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使い方いろいろ。豆本の世界

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人はなぜか、小さな小さな物に惹かれる。
思い起こせば、幼い頃よく食べたキャラメル菓子には、小さなおまけがついていた。夢中で遊んだシルバニアファミリーの人形も、ドールハウス内には精巧に作られた小さな家具や食器が並んでいた。ミニチュアサイズの物に魅力を感じるのは、子どもの頃から始まっていたように思う。

そしていまや、大人たちの方がミニチュアに夢中だ。
本物そっくりのミニサイズの食玩。寸分の狂いなく再現された鉄道などのミニチュア模型。最近では、指先ほどのサイズのフライパンや鍋で本物の食材を使って料理するミニチュアクッキングが、動画サイトで話題だ。
これらは、実生活で何か役に立つかといえば、Noだ。ミニチュアサイズのアイテムは、飾っておく以外特に用途はない。別にあってもなくても構わない物だけど、眺めているだけで、なんだか心躍る。ドキドキと癒やしの共存とでも言おうか。

 実生活で役立つミニチュア「豆本」

ただ眺めているだけで魅力的なミニチュアだが、観賞以外にも実生活で役に立つものがある。それが「豆本」である。

豆本とは、手のひらサイズの本のこと。
その歴史は、書き文字と同じくらい古いと言われている。紀元前2000年に古代メソポタミアで作られた45mmほどの小さな粘土板が、現存する世界最古の豆文書だとのこと。日本では江戸時代、着物のたもとに入れて持ち歩けるとして、豆本が庶民の間で広まったそうだ。また、ナポレオンが遠征の際に豆本を携行し、当時の流行作品を読んでいたとか、アメリカ大統領のフランクリン・D・ルーズベルトは豆本コレクターだったなど、歴史上の偉大な人物たちが、豆本の魅力にハマっていたという記録もある。

私が豆本に出会ったきっかけは、友人が電車大好きな息子にプレゼントしてくれた手作りの列車辞典だった。
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表紙は富士山をバックに走行する新幹線の写真、中には全国各地で走っている列車の写真と名前がズラリ。普段は家に飾っておき、どこかにお出かけする際には鞄の中に忍ばせて持ち歩いている。普通の図鑑は大きくてかさばるが、豆本なら場所を取らないので、何かと大荷物になる子育て期に大助かりのアイテムだ。

こんなに使える!「豆本」アイデア

ほかにも、豆本はこんな使い道がある。

  1. 観賞用の書籍
    好きな文学作品やオリジナルの小説などを印刷すれば、ちょっとおしゃれなインテリアに。洋書で作ると、さらにおしゃれ度アップ。
  2. 子どもの作品集
    そのまま保管しておくと場所をとる子どもの工作や絵などは、写真にとって手作り豆本にすれば、いつまでも色あせない想い出として残しておける。同じものを何冊か作って、じぃじやばぁばにプレゼントしても◎。
  3. オリジナル手帳
    カレンダーを印刷して、好きなデザインのページを挟んでいけば、使い勝手がいいオリジナル手帳に。もう少しメモ欄が欲しい、数字の書体にこだわりたいなど、市販の手帳では満足できない人にピッタリ。
  4. 旅の想い出を綴った旅行記
    特別な旅の想い出は、いつまでも見返したいもの。旅先の写真や日記を印刷してレイアウトするのはもちろん、チケットなどを挟めるポケット付きの装丁がおすすめ。
  5. カードや名刺の収納ケース
    厚めの用紙を折って飾りのパーツをつければ、ショップカードや名刺を収納できる1冊に。

個人的には、2が興味深い。今の時代、パソコンでフォトブックを注文もできるが、なんとなく表紙や装丁が味気ないな…と感じていたので、1年に1冊くらいのゆっくりペースで豆本版・作品集にチャレンジしてみようと思っている。小さな本棚に、小さな豆本を並べた様子を想像すると、なんだかニヤニヤが止まらない。

オリジナルの「豆本」を作ろう!

ひとくちに豆本といっても、そのサイズはさまざまだ。ハガキの半分ほどの大きさから、ドールハウスに飾るような1インチサイズの小さなものまで、好みや用途に応じて自由に選べるのが、豆本の魅力。紙だけでなく、表紙にお気に入りのハギレを貼ったり、家に余っているビーズやリボンなどでデコレーションしたりと、自由にカスタムできるのも楽しい。

楽しい豆本の作りかた』(赤井 都・著/学研プラス・刊)には、必要な道具からレイアウトや印刷の仕方、紙の折り方などが丁寧に説明されている。ご興味がある方は、ぜひチェックしてみてはいかがだだろうか? 一度ハマったら抜け出せない、ミニチュアの世界へあなたもぜひ。

(文・水谷 花楓)

手のひらサイズの小さな世界 楽しい豆本の作りかた 

著者:赤井 都
出版社:学研プラス
絵本や日記、楽譜、カレンダーまで、自由な発想で作れる豆本。どんな内容にするか考えたり、折り方や製本を工夫すれば、世界にひとつだけの自分の“本”ができあがります。用途に合わせた8冊の本と3つの函を、初心者でもわかりやすい手順写真つきで解説。

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