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医療費増大時代のセルフメディケーションとは?

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最近は、電子書店の棚にも、最新の本ばかりでなく、かつて、紙で刊行された本も並ぶようになってきた。『医師が認めたアロマセラピーの効力』も、2002年に書かれたアロマ本である。

冒頭には2001年に起きた、大阪・池田小学校の児童殺傷事件に関するあるエピソードが書かれている。著者である医師・川端一永さんは、事件が起きた当時、娘さんが池田小の児童であったという。そして川端さんは、心の傷の緩和につながればという願いを込めて、アロマを校内に漂わせたそうだ。

ユーカリオイルでインフル予防

この冬、私は息子に絶対風邪をひかせるわけにはいかなかった。
息子は浪人生で、今年こそ志望校に合格するのだと必死で勉強していた。彼は大の注射嫌いでインフルエンザの予防接種も受けなかったので、私の緊張感は相当なものだった。

そんな頃、ネットで、ユーカリのアロマオイルがインフルエンザ予防に効果があるのでは、という情報を目にした。ユーカリの精油を漂わせた小学校の教室ではインフルエンザになった生徒がひとりも出なかったという事例をネットで見かけて、これだ!と思い、実践した。

私は家の中にユーカリ精油をティッシュに染み込ませ、家族それぞれの部屋に香らせた。ユーカリの香りはノドも鼻もスッキリするし、とても心地よかった。娘が通う中学でインフルが流行始めた時には娘がウイルスを持ち込むのではと心配もしたけれど、この冬、我が家3人は、インフルエンザどころか風邪すら引かずに受験を乗り切った。そして無事に息子は合格をいただけた。

医療の現場で用いられたアロマセラピー

私はアロマ検定1級とメディカルハーブ検定を持っている。不眠ならラベンダー、食欲不振にはローズマリーといった具合に状態に合うアロマをある程度は知っている。ちょっとした症状を自分で調整させることができるので、とても便利だ。それなのにアロマを単なる気休めにすぎないと感じている人がまだまだ多いのはもったいないことだと思う。

この本には、実際に医療の現場にアロマセラピーを早々に取り入れた医師としての経験がたくさん詰まっている。実験も多く、今までは「効果があると言われている」程度でお茶を濁していたことに、はっきりとデータを示してくれている。そこにある、アロマで人を救いたい、という著者の強い思いに感動してしまった。

アロマオイルで花粉症がおさまる!?

鼻があまり利かなくなった老人ホームの高齢者達がアロマで刺激されて嗅覚が回復した話、PTSDやパニック発作がアロマで軽減された話など、人に知らせたくなる内容も多い。また、著者が測定したところ、アロマオイルをたらしたマスクをした人は、しなかった人よりも風邪をひいた数が半分だったという。そういえば我が家もマスクにユーカリのオイルをスプレーしていたっけ。

そして花粉症の実験結果は素晴らしく、著者の調べでは、精油を用いた患者231人のうち、なんと68人もの人が症状が出なくなったのだという。

ベルギーではアロマオイルも健康保険の適用を受けることができるとのこと。日本では漢方薬でさえも全てが適用になるわけではないので、アロマについてもまだまだ先の話になりそうだ。そんな状況下、日本の医療機関で患者に精油を試し、症状別に丁寧に記している。メディカルアロマセラピーというものらしいけれど、10年前にそれが行われたという記録が詰まったこの本は大変貴重な資料になると思う。もちろんそれぞれの症状に合ったアロマと使用方法も解説されているので、自分でも実践できるところが有り難い。

精油を使いこなして医療費節約!

日本の医療費は平成24年度は年間約39兆円。国民ひとり約30万円を使っていることになる。高齢化社会に伴い医療費は増額し続けており、平成37年度には約54兆円に達すると予測されている。

1984年に1割だった医療費自己負担は、1997年に2割、2003年には3割と増え続けている。医療費が高いから、と、医者にかかることをためらうようになる人が出始めているという。著者は、アロマセラピーを生活に取り入れることで、医療費の節約にもなる可能性を説いている。我が家も実際ほとんど医者にかからず暮らせている。

子どもたちは私のことを「魔女みたい」と言う。何種類もの精油の中から症状に合ったものを選び出し、それで身体を回復させているからだ。ロールプレイングゲームは薬草でプレイヤーの体力を回復させるものが多い。自分に合う薬草を選んで投与するゲームもある。私たちも回復のための私たちなりの知恵をつけておいて損はないだろう。セルフメディケーションが必要な時代、今後ますますアロマセラピーの知識は必要となっていくはずだ。

(文:内藤みか)

医師が認めたアロマセラピーの効力

著者: 川端一永
出版社:河出書房新社
「アロマセラピー」を試したことはあってもその実力を正しく理解し、活用している人は少ない。実際には、気分転換や美容だけでなく、さまざまな痛みや痒み、生活習慣病、婦人病、ストレス、心の病にまで目ざましい効果がある。なぜ香りが病気を治すのか?どの香りをどう用いるのか?その理論と使用法をわかりやすく解説する決定本。

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