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人工知能の進化におびえる日々。いまの仕事を続けるべきか悩んでいます

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食品工場で働いています。
単純作業であるがゆえに、AI(人工知能)や自動化技術によって仕事を奪われることにおびえる毎日を送っています。

不安な気持ちでいっぱいです。とても悩んでいます。
10年後も食いっぱぐれないためには、この先、どのような仕事でキャリアを積むべきでしょうか?

いまの仕事を選んだ理由は?

自分を見つめ直すために、『未来のお仕事入門』(東 園子・漫画/学研プラス・刊)という本を読みました。
すべての漢字にルビ(よみがな)がついているので、小学3年生あたりから通読できると思います。

この本を読んで、忘れていた「初心」を思い出しました。
少年時代のわたしは、安定や高給ではなく、何よりもまずは「職業の肩書き(イメージ)」に憧れていたということです。

子どもの心に宿った「職業への憧れ」は、純粋な労働意欲といえます。
将来性や条件にすぐれた会社で働くことができても、意欲が続かずに辞めてしまっては意味がありません。

この先、新しい仕事を選ぶときには、職業に対する「原初の憧れ」も参考にするべきだと思いました。

憧れていた職業の「理想と現実」

『未来のお仕事入門』は、子ども向けの学習まんがですが、あなどれない内容でした。
さまざまな職業の業務知識を、小学生にもわかりやすく解説しているからです。

たとえば、本書の第6章には「フラワーショップ」に職場見学に行くエピソードがあります。
いわゆる「お花屋さん」です。

職場見学は、朝の5時半に早起きして、生花市場で仕入れをするところから始まっています。
仕入れのペースが「週2~3回」であることや、競り(セリ)があることも解説しています。

職場見学をしているのは、お花屋さんに憧れている桃香ちゃん(小学5年生)です。
はじめのうちは「きれーい」などと言って楽しそうでした。

しかし、フラワーショップ実務を知っていくうちに、やがて戸惑いを見せはじめます。

フラワーショップの実務

生花の茎の根本を切る「空切り」。
水につけて同じ作業をする「水切り」。
桃香ちゃんの「憧れ」がくつがえされるのは、次の「湯揚げ」という工程からです。

水の吸い込みが悪い花や、水切りだけでは水の吸い込みが足りない場合に、この作業をします。
花を新聞紙などで包んで、1センチほど切ってから、ふっとうした湯に10~40秒つけて、すばやく水にひたすの。

(『未来のお仕事入門』から引用)

「湯揚げ」は、生花の組織から空気を抜いて、細菌を減らすための作業です。
お花が大好きな桃香ちゃんは「お花がかわいそう!」と驚きを隠せません。

さらに「茎(くき)をたたく・割る」作業もあります。
硬い部分をたたいたり割ったりすることで、吸水を良くするためです。

フラワーショップでは「見切り」作業も欠かせません。
きれいに咲いている花であっても、お客さんが買ったあとに枯れてしまうであろう鮮度の商品は、あえて廃棄するのです。

「見切り」は、お花が大好きな桃香ちゃんにとってショックな事実でした。
しかし、桃香ちゃんの「お花が大好き」という気持ちは失われず、見学先だったフラワーショップをふたたび訪れて、仕事のことを教わるようになったそうです。

知らなかった仕事について学べる

『未来のお仕事入門』には、7つの職場見学が収録されています。

・物をつくるのが好き(パティシエ)
・体を動かすのが好き(サッカー選手)
・数字や図形が好き(ゲームクリエイター)
・人と会うのが好き(フラワーショップ)
・自分を表現するのが好き(まんが家)
・世界のことを知るのが好き(宇宙飛行士)
・人の役に立つのが好き(医師)

(『未来のお仕事入門』から引用)

「好きなこと」項目別に、あわせて178職種の「どんな仕事?」と「なるには?」の解説が収録されています。

たとえば「助産師」の項目には、資格取得の方法や適正について書いてあります。
じつは、助産師の受験資格は「女性のみ」です。
看護師や保健師には男女の制限がなく、産科や婦人科には男性医師がいるにもかかわらず、助産師だけは「性別が限定」されている国家資格なのです。知りませんでした。

人生は自由です。働くにしても、さまざまな選択肢があります。
この本を眺めているうちに、いつのまにか忘れてしまった「職業への原初的な憧れ」を思い出せるかもしれません。

(文:忌川タツヤ)

未来のお仕事入門

著者:東 園子(漫画)
出版社:学研プラス
子どもたちに人気の職業を中心に、職種は分野別に全部で170種類以上をまんがやイラストを使って紹介している。中でも人気の職業は、インタビューや職業体験など、詳しく紹介している。子どもたちが将来の進路を考えるきっかけを提供できる本である。

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