無理せず、長続きする“健康レシピ”とは?

「ベジタリアンの人が増えてるんだよね」と、欧州で暮らしている娘が言っていた。肉ばかり食べているあちらの人々は菜食に切り替えたとたん、体に羽が生えたように軽くなり「お~! これはスゴイ!」と、その道まっしぐらになるんだとか。
娘の友だちのひとりもビーガン(完全菜食主義)だが、自らの意思でその食事法を選択しているから、我慢はしている様子はないとのこと。まして、まわりの友だちに自分と同じ食事法を勧めることも絶対にしないそうだ。
で、当の娘はどうかというと「私は日本人で日本食を食べているから、普通でOKだよ」だそうだ。そう、日本食はそもそもが健康レシピなのだと思う。ご飯に味噌汁、そして野菜、肉、魚介がバランスよく摂れるおかずを食べていれば、元気でいられるはず。
おいしくなければ続かない?
困るのは菜食を強要されてしまうことだ。同居している義母が最近、毎日の献立作りに頭を抱えている。2ヶ月ほど前、義父が新しく通いはじめた病院の医師から菜食を勧められたからだ。
しかも義父が抱えている病気を治す目的ではなく、健康のためだという。肉もだめ、魚介もだめ、揚げ物はだめで油も極力使わない、塩分も控える。ただし、卵は一日3個までなら食べてよいと言われてきたから、さぁ大変。
冷奴と目玉焼きと茶碗蒸し、サラダと味噌汁、煮豆、野菜の煮浸し……など、最初はなんとかメニューを考えられたが、やがて飽きてくる。しかも揚げ物がだめだから野菜の天ぷらなども作れない。
困り果てた義母が病院に直接聞きにいったのだが、件の医師から「私は毎日、野菜たっぷりのカレーを食べていますよ」と言われ、義母はますます「?」になってしまった。おそらくこの医師は日々スパイスを調整したインド料理のことを言っていたのだろう。が、高齢の母はカレーといえば、カレールーを使ったものしか思い浮かばず「あんなもの毎日は食べられないよね」とつぶやいていた。
嫁である私はあまり口出しはできないが、高齢者にいきなりの菜食はいかがなものか?と思ってしまう。そもそも義母の作る和食は野菜がたっぷりで、そこに適度の肉と魚が加わり、とてもバランスが取れているから変える必要があるとは思えない。
幸い、つい先日、困惑する義父母を見かねた病院の婦長が「肉も魚も少しは食べていいんですよ」とこっそり耳打ちしてしてくれたようで、肉魚も多少は食卓に戻りつつある。
やはり無理は禁物。健康レシピもおいしくなければ長続きしないのだ。
デパ地下風サラダで体が変わる!
『体が変わる! 健康レシピBest200』(フーズ編集部・編/学研プラス・刊)は、おいしく食べて、それでいて体調がよくなる200の料理を集めたレシピ本。メタボを解消し、血液をサラサラにし、元気な体に治し、体調を整えたい人は必見だ。
注目したいのは野菜不足が解消できる、ちょっと贅沢なサラダメニュー。
デパ地下サラダの登場によって、サラダは単なる「洋食のサブおかず」から「メイン」にも「おもてなし」にもなるおかずに進化しました。野菜をたっぷりと使い、肉や魚介と組み合わせたサラダは、おいしいばかりでなく、栄養も盛りだくさん!若さも健康ももたらしてくれます。
(『体が変わる! 健康レシピBest200』から引用)
☆フレンチドレッシングで食べる“サーモンのたたきサラダ”
☆中華ドレッシングで食べる“ねぎいっぱいの焼き豚サラダ”
☆“アボカドと豆腐のトマトドレッシングサラダ”
☆和風ドレッシングで食べる“ひじきとそら豆の和風サラダ”
☆オーロラソースで食べる“シーフードサラダ”
☆イタリアンドレッシングで食べる“ハーブチキンサラダ”
これらは、デパ地下サラダに見られるプロのテクニックを取りいれつつ、近所のスーパーで手に入る材料で簡単に作れるのが特徴。
これまで別々に食べていたおかずと生野菜をひと皿に盛れば「ごちそうサラダ」になり、しかも食べれば食べるほど元気になれる!
素材別の健康メニューたち
本書では毎日の献立にすぐに生かせる200もの健康レシピが紹介されているので、飽きずに日々おいしく食べ続けることができる。
野菜のおかず 野菜はビタミン・ミネラル・食物繊維のすぐれた供給源。体の調子を整え、免疫力を上げて病気から体を守ります。
魚介のおかず 魚介類の主な栄養素はたんぱく質と脂質。特に脂質は不飽和脂肪酸を豊富に含み、生活習慣病を予防する働きがあります。
肉のおかず 肉の主要な栄養素であるたんぱく質には、血液や筋肉など体の根幹を構成し、エネルギーや免疫力を維持する働きがあります。
豆腐と卵のおかず 大豆の栄養を吸収しやすくした豆腐、ほぼオールマイティな栄養がギュッと詰まった卵、栄養価が高いのに値段が安いお買い得食材です。
健康食材のおかず 切り干し大根、ひじき、アボカド、ヨーグルトなどは、現代人に不足しがちな栄養素の宝庫。意識的に食べて、すこやかな毎日を!
(『体が変わる! 健康レシピBest200』から引用)
さらに、この本ではメタボ対策のための、低カロリーで塩分控えめの500kcalのヘルシー献立も紹介されている。
毎日、おいしく食べられて、そして長続きする健康レシピをお考えの方にお薦めの一冊だ。
(文:沼口祐子)


体が変わる! 健康レシピBEST200 大きな文字で読みやすい!
著者:フーズ編集部(編)
出版社:学研プラス
「野菜」「魚介」などの健康食材を中心にした、簡単で作りやすい、体にいいおかず200品を厳選して紹介。すべてプロの料理家が考えたおいしいレシピなので、毎日食べても満足!食材別なのでレシピが探しやすい。また食材の栄養の話もわかりやすく掲載。
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