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危機対策としてのDIY。避難用の「掘っ立て小屋」をつくるコツ

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もしも、某国からミサイルが飛んできて、いまの住居から逃げ出すことになったら? どうしますか?

わたしには、身を寄せられるような疎開先がありません。いざとなったら、山里暮らしに活路を求めようと考えています。無人の限界集落を探すのです。ミサイル攻撃によって国内は大混乱。無政府状態。緊急避難です。

まずは雨風をしのぎたい。自然材料を利用して「掘っ立て小屋(ほったてごや)」を作ります。

「掘っ立て」とは何か?

「掘っ立て小屋」は、どうやって作ればいいのでしょうか?

楽しい山里暮らし実践術』(大内正伸・著/学研プラス・刊)という本があります。そのなかで「掘っ立て」とは何かということを、写真とイラストをまじえて解説しています。

縄文の昔からある「掘っ立て」の手法は驚くほど簡単で、丸太さえあれば最小限の道具と手間で小屋ができてしまう。
(中略)
古くは縄文時代の竪穴式住居がそうであり、昭和30年ごろまで各地でおこなわれていた炭焼き師たちがこの手法で現地素材(縄はつる植物などを利用していた)で小屋掛けをしていた。

(『楽しい山里暮らし実践術』から引用)

穴を掘る。丸太を立てる。だから「掘っ立て小屋」といいます。
『楽しい山里暮らし実践術』によれば、もっとも重要なのは「柱の耐久性」です。

耐久性を高めるためには、土に埋める柱(丸太)の根本部分に「防腐処理」を施します。塗料ではなく、炎であぶります。表面を「炭化させる」ためです。炭化処理をした柱の根本は、スギやヒノキならば10年~30年、水はけのいい場所ならばクリは50年以上も保つそうです。

もうひとつ工夫は、基礎となる穴の作り方です。柱(丸太)の直径よりも大きめの深穴を掘って、差し入れた柱のまわりを「小石」と「土」で突き固めます。土台を強固にするためです。

屋根をのせるので、水平に柱を埋めるべきです。山へ逃げる前に、ホームセンターに立ち寄って、水準器や手斧やノコギリなどの必要なものを買いそろえましょう。『楽しい山里暮らし実践術』にある手順や注意事項にしたがって、作業中にケガをしないよう気をつけてください。

「エコトイレ」の作り方

自然と一体化して暮らすつもりならば、山里におけるトイレ作法を知っておきましょう。山林のなかで排泄することを「キジ打ち」と言います。

「キジ打ち」とは?
山中でしゃがんでするその姿が猟師のキジ打ちに似ていることから名付く。

キジ打ち作法
1. 穴は木の棒を現地調達して掘る
2. 浅く穴を掘って「落とす」
3. 紙を燃やす
4. 土をかけて目印を立てる

(『楽しい山里暮らし実践術』から引用)

「3.紙を燃やす」が重要です。ティシューやトイレットペーパーは自然分解しにくいからです。燃やして灰にすれば、あなたの排泄物と共に肥料になります。「糞・即・燃」と覚えてください。エコロジーです。

山里における生活が安定したら、移動式の「エコトイレ」を作ってみましょう。
人が座れる大きさの「空洞の缶」を改造して、掘った穴のうえにかぶせます。フタを付けるので、1回の排泄ごとに穴を埋める必要がありません。紙は、ゴミと一緒にまとめて燃やす。穴がいっぱいになったら移動します。

畑を作ることもあるでしょうから、いずれは屎尿(しにょう)の肥料化も考えなければいけません。『楽しい山里暮らし実践術』には、枯れ草や落ち葉などをつかって肥料化する手順の解説があります。くさ~いアレも、細菌や微生物の力によって肥料に変わるのです。

DIYは一生楽しめる趣味です

サバイバル視点で『楽しい山里暮らし実践術』を参照しましたが、趣味や生きがいとして「自然素材を活用する」ためのDIYテクニックが満載です。

DIY(Do It Yourself)とは、自分で作るという意味です。
慣れれば、自分でピザ窯を造ることも可能です。石と粘土とレンガを用意できれば、解説書の手順にしたがって積み上げていくだけで完成します。薪(まき)を使って高温で焼き上げるピザは、絶対においしいです。バーベキューに飽きた人には、うってつけの娯楽だと思います。

そのほか、石垣の作り方も学ぶことができます。宮大工のような専門的な技法だと思っていましたが、技法が確立しているので、わたしたちでも石垣をDIYできるようです。

ただし、がむしゃらに岩石を積めばいいわけではありません。石垣にふさわしい斜面と表土を仕上げたあと、さらに小石を敷き詰めて、そのうえに正しい力学に基づいた「石積み」をおこなっていきます。

トイレ付きの掘っ立て小屋、ピザ窯、手づくり石垣。まさに「一国一城の主」であり、殿さま気分が味わえるかもしれません。
思いどおりにならない現代社会に生きているからこそ、なんでも思いどおりに自作できるDIY趣味は、良いストレス解消法だと思います。

(文:忌川タツヤ)

楽しい山里暮らし実践術

著者:大内 正伸
出版社:学研プラス
自然暮らしを実践する著者が、山里で暮らすのに必要な基本的な技術と楽しみ方をイラストと写真で解説する本。間伐法から、掘っ立て小屋やカマド、コンポストトイレの作り方、水の引き方、重量物を運ぶコツからロープの活用法まで、自然素材を活かす技術が満載。

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