江戸時代にあった空前の旅行ブーム! 旅の必需品は何だったの?

私はテレビで「水戸黄門」の再放送がやっているとついつい見てしまう。
ストーリーが勧善懲悪でわかりやすい。オチが想像できるので安心だ。「暴れん坊将軍」同様、定番な時代劇の醍醐味かもしれない。
黄門さまは本当に旅好き?
水戸黄門こと徳川光圀は実在の人物だ。そんな黄門さまといえば、旅だ。
諸国を漫遊して、それぞれの土地で悪いことをしている奴らを懲らしめていく。いつも旅をしているイメージがある。
ところが、実際には関東地方を多少回った程度で、ほとんど旅行をしていなかったことで知られている。旅好きの黄門さまは、あくまでも時代劇の上での作り話なのだ。
黄門さまが旅好きというのは創作だが、一方で、江戸時代の人々は旅好きだった。戦乱がなく世の中が安定していたこともあって、庶民は結構旅行に出かけているのだ。
江戸時代は旅行が大ブーム
『旅行のひみつ』(山口育孝・漫画、橘悠紀・構成/学研プラス・刊)は、旅にまつわるトリビアがたくさん紹介されている一冊だ。この本によると、江戸時代は旅ブームが巻き起こった時代だった。
ブームが起こった要因はいくつかある。
すでに述べたように、世の中が平和だったため人々にレジャーを楽しむ余裕が出てきたことが大きい。
そして、江戸から各地に向かう街道が整備され、街道沿いに宿場ができていた。
各地の名所やお土産の紹介、さらには宿の料金までもまとめられた「るるぶ」的なガイドブックまでもが出版されていた。人々が旅に憧れる素材がたくさんあったというわけなのだ。
最小限の装備でとにかく歩く
ただし、江戸時代の旅は過酷だった。なにしろ、ひたすら歩かなければならないのだから。
駕籠に乗れるのはある程度のお金持ちだけ。交通機関が発達していないため、一般の人の旅は歩くことに膨大な時間を費やした。
1日にできるだけ長く歩くため、日の出とともに出発し、男性は約40kmも歩いたと言われている。できるだけ持ち物は軽くし、歩きやすいかっこうをしていた。
(『旅行のひみつ』より引用)
そのため、旅のファッションは持ち物は最小限にとどめることが多かった。スゲで作った笠をかぶり、脚絆と草鞋を履くのが一般的だった。そして、旅の必需品が火打石、方位磁石の付いた日時計、水筒がわりに使うひょうたんなどだったそうである。
とにかく無駄なものは持たない、持ってもコンパクトにする、ということが江戸時代の旅のスタイルだったのだ。
人気の旅先はどこだったの?
では、江戸時代の旅の代表的な行き先はどこだろう?
江戸からの旅先は、江の島、富士山、善光寺、そして伊勢神宮などが人気だった。今とそれほど変わらないのがスゴイ。
社寺仏閣に参詣することが旅のメインだが、旅先でいろいろ、あんなことやこんなことをして遊んでいることも多かったのだ。有名な寺や神社の門前町が繁華街として栄えているのはそのためである。
いつの時代も、人間が旅に求めている夢やロマンは変わらないのだ。
(文:元城健)


旅行のひみつ
著者:山口育孝、橘悠紀
出版社:学研プラス
家族旅行や修学旅行など、旅行はとても楽しい。貴重な思い出にもなるしね。でも、いい旅行のひけつは、しっかり計画を立てて、ちゃんと準備をすること。そんなとき、いろいろと力になってくれるのが旅行会社。この本には、そんな「旅行のひみつ」がいっぱいだ。
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