ハウツーが満載のコラム
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驚くべき深海魚の世界!まさに、ギョギョギョのギョだ。

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釣りが得意な従弟が、先日、わざわざ釣った魚を届けてくれた。
アカムツという魚だ。
ひとくち食べて驚いた。ものすごく美味しかったのだ。
「ギョギョギョ!何、これ?こんな美味しい魚食べたことがない」と、言うと、「そりゃあ、そうさ。アカムツはうまいよ。海の深いところに住んでるからな」と、笑う。
深いところ?深海魚ってこと?
深海魚って、あのおっかない顔した魚でしょ?それが美味しいの?

深海魚にもいろいろいるのね

私にとって、深海魚とは、海の底の太陽も届かないところにいる不気味な魚をいう。
顔の前に自らぼんぼりのような代物をかかげ、のろのろ泳ぐチョウチンアンコウとか、目が退化してしまった魚とか・・・。
考えてみると、乏しい知識しかない。
深海なんて、一生行くこともないのだし、私には関係ないと思っていたのだが、深海とひとくちに言っても、深さによって、いくつかの種類があり、当然、そこで暮らす生物もいろいろな種類があるらしい。
そこで、『ゆるゆる深海生物図鑑』(そにしけんじ・漫画、沼津港深海水族館館長 石垣幸二・監修/学研プラス・刊 )を読み、深海とはどんなところか、どのくらい深く、どんな生き物がいるのか、勉強してみた。
そこは謎の世界で、ひとくくりに「深海魚」などと言うほど単純ではないらしい。

海の95パーセントは深海だって知ってました?

海は深さによって、いくつかの層に分けることができる。
水深200メートルよりも深いところを深海というが、水深1000メートルまでを中心層と呼ぶ。わずかに光が届く場所で、トワイライトゾーンとも呼ばれる。
さらに3000メートルまでは漸深層で、太陽の光は届かず、真っ暗やみだ。
さらに6000メートルまでは深海層で、もちろん暗く、すごい水圧だ。
そして、水深10000メートルとなると、ほとんどわからないことが多く、謎の領域なのだという。
なんと、海の95パーセントは、この深海にあたるのだそうだ。
95パーセントといったら、ほとんどではないか!

駿河湾は日本で一番深い湾だ!

私の両親は沼津の出身で、駿河湾で泳ぎ、駿河湾の魚を食べて育った。
けれども、一度も深海魚の話はしてくれなかったので、駿河湾が日本で一番深い湾であることを私はこれまで知らずにいた。
むしろ穏やかで、遠浅の穏やかな海だと思い込んでいた。
ところが、一番深いところでは水深2500メートルもあり、湾の目の前には深海生物専門の水族館「沼津港深海水族館シーラカンス・ミュージアム」があるという。 展示されている深海生物は約60種1500匹にのぼり、大変、珍しい冷凍シーラカンス標本も展示されているという。
すぐにも行きたいが、その前に『ゆるゆる深海生物図鑑』で、下準備しておこう。

水中生物のなかま分け

水中生物は3つに大きく分けられる。
ひとつはプランクトン。その名の示すとおり、水の流れにふわふわと身をまかせ、ただようものだ。
ゾウリムシやミジンコなどが思い浮かぶが、大きなクラゲも、ふわふわただよっているからプランクトンの仲間なのだという。
へ~~、そうなの。
つぎはネクトンと呼ばれるもの。流れに向かって、自分の力で泳ぐことができる生物のことで、魚やイルカ、そして、クジラがネクトンの代表なのだそう。
フムフム、なるほど。
そして、もう一つがペントス。海底や岩にくっついて生活する生物のこと。カレイやヒラメ、カニやヒトデがペントスと呼ばれる。
これは知らなかった。ひとつ勉強しました。

紹介しきれないほど面白い深海生物が満載

深海生物は本当に魅力的だ。
陽の光も届かない深い海の底でしっかり生きているせいか、姿かたちも独特だ。
さらには、難しい環境で生きるために、それぞれに特徴を持っている。
とても紹介しきれないほどだが、とくに驚いたものを2つ挙げてみよう。

まずは、深海にただようクラゲたち。
とくにマヨイアイオイクラゲは、小さなクラゲが集まって、大きなクラゲとして生きているという。
レゴじゃないんだからといいたくなるが、決して作り物ではなく、それぞれに役割が違う小さなクラゲが集まっているのだ。
また、ついにその姿をカメラがとらえたことでも有名になったダイオウイカ。
全長17メートルというのだから、こんなイカに深海で出会ったら、卒倒してしまうことだろう。
ましてや、ダイオウイカは貪欲で、長い触腕を使って次々と獲物をつかまえていく。
他にも、人魚と見間違う人も多いリュウグウノツカイや、巨大なダンゴムシのように見えるダイオウグソクムシなど、仰天するような生物がでてくる。

おいしいものも多いのね

深海魚は大きな牙を持つものや、おそろしい顔をしたものが多いので、食用には適さないと思い込んでいたが、それは大きな間違いであった。
従弟が釣ってきてくれたアカムツはまさにほっぺたが落ちそうに美味しかった。
他にも、キンメダイやホタルイカも深海生物なのだそうだ。
私はキンメダイの刺身が大好きで、いつも夢中で食べていたが、それがどこに住んでいるかなど、考えたこともなかった。
サカナクンがいたら、叱られそうだ。
キンメダイはタイに似ているのでこの名で呼ばれるが、タイの仲間ではなく、深海にすみ、夜になると浅い海にあがってくるのだという。
いや~~、知らなかった。そんな芸が細かいことをしていたなんて。
まさに海は謎に満ちている。
これからは、キンメダイを食べるときは、海底のほの暗さとその神秘を思いながら、味わおうと思う。
そして、近いうちにぜひ「沼津港深海水族館シーラカンス・ミュージアム」に出向き、深海の不思議について、学び、帰りにおいしい魚を食べてこよう!と、楽しみでならない。

(文・三浦暁子)

ゆるゆる深海生物図鑑

著者:そにしけんじ(漫画)、沼津港深海水族館館長 石垣幸二(監修)
出版社:学研プラス
ゆるゆるなイラストと4コマ漫画を気楽に読むだけで、深海生物の驚きの生態や信じられない深海世界がよくわかる新感覚の生物図鑑!深海に生息する魚やクラゲ、タコなどを70種以上収録!深海の環境についてもばっちり紹介!

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