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如来と菩薩の違い、言えますか?

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最近、私の毎日はいつもと違う。いわば非日常だ。
まず、いつも元気で、ものすごいスピードで歩く夫が、ベッドの上から動けない。
3年前に発病した腫瘍が再発し、手術を受けたからだ。
幸い、素晴らしい医師や看護師さんに恵まれ、ぐんぐん元気になっているけれど、夫を「行ってらっしゃい」と見送る私の毎日は一変した。
朝、起きて、ゴミを捨て、洗濯をし、掃除をする。ここまではいつも通りだが、その後、午前中に原稿を書き、家を出て、病院に行き、夜まで帰らない。

非日常生活が生んだもの

これまでの私にとって、仕事をするということは、家にいることを指した。
仕事はパソコンの前に座っていることであり、 通勤とは、台所から自分の部屋までの数歩だった。
ところが、今は毎日、電車に乗らねばならない。
今まで覚えようとしなかった電車のダイヤも覚えたし、何両目がすいていると考えるようにもなった。
そして、何より変わったのは、街中で過ごす時間が増えたのだ。
慣れていないので、病院の行き帰りにぽっかりあいた時間をどう埋めていいかわからない。
これは今までなかったことで、最初はどうしていいかわからなかった。
毎日、同じ時間に同じことをしていた私は、非日常に弱いのだ。
が、しかし・・・。
非日常が生んだものもある。

奈良 西大寺展に行ってきました

先週も、ふと時間ができ、「どうしようかな」と、大阪の天王寺駅の雑踏で立ち尽くしていたら、駅に隣接するあべのハルカス美術館で「奈良 西大寺展」が開催されていると知った。
「ふーん、ま、せっかくだし、行ってみようか」と、私はエレベーターに乗った。
何がせっかくなのか、自分でもわかっていなかったが、普段はまずしない行動だった。
私は思い立って美術館に入ったりしないのだ。
非日常生活をしていたからこそ取った行動だった。
行ってみて驚いた。
創建1250年を記念して、西大寺と一門の明宝が公開されていたのだ。なんと4半世紀ぶりの一挙公開だそうだ。
お宝が満載ではないか!
興奮して見学しながら、自分にはあまりにも仏教の知識が不足してると気づき、唖然とした。
仏教や仏像のことはなんとなく知っているつもりでいた。
日本人の日常に溶けこんでいると思い込んでいたからだ。
ところが、わかっているようでわからないことだらけ・・・。

仏像を観るのに知っておきたいこと

とりわけ、仏像にはいろいろな種類があることに、混乱した。
博物館いっぱいに出品されている素晴らしい仏像に感激はするものの、それぞれの仏像の違いがよくわからない。
これじゃいかんと思い、帰宅して『仏教のひみつ』(松本義弘・文、谷豊・漫画、前田専學・監修/学研プラス・刊)を読んだ。
すると、「フムフム、なるほど」となる知識がわかりやすく描かれていた。

まず、日本の仏像には如来・菩薩・明王・天の4つのグループがある。
如来は、さとりを開いた仏を意味する。渦巻き状に盛り上がった頭をしている。
菩薩は、如来になることをめざしている、いわば修行中のもので、装身具を身につけている。
明王は、人々をいましめて仏の世界へ導こうとする。おそろしい顔をしている。
天は、仏教に取り入れられた古代インドの神々。

これだけでもわかっていたら、展覧会をもっと楽しめたのにと残念でならない。

もう一度トライ!

普段、美術館や博物館を観るとき、私はあまり知識がなくても、気にしないで、見学するようにしていた。
説明書きもあまり読まない。
まずは観て、感じることが大切だと思っていたからだ。
けれども、仏像については、ある程度の知識があった方が、理解が深まるし、面白い。
そこで、『仏教のひみつ』を持って、近いうちに奈良の西大寺に行ってみようと思う。
ハルカス美術館で観た仏像が、西大寺ではどんなお顔をしているのか、知りたくなったのだ。
それはきっともう一度トライする価値がある再会となるだろう。
非日常の毎日で得た楽しい経験を日常のものとするのも悪くないと思うのだが、いかがだろう。

(文・三浦暁子)

仏教のひみつ

著者:松本義弘(文)谷豊(漫画)前田専學(監修)
出版社:学研プラス
みんなはお寺に行ったことがある?お墓参りに行ったことは?日本中にたくさんあるお寺は、仏教に関係しているんだよ。仏教ってどんな宗教?仏像にはどんな種類があるの?など、みんなが知りたい仏教のひみつがこの本を読めばよくわかるよ!

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