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日本中からお客さんがやってくる40坪の小さな本屋「読書のすすめ」の成功のヒケツ

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東京都江戸川区篠崎町にある40坪ほどの小さな本屋さん「読書のすすめ」。
この本屋が少々変わっている。

オーナーである清水克衛さん曰く「『ハリーポッター』を置かない本屋」。そして、店内には通路をふさぐように本が入った段ボールが並べられ、段ボールの切れ端に描かれた手書きPOPに「最古刊」などと書かれている、なんとも摩訶不思議な本屋なのだ。

マニュアルは「泣かす、笑かす、びっくりさせる」の3つだけ

しかし、この「読書のすすめ」には北海道から沖縄まで、日本全国から本を買いにやってくるお客さんがいるという。店舗は最寄り駅から徒歩10分ほど。売り場面積も広くない。いわゆる売れ筋の本は置いていない。本屋としてはまったく条件が揃っていないのに、なぜそんなに熱心なお客さんがいるのだろうか。

その秘密が書かれているのが『繁盛したければ、一等地を借りるな! 売れる店には、理由がある』(清水克衛・著/学研パブリッシング・刊)だ。

この本によると、「読書のすすめ」のマニュアルは、『泣かす、笑かす、びっくりさせる』。この3つだけということ。いったいどういうことなのだろうか。

さながら「本のソムリエ」のよう

大学時代の先輩から「ここで何か商売しろ」と言われて始めた書店。
立地条件が悪い上、コンビニの店長だった清水さんにとって、書店経営はまったくの別物。再販制度により値引きはできない、注文した商品が入荷されるとは限らない書店の独特なルールは、異質なものに映ったことだろう。

しかし、清水さんは独自の販売方法を思いつく。それは「お客さんを感動させること」だ。

「読書のすすめ」に並べられている本は、すべて清水さん自身が読んでいいと思ったものだけ。そして、お客さんとの話のなかで、これはいいのではという本を薦める。なんとなく、ワインのソムリエのような感じだ。

商売の基本は「自分がいいと思うものを売る」

これは商売の基本である「自分がいいと思ってすすめたものが売れた時の快感」を突き詰めた結果なのだ。

お客さんが喜ぶと自分が楽しい。『じゃあ、こうしたらお客さんはぜったい喜ぶ!』ということを考えると自分が楽しくなってくる。

(『繁盛したければ、一等地を借りるな! 売れる店には、理由がある』より引用)

これは、どんな商売にも通じることだろう。金儲けのことばかり考えると、効率化に目が行き、顧客不在になってしまうことも。まずはお客さんに喜んでもらうことを考え、それを実行する。そうすれば、立地条件が悪くてもファンがつくようになる。

もちろん、お金がかかるようなことはやめる。お金がかからず、自分も楽しく、お客さんにも喜んでもらえるようなことを考える。それが商売の基本だというのだ。

アホになるための5か条

本書には、商売のヒントとなることがたくさん書かれている。紹介したいエピソードなどがたくさんあるが、とてもじゃないが書ききれない。

詰まるところ、商売を成功させるには「アホになれ」ということらしい。そして、アホになるためには次の5つをやればいいとのこと。

・根拠のない自信を持つ
・本気で人を喜ばせることを考える
・損得なしで動く
・今の常識にしばられない
・自分が楽しいか、楽しくないかで決める

(『繁盛したければ、一等地を借りるな! 売れる店には、理由がある』より引用)

どうしても自分の利益を考えがちだが、それは横に置いておいて、まずは相手を喜ばせることに全力を注ぐ。もちろん、自分が辛いことはやらない。誰かに「そんなこと……」と言われてもやる。

そうすれば、どんな仕事でもうまくいくのではないだろうか。

僕はものを売る仕事をしていないが、とても参考になった。曲がりなりにも文章を書いてお金をもらっている身としては、この5つのことは頭に入れておかなければと思った。

自分では、普通の人よりは常識外れなほうだと思っていたが、清水さんの考え方を知った今、そこまでの発想はできていなかったと感じた。まずは頭のネジを1本外すところから頑張らないといけないかもしれない。俺って意外と普通の人なんだな……。本書を読んで、そう思った。

(文:三浦一紀)

繁盛したければ、一等地を借りるな! 売れる店には、理由がある

著者:清水克衛
出版社:学研パブリッシング
東京江戸川の篠崎にある小さな書店「読書のすすめ」は全国から人が集まってくる。斎藤一人氏がひいきにしている書店としても有名。なぜ、そんなお店が繁盛するのか、そして多くの人を惹きつけてやまないのか。「ハンデを個性に変えろ」と語る商売の秘訣。

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