野菜づくり初心者が知っておきたい、土づくり4つのコツ

都心でもビルの屋上や商業施設でできる「家庭菜園」がここ数年で急増してきましたね。100円ショップ等でもベランダ菜園グッズが販売され、今まで難しいと遠ざけていた「野菜づくり」が少しずつ身近になってきたように感じます。しかし、野菜づくりを頑張る前に「土づくり」についてしっかり学んできたでしょうか?
「あれー? なんで枯れたの?」なんてことがないように今回は『野菜だより3月号別冊付録(土づくりガイドブック)』(野菜だより編集部・編/学研プラス・刊)より基本の土づくりについてご紹介します。
春にタネをまいた野菜には、これからの時期「追肥」を
4~5月頃にタネを植えた方は、これから苗がぐんぐん伸びて、実が大きく色づいてきているのではないでしょうか? もうすぐ収穫かな! とワクワク楽しい時期ですよね。
しかし、夏野菜と呼ばれる野菜の中でも、トマト・ナス・インゲンといった次々に実をつけていく、いわば「買うより全然安い、むしろ食べるのが追いつかないくらい実る野菜シリーズ」は、後半になると既存の土だけでは栄養分が足りなくなるため、追肥を加える必要があるそうなのです。
では、どんな追肥をするのが良いのでしょうか?
追肥のポイントは、即効性のある肥料を使うことだ。肥料を欲しがっている野菜が、すぐに養分を吸えるよう、発酵油かす、発酵鶏ふん、ボカシ肥料など、発酵済みの有機肥料を利用するといい。
また、追肥を施す場所も大事。根の先端あたりを狙って、根元からやや離れた場所に施すといい。
(『野菜だより 2012年3月号別冊付録(土づくりガイドブック)』より引用)
「じゃあ最初からいっぱい肥料をあげればいいんじゃない?」なんて考えの方もいるかもしれませんが、ノンノーン! 肥料を与えすぎてしまうと、土の中の微生物のバランスが崩れてしまうため、逆に不健康な畑になってしまうんだそうです。
詳しくは、次のポイントでご紹介します。
肥料は常に「腹8分目」が目安
高校生の時、部活の仲間と野菜づくりをしました。ゴールデンウィーク頃、近くの畑を借りてタネを植えて以降ほぼ放置していたにもかかわらず、夏になると長さ45cm、直径10cmくらいの、どでかいキュウリが実っていたのです! 他にもつやつやで美味しい野菜が収穫できたのですが、なぜだったのでしょうか? どうやら肥料をやればやるほど、いい野菜ができるわけではないようですよ。
養分過多の畑では、野菜は軟弱に育ち、それだけ病虫害の被害が多くなる。肥料は、元肥と追肥に分けて与えるようにし、常に腹8分目のイメージで野菜づくりをするといい。
(『野菜だより 2012年3月号別冊付録(土づくりガイドブック)』より引用)
雑草を味方にする
梅雨が過ぎると、畑からは次々と雑草が生えてきますよね。
小学生の頃にラディッシュを育てていたのですが、雑草だと間違えて小さなラディッシュを引っこ抜いてしまい、すごく悲しい気持ちになったことを今でもラディッシュを食べるたびに思い出します。
家庭菜園をやられている方はご存じかもしれませんが、最近は雑草を抜かず鎌で上部を刈るだけという方法もあるみたいなのです。
雑草が枯れると、土の中に残った雑草の根は、やがて微生物に分解される。すると、細いパイプラインが縦横に廻らされた状態になり、土の通気性や通水性が良くなる。そのパイプは微生物の棲み家にもなる。
(『野菜だより 2012年3月号別冊付録(土づくりガイドブック)』より引用)
雑草は「害」と思われていたのに、まさか根が栄養になってくれるなんて驚きですよね。こちらの方法は、こまめに上部を刈っていかないとすぐに雑草が伸びてきてしまうため、毎日のように畑の様子をチェックできる環境にある人へおすすめの方法かもしれません。
来年のために「堆肥」を作っちゃおう!
刈った雑草、そのままにしておくなら「堆肥」にして来年の「土」として使っちゃいましょう! 実はビニール袋で手軽に仕込める「雑草堆肥」なんてものがあるんです。
準備するものは、丈夫なビニール袋と以下の材料だけ! これらを詰めた袋の口を閉じ、1年ほど畑の隅に放置しておくだけで、黒褐色のような堆肥が出来上がります。今からの暖かい時期から仕込めば、半年後にはできちゃうんですってよ!
材料の目安
雑草:空き袋に8分目
米ぬか、油かす、魚粉など手に入る有機肥料:約2リットル
畑の土:ショベル半分
水:約1リットル
(『野菜だより 2012年3月号別冊付録(土づくりガイドブック)』より引用)
水は、1日汲み置きし、カルキを抜いたものを利用するか、川の水などを利用すると微生物がよく増えて活動してくれるんだとか。あるアンケートでは、家庭菜園を通じて「育てる喜びを知ることができた」「野菜を育てることで心や体が癒された」なんて喜びの声もあるそうなので、すでに始めている人も、これから始めようかと思っている人もまずは「土」と向かい合って、土の声を聞いてみてはいかがですか?
(文:つるたちかこ)
▼ 参考
家庭菜園に関するアンケート2015 : https://www.iris-saien.com/event/saien2015/


野菜だより 2012年3月号別冊付録(土づくりガイドブック)
編:野菜だより編集部
出版社:学研プラス
野菜を元気においしく育てたいなら、まず土づくりから! 地力をパワーアップするための土づくりの基本から、やさしい堆肥のつくりかた、さらには効果的な堆肥・肥料の施し方まで、本書1冊で土づくりの基本を完全マスター!
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