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今や3人に1人! 大学院生の社会人率

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社会人として働き、50歳を過ぎたあたりで大学院に入り、今までの仕事を続けつつ、専門分野を研究する。最近、そういう人が私の周りに何人も現れている。なんと、大学院博士課程では、3人に1人がこうした社会人大学院生なのだそうだ。

仕事をしながら学ぶ

実は私も、通信制の大学に4年前に学士入学して、仕事をしながら勉強を続けてきた。作家のくせに文学部を出てないなんておかしいと息子に指摘されて悔しかったのと同時に、文学部に行きたかった憧れを思い出し、衝動的に入学を決めたのだ。
もしかしたら物書きとして20年暮らしてきて、自分の中で一旦今までのことを振り返りたかったからなのかもしれない、と後になって気づいたのだけれど。

働きながらの勉強は大変だった。
もう若くないので暗記ものが苦手で、テスト前には本当に頭がはちきれそうなくらい詰め込んだし、仕事や子どもの保護者会などでテストに行けないことも何度もあった。睡眠時間を削ってレポートを書いたこともたびたびだった。卒論は書いても書いても終わりが見えずに辛かった。本当に大変だったのに、卒業できそうという状況になった今、自分でも意外だけれど、できればいつか大学院にも行ってみたいという気持ちが生まれている。

大学院に行きたい人々

私の奮闘を聞いた友人知人の中には「私も大学で学びたい」という人が何人も現れた。
多くは大卒の学歴がなく、憧れを持っている人たちだ。大学院で学びたがる社会人も多くは、前から大学院に憧れていたのではないだろうか。
『働きながらでも博士号はとれる』(都丸孝之・著/研究社・刊)によると、平成24年に大学院の博士課程に入学した15,557人のうち、5,790人、実に37%もが社会人であったという。うち30代が28%、40代が7%、50代は3%で60代以上も1%いる。

なぜ働きながら大学院で研究をするのか、その理由の主なものは、自分のキャリアの見直し、自分の専門と異なることを学びたい、業務のマンネリ化からの脱却、そして博士号というステータスが欲しい、らしい。確かに博士は最高学位であり、その分野を極めている人と周囲にも認められることであろう。しかし標準修業年限の3年以内に博士号を取れる人は全学生中40%しかいない。

新しい学びの世界

最近は社会人でも通いやすい大学院が増えている。サテライトキャンパスを都心に設け、アフターファイブに学びやすくしているところもあれば、夜間や土曜日に授業を開講するところもある。とはいえ、受けたい授業やゼミが平日の昼間に行われる場合もあるかもしれないし、論文の執筆や、資料の収集などやらなくてはならない作業も多い。理系や心理学の場合はこれに実験なども加わることもあるのだろう。

少子化で定員割れが続き、廃校する大学も出てきている中で、大学院人気が加熱し始めているのは、学びを極めたい人が増えているからなのだろう。大学にとっても、一般学生以外に社会人学生が増えることは、学生数の増加になるし、悪いことではないはずだ。そして何より、会社以外の新しい世界で学ぶということに刺激を受ける人も、きっと多いはずだ。私の知り合いは大学院に進学してかえって人脈が広がった、と話してもいた。

極めたいという気持ち

私自身、なぜ大学院に行ってみたいのか考えてみた。正直、研究したいことは決まっている。一度関わったからには、その分野をすべて知りたい、そんな気持ちになっているのだと思う。好きな異性ができた時にはその人のことを全部知りたいという気持ちが生まれるけれど、それと同じようなものかもしれない。

とはいえ私自身は、まだ下の子どもが高校生で、大学進学を控えている。彼女の学費をしっかり納めることのほうが、さすがに先だ。そんなことを考えていたら、上の子どもが大学院に進学したいと言い出した。理系は大学院に進む人がかなり増えているそうで、息子の学友もほとんど大学院に進むのだとか。学び続ける息子をうらやましそうに横目で見つつ、私も、いつかあるかもしれない私自身の大学院進学を夢見ていよう。勉強はきっと一生続けるものなのだろうから。

(文・内藤みか)

働きながらでも博士号はとれる

著者:都丸孝之
出版社:研究社
博士号をめざす社会人のための実践的テクニックガイド。
働きながら大学院に通い、効率的かつ最短で、博士号を取得するためのノウハウを教えます。
大学院進学準備から研究テーマの設定、査読付き論文の投稿テクニック、論文採択のための必須ポイント、最終審査のプレゼン攻略法まで具体的にアドバイス。
社会人学生として博士号をとった著者自身の経験をもとに、学位取得までのプロセスを徹底的に解説します。
仕事と大学院生活を両立させ、業務を研究に生かし、博士号取得でステップアップを目指す社会人の疑問と迷いを解決する、戦略的・実践的な情報が満載。

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