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真夏に観たい映画『フォーリング・ダウン』に出てくる銃のギモン

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連休や里帰りで遠くへ出かけたとき、思わぬ道路渋滞にハマってしまい、クルマを乗り捨てて帰りたいと思ったことはありませんか?

映画『フォーリング・ダウン』は、渋滞にガマンできなくなった男がクルマを乗り捨てたあと、世の中に対する怒りを抑えきれず、バズーカ砲やマシンガンを乱射して大暴れするという、異色のエンターテインメント作品です。

映画『フォーリング・ダウン』とは

『フォーリング・ダウン(Falling Down)』は、この映画では「人生における転落」を意味しています。
ひどい工事渋滞にブチ切れたことをきっかけにして、マイケル・ダグラス演じる生真面目な中年男性が、善良な市民から犯罪者へとフォーリング・ダウンしていく過程が見どころです。

マイケル・ダグラス演じる中年男性は、はじめは正体不明の人物です。
乗り捨てたクルマのナンバープレート「D-FENS」をもとに、劇中では「ディーフェンス」という通称で呼ばれることになります。

キレる中年男こと「ディーフェンス」が先を急いでいるのには理由がありました。
離婚後しばらく会うことができなかった愛娘のお誕生会に駆けつけるためです。

しかし、ディーフェンスは良い夫だったとはいえず、元妻の訴えによって接近禁止の裁判所命令が出ていました。
つまり、愛娘に会いたくてたまらない暴力男が、母子家庭のもとへ迫りくるというサイコスリラーの要素も加味されるわけです。

怒りの中年男・ディーフェンス

愛娘のお誕生会に駆けつけるためとはいえ、ディーフェンスの行動は常軌を逸したものばかりです。

たとえば、50セント分の硬貨を手に入れようと雑貨店に立ち寄ります。
公衆電話をつかって元妻に連絡するためです。
そのとき「店員がイジワルなせいで電話をかけるのに必要な小銭が手に入らない」というシーンがあります。
ブチ切れたディーフェンスは、レジカウンター内の防犯用のバットを奪って、店内の商品をメチャクチャにして立ち去っていきます。つい先ほどまで善良な市民だったとは思えない豹変ぶりを見せるわけです。

さらに、そのあと街の一角でひと休みしているときに、地元のヒスパニック系ギャングに絡まれてしまいます。
しかし、もはや怖いものなしのディーフェンスは、さきほどのバットを振り回してギャング2人を撃退します。
その後、仲間をつれて逆襲にやって来たギャング共をまたもや返り討ちにするだけでなく、ギャングが携えていた拳銃やマシンガンを強奪するのです。

『フォーリング・ダウン』は、水鉄砲からバズーカ砲にいたるまで、さまざまな銃火器が登場する映画です。
たとえば物語中盤には、ハンバーガーショップ店員の態度が気に入らないといって、ディーフェンスが「サブマシンガン」をぶっ放すシーンがあります。

劇中に登場するサブマシンガン

ギャング相手にひと暴れしたあと、ディーフェンスは空腹を満たすためにハンバーガーショップへ立ち寄ります。
朝食メニューを注文したところ、「もう終わりました」と告げられます。この店では「午前11時30分」から通常メニューに切り替わるからです。

ディーフェンスが腕時計をみると「午前11時33分」でした。
………まだキレません。ディーフェンスは「ランチメニューはいらない。朝食を食べたい」と食い下がります。
しかし、ハンバーガー店長は「お気の毒ですが……」とあくまでも拒否します。
ディーフェンスは、店長に「あんたもお気の毒だな」と告げたあと、サブマシンガン(短機関銃)を取り出してみせます。

このシーンで使われている「TEC-9(KG-9)」というサブマシンガンについて、『[カラー図解]銃のギモン100』(小林宏明・著/学研プラス・刊)に解説があります。

TECはもともとスウェーデン製のサブマシンガンでしたが、開発者ケルグレンがアメリカにわたり、全自動を半自動に変更することを余儀なくされたためサブマシンガンでなくなりました。
でも全自動にかんたんに改造でき、犯罪に使われることが多くなって非難の的になり、その後改良してKG-9、KG-99と名前を変えましたが、結局悪いイメージは拭えませんでした。

(『銃のギモン100』から引用)

ディーフェンスは、はじめは脅すだけのつもりでサブマシンガンを取り出しましたが、天井に向けたときにうっかり発射してしまいます。
引き金にすこし触れただけで高速連射しているので、セミオート(半自動)の「KG-9」をフルオート(全自動)に改造したものでしょう。

最凶の小道具について学ぶ

[カラー図解]銃のギモン100』(小林宏明・著/学研プラス・刊)は、カラーイラストや写真が豊富で、ていねいに解説されているのでわかりやすいです。

マニア向けの図解だけでなく、銃が登場するエンターテインメント映画を挙げるなどして、米ソ冷戦によって「なぜ世界中に銃が拡散したのか?」という歴史的経緯についても解説しています。

映画ガイドブックとしても優れており、銃が印象的な小道具としてに取り扱われているタイトルや、劇中に登場する銃の具体的な名称を知ることができます。
銃にまつわる知識を深めることによって、映画鑑賞がますます楽しくなりそうです。

(文:忌川タツヤ)

[カラー図解]銃のギモン100

著者:小林宏明
出版社:学研プラス
銃の素朴な疑問を見開きワンテーマでわかりやすく図解! 基本の「き」からちょっとマニアックな疑問、誰かに言いたくなるウンチクまで全100項目。理解を助けるカラー・イラストと、もういちど観たくなる映画やドラマのGUNアクション・シーンが満載。

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