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世界一素晴らしい女性は、フビライ・ハンの嫁!?

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うちの夫には憧れの女性が多く、突如として「**さんてさ~~」と、そのヒトの美しさについて、とめどなく語り始めます。
慣れっこなので、あまりまじめに聞いていないのですが、「暁子、おまえソルカクタニかチャブイになれ。世界一、素晴らしい女性だよ」と、言われたときは、さすがの私も「ソルカクタニ?チャブイ?誰?それ?意味不明~~」となりました。

フビライ・ハンをめぐる女性たち

よくよく聞いてみると、ソルカクタニとはフビライ・ハンの母であり、チャブイは彼の妻だそうです。
フビライ・ハンは、13世紀、第5代皇帝としてモンゴルを支配し、君臨した人物です。
フビライが打ち出した数々の政策が大元帝国をひとつにまとめたと言われています。
中国内に大都(現在の北京)を創建し、そこを都としたことも画期的です。
北京がフビライの手によって、その基礎を設計されていたなんて!初めて知りました。
まさに男の中の男と言えましょう。

夫は、フビライ・ハンが偉大なことを成し遂げることができたのは、母のソルカクタニと妻のチャブイの助言があってこそというのです。彼女たちは伝統に拘束されない新しい治世のヒントを彼に与え続けました。
古来より、いえ、現代でも、女性が夫の仕事、とくに政治に口を出すと、ろくなことがないと言われてきました。
もちろん、女性本人が政治家である場合は別ですが、かつてのモンゴルのように、戦いと権謀術策が繰り返される土地を治めるにあたって、母や妻の意見に左右されていては、人心を掌握できないと、私は思っていました。
けれども、どうやら例外もあるようです。

テレビドラマ、フビライ・ハン

俄然、興味を持った私は、夫が録画しては見ている中国ドラマ『フビライ・ハン』を一緒に観るようになりました。
それまでは、50話もあるテレビ・ドラマということもあり、あまり関心がなかったのです。
けれども、政治に賢く関与する母や妻の存在を学ぶことは、女性の生き方について学ぶきっかけとなるでしょう。
中国ドラマ『フビライ・ハン』は力作です。制作にかけた年月は3年を超え、費用は30憶円というのですから、力の入れ方が半端ではありません。俳優も実力者ぞろいで、楽しめます。
どの程度、現実の歴史に忠実なのかはっきりとはわかりませんが、今までぼんやりとしたイメージにすぎなかったモンゴル帝国の歴史が、整頓され、具体的な像を結んだという感じはします。

世界の歴史を漫画で学ぶ

歴史物語というのは、テレビや映画など映像で見ると、理解が深まります。
私はこれでも歴史学科の出身なのですが、ごくごく狭い範囲のことしか知りません。
日本の歴史の方は全集などを読んである程度は知っているつもりですが、世界の歴史はというと、扱われる場所が広大なこともあり、知りたいところだけ拾い読みしてきました。
モンゴルの歴史については、その複雑さに音をあげて、改めて本を読んだりもしませんでした。
これではいかんと、『学研まんが NEW世界の歴史5 十字軍とモンゴル帝国』(近藤二郎・監修、卯月・漫画/学研プラス・刊)を読んでみて、ああ、こういうことかと納得しました。
世界の歴史が漫画で描かれているのですが、特定の人物を中心にして物語が進んでいくので、こんがらかった歴史の流れが、人物伝を読むように頭に入りやすいのです。
夫の憧れの人であるソルカクタニやチャブイが生きた時代を把握することもできました。
受験参考書を見てうんざりしている受験生には是非、入門書として勧めたいと思います。
これから大人になっていく若者に歴史の知識は大事ですが、苦労に苦労を重ねて勉強していては長続きしません。
漫画を楽しく読みながら、「フムフム、なるほど」と、うなづきながら、歴史知識を自分のものにしてはいかがでしょう。

歴史を彩るヒロイン、そしてヒーローたち

『十字軍とモンゴル帝国』に登場するヒロイン、ヒーローは多彩です。
私は個人的には、チンギス・ハンとモンゴル帝国の章に登場するテムジンの物語に興味をひきつけられましたが、ジャンヌ・ダルクの物語やマルコ・ポーロも、親しみやすく、わかりやすく、描かれています。
人物伝から歴史を学ぶのは、一種のロールプレイングゲームを楽しむようで、なかなかに新鮮な体験です。
時々「漫画なんて」と言う人に会いますが、漫画だからこそ楽しく学べるということも忘れないようにしたいものです。
考えてみると、うちの夫がモンゴル史を理解するのに一番の力となったのは、ソルカクタニとチャブイという二人の女性、いわばミューズ(女神)への思慕だったはずです。
好きな人のことはすべて知りたい、どんなに細かなことでも知りたくなる。
歴史を学ぶ上で、それは大切なモチベーションとなるでしょう。
歴史上のヒーローやヒロインが、時の流れに翻弄されつつも、立ち向かう様を見ることは、今を生きる自分を叱咤激励することにつながるような気がします。
一人一人の人生は短く、小さなものであっても、コメ粒ほどの存在の積み重ねが、歴史になっていくものでしょう。
さぁ、楽しみながら、漫画で歴史を読み、見聞を深め、あなたのヒーロー、ヒロイン、そして、ミューズを見つけようではありませんか。

(文・三浦暁子)

学研まんが NEW世界の歴史5 十字軍とモンゴル帝国

著者:近藤二郎(監修)、卯月(画)、狐塚あやめ(構成)、南房秀久(原作)
出版社:学研プラス
新しい現代風の漫画家による最新の世界の歴史の学習マンガ。中心となる人物を軸に、十字軍の遠征やモンゴル帝国などの歴史を描く。

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