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「大金を拾う」という妄想を楽しもう!

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人生に行き詰まると、ありえない妄想を思い浮かべて現実逃避したくなります。

わたしが好きな妄想は「大金を拾う」というシチュエーションです。
エッチな妄想よりも、むしろ「1億円を拾う」という妄想のほうが興奮します。

ただし、1億円入りのジュラルミンケースを拾うのは現実感に欠けるので……。
わたしは「誰かが落とした札束を見つける」という状況をよく思い浮かべます。

大金を拾ってしまった話

外を歩くときには、札束らしきものが落ちていないか、いつも目を光らせています。

つい先日、ショッピングセンター内で札束を拾いました。実話です。
わたしの気分は高揚しました。「大金を拾う」という妄想が現実になったからです。

それは千円紙幣の札束でした。3枚の千円札を四つ折りに重ねたもので、一見すると紙クズのように見えました。でも、わたしは見逃しませんでした。

わたしにとって3000円は大金です。行きつけのレストラン「サイゼリヤ」ならば、1500円もあれば相当な満足感を得られます。サイゼリヤで豪遊できる大金を、わたしは拾うことができたわけです。

しかし、拾ったお金というのは、元をたどれば「誰かが落としたもの」です。
それを拾ったからといって、拾った人がすぐに所有権を得られるわけではありません。
日本の法律が定めるところによれば、わたしが拾った千円札3枚の所有権は、それを落とした人(元の持ち主)にあるからです。

落とし物を拾った。どうするべきなのか?

結論から申しますと、わたしがショッピングセンター内で拾った3000円は、拾った1分後にショッピングセンター案内所へ行って、その全額をショッピングセンターの従業員に手渡しで届けました。

わたしの行動は、日本の法律である「遺失物法」の規程に従ったものです。

施設において物件(埋蔵物を除く。第三節において同じ。)の拾得をした拾得者(当該施設の施設占有者を除く。)は、前項の規定にかかわらず、速やかに、当該物件を当該施設の施設占有者に交付しなければならない。

(『遺失物法 第四条』から引用)

ちなみに、ショッピングセンターやコンビニなどの建物に付属している駐車場も、遺失物法における「施設」に含まれます。

落とし物を届け出たのち、一定期間(公告期間)が経過しても遺失者が判明しなかった場合、落とし物を拾った人がその所有権を新たに取得することができます。
ただし、拾得者の権利発生条件が定められており、施設内で見つけた場合は24時間以内、公道で見つけた場合は7日以内に届け出なければ、謝礼や拾得物の権利を失います。

2006年の法改正によって、遺失物の公告期間が6ヶ月から3ヶ月に短縮されました(埋蔵物は6ヶ月)。
もしも遺失者が見つからなければ、拾得者はたった90日間を待つだけで幸運を得られます。高価な遺失物であるほど、迷うことなく警察に届けたほうがお得なのです。

いぜれにせよ、日本の遺失物法は、正直者や親切な人が報われる仕組みだと思います。

失われた童心を求めて

カネ、カネ、カネ……。
「楽して儲ける方法はないか?」
「働かずに済ませる方法はないか?」
いつしか、そんなことばかりを考えている醜悪なオトナになってしまいました。

そんなわたしでも、幼いころには「猫ちゃんになりたい」とか「筋斗雲に乗ってみたい」という、なにげない空想を楽しんでいました。
スパゲッティになりたい』(おいかわけんじ・作絵、たけうちまゆこ・著/学研プラス・刊)という絵本は、わたしが失ってしまった「童心」や「なにげない空想の楽しみ」に満ちています。

表題である「スパゲッティになりたい」のほかに、「ヨットになってプカプカ浮いたら気持ちいい」「ヘリコプターになって空を飛び回りたい」「カスタネットになってみんなで飛び跳ねたい」などの空想イラストが描かれています。

強欲を忘れて、童心を取り戻せる絵本です。

(文:忌川タツヤ)

スパゲッティになりたい

著者:おいかわけんじ(作・絵)、たけうちまゆこ(著)
出版社:学研プラス
「ぼく、スパゲッティになりたい……」。男の子の愉快な空想は、歯ブラシ、おべんとうばこ、ヨット、カスタネット……と、どんどんどんどん、ふくらんでいきます。大人気のイラストレーター100%ORANGEの絵本。

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