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ロリータファッションをコスプレと一緒にしないで!

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私がはじめて東京を旅行したとき、家族で明治神宮に行きました。そのとき、最寄り駅の原宿駅の近くで見たロリータファッションに身を包んだ女性の姿は、今も忘れられません。

まさにお人形さんのように美しく、完璧なコーディネートでした。興味を持って、ロリータファッションのバイブル的な雑誌である「KERA」を買ってしまったほどです。

意外にも歴史は1970年代まで遡る

ロリータファッションを扱う店は、原宿のみならず、大型のファッションビルにも入っているほどです。このファッションのジャンルは、いったいどのようにして生まれたのでしょうか。

歴史を紐解いてみようと、『セカイと私とロリータファッション』(松浦桃・著/青弓社・刊)を手にとってみました。著者が過去のファッション雑誌を調べたところ、現在も続くロリータのブランドが設立されたのは1970年まで遡るそうです。

ところが、70~80年代はまだ黎明期といえる状態で、お人形さんのような服をまとっていた人はいたものの、ファッションのジャンルとして明確に区別されるようなことはありませんでした。

『下妻物語』で認知度が上がる

著者によると、現在につながるイメージが確立されるようになったのは90年代、厳密に言えば94年頃になってからのようです。

一般層にも知られるようになった大きなきっかけは、映画化もされた小説『下妻物語』の存在でしょう。特に、映画で深田恭子が演じるロリータファッションを愛する女子高生・竜ヶ崎桃子のキャラクターは、インパクトも強烈でした。

映画はロリータの愛好家の間では賛否両論があったようですが、これを機に興味を持った人は多いはずです。認知度を高める効果は絶大だったといえます。

メイド服とは別物です

ところで、ロリータをコスプレと同一視する人は結構います。確かに、ドン・キホーテでもそれっぽい服は売っていますし、非日常的な雰囲気から、コスプレと考えてしまうのも無理はないかもしれません。

しかし、いわゆるオタク文化が流行する以前から存在する文化ですから、コスプレとはまったく別物なのです。

さらにはメイド服と似たようなものと考えている人もいます。しかし、著者によると、ロリータ服とメイド服の起源はまったく異なるものだそうです。いわゆるオタク文化のメイド服の起源は、もともとは同人誌のイベントにルーツがあるのだとか。

ロリータの愛好家は、自分のファッションをコスプレと混同されることを好まない人がほとんどなので、くれぐれもお気をつけください。

ロリータファッションは日本の伝統そのもの

さて、ロリータファッションの人気は、今やフランスをはじめヨーロッパ各国にもファンが広がっています。

デザインがヨーロッパ風の世界観を持っているにも関わらず、日本を代表するファッションの一つとされているのも興味深いです。外国の文化をうまく取り入れて昇華するのは、日本文化の得意技で、伝統といえます。そういう意味でも、ロリータファッションは極めて日本的なファッションといえるでしょう。

(文:元城健)

セカイと私とロリータファッション

著者:松浦桃
出版社:青弓社
永遠の少女を生きる私は、ロリータ/ゴスロリファッションを身にまとう。――私とセカイとの幸福な出合いへと導く、日本発服装的革命実践の手引書。

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