情を読み取ろうとします。
(『課長のためのビジネス演技力養成講座』から引用)
笑顔をつくるのは簡単です。目で笑ってみてください。目尻が下がれば、つられて口角が上がります。はじめは不自然かもしれませんが、何度も練習すれば、自然な笑顔になります。
表情を作ることを「わざとらしい」と思うかもしれません。しかし、わたしたち人間は「心の中」を直接見ることはできないので、「表情」で判断するしかないのです。
自分では「親切」や「誠実」なつもりでも、無表情ならば伝わりません。演技力とは、大げさに考えるものではなく、初歩的なコミュニケーション方法なのです。才能は関係ありません。
「あいづち」も演技の一種
もしあなたが相手の話を引き出したいのであれば、あなたは相手が話をしやすいように、上手に合づちを打つことです。相手は、あなたに話が通じていると確信して、熱心に語り始めることでしょう。
(『課長のためのビジネス演技力養成講座』から引用)
誰かの話を聞いているときに、うなづいたり、「うん」「へぇー」「なるほど」という声が出ることがあります。「あいづち」です。
この「あいづち」も演技の一種です。あいづちを打つ(する)ことによって、相手が話していることをこちらが理解していることが伝わります。
理解は、親しみにつながります。親しみは、友好や協力の気持ちを強くします。たとえば、その相手が目上の人物(教師や上司)ならば、あなたのことを引き立ててくれるでしょう。同僚や友人や部下ならば、いざという時には助けてくれるはずです。
人生は夢芝居
脇役がいるからこそ、ドラマは成立するのです。
それに、俳優の世界で長く活躍する人には、むしろ名脇役と呼ばれる人の方が多いのです。脇役を見事に演じられることが「名優」の条件と言えるかもしれません。(『課長のためのビジネス演技力養成講座』から引用)
「脇役に徹する」という言い回しがあります。自分が目立つことを考えずに、全体の利益を考えて行動することです。「謙虚」という意味です。
わたしたちは自己中心的に考えがちです。だからこそ、謙虚な人柄は好かれます。
人間の心の中は見えません。謙虚な演技をしていても、それが本心かどうかはわかりにくいものです。
『課長のためのビジネス演技力養成講座』の著者は、演技をするならば「素(す)に戻ってはいけない」とアドバイスしています。つまり、謙虚なフリをするからには、ずっと続けなければ意味がないということです。
(文:忌川タツヤ)


課長のためのビジネス演技力養成講座
著者:吉田順
出版社:学研プラス
コミュニケーションの達人は、「情熱的な自分」と、それを客観的に眺める自分を使い分ける。部下を上手にほめ、叱り、尊敬される中間管理職になるとっておきの方法、それは「よき課長」を演じること。演技を用いた、最強のコミュニケーション法をアドバイス。
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