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「なぜ働かなければならないのか?」理由は聖書に書いてある

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アニメや洋画を観ていると、聖書由来らしきセリフが登場することがあります。
そんなときには、「聖書の知識があったらもっと楽しめるのに」と悔しい思いをします。

カラー版 イチから知りたい! 聖書の本』(大島力・監修/西東社・刊)は、旧約聖書と新約聖書を、わかりやすい図解と文章にまとめたものです。
読んでいるうちに、「あのセリフやあの登場人物は聖書が元ネタだったのか!」という新しい発見があるかもしれません。

楽園追放

ユダヤ教の聖典である旧約聖書には、原罪にまつわるエピソードがあります。
人類最初の男女であるアダムとエバ(イヴ)の物語です。

神は、アダムとエバを創造したあと、ふたりを「エデンの園」に導きます。
不自由なく暮らせる楽園ですが、ひとつだけ、神は「善悪の知識の木の実」を食べることを禁じていました。

あるとき、頭のいい蛇(ヘビ)がエバをそそのかします。
そしてエバは、禁止されていた「善悪の知識の木の実」を食べてしまうのです。

神はふたりを問いただしましたが、アダムはエバに、エバは蛇に責任をなすりつけました。

(『カラー版 イチから知りたい! 聖書の本』から引用)

怒った神は、アダムとエバに罰をあたえます。

女には子を生む苦しみを、男には額に汗して労働する苦しみを、そしてすべての人間に命の期限を与えました。

(『カラー版 イチから知りたい! 聖書の本』から引用)

つまり、私たちが「働かなければいけない」のは、アダムとエバのせいなのです。

善きサマリア人の話

新約聖書は、おもに「イエス・キリストの生涯」をまとめたものです。
キリスト教の聖典ですから、人格を修養するための教育的な内容が盛りだくさんに収録されています。

たとえば「善きサマリア人」というエピソードがあります。

ある男性がエルサレムからエリコに向かう途中、盗賊に襲われました。
彼は着物をはぎ取られて、半殺しにされ、道端に放置されました。

そこへ何人かの人が通りかかります。

(『カラー版 イチから知りたい! 聖書の本』から引用)

死にかけているユダヤ人の近くを通りかかったのは、つぎの3人でした。
・ユダヤの祭司
・レビ人
・サマリア人

盗賊の被害にあったのはユダヤ人でしたが、ユダヤの祭司は助けようとしませんでした。厄介ごとを避けるためです。

レビ人は、ユダヤ人とおなじ古代イスラエル王国に縁(ゆかり)のある民族ですが、他人事であり、面倒なので助けようとしませんでした。

半死状態のユダヤ人を助けたのは、サマリア人でした。
じつは、サマリア人というのは、当時のユダヤ人と敵対関係にあった民族です。

つまり、憎い相手にも手をさしのべるという倫理観を説いており、当時としては画期的な考え方だったようです。
「隣人を愛せよ」というイエス・キリストの教えを象徴するエピソードとして知られています。

なぜ、イエス様は処刑されたのか?

イエス・キリストは「ユダヤ教に代わる新しい思想」を伝えるために、各地をめぐっていました。
形骸化や権力の腐敗を指摘されたユダヤ教の指導者たちは、イエスのことを憎むようになり、それが「受難」へとつながっていくのです。

新約聖書には、イエスがユダヤ教の指導者たちを論破するエピソードが収録されています。

当時のエルサレムは、ローマ帝国の支配下にありました。
歴史的経緯によって、ユダヤ人はローマ人に従属させられていたからです。

エルサレムのユダヤ人は、ローマ帝国に税金を支払っていました。
あるとき、新しい教えを広めていたイエスを陥れるために、ユダヤ教の指導者がイジワルな問いかけをします。

「ユダヤ人である私たちが、ローマの皇帝に税金を納めるのは、律法に適ったことなのでしょうか?」

この質問は、イエスが「税を払うべき」と言えばローマ支配を嫌うユダヤの人々の反感を買い、「払うべきでない」と言えば、ローマ人とその支持者を怒らせてしまう可能性が高いため、どちらに転んでもイエスを窮地に追い込める、実に手の込んだ策略だったのです。

(『カラー版 イチから知りたい! 聖書の本』から引用)

イエスは、つぎのように答えました。

「税金はどんな物で納められるか?」と逆に質問し、相手が銀貨を見せると、そこに彫られているローマ皇帝の肖像を指して、
「皇帝の物は皇帝に返しなさい」
と言ったのです。

(『カラー版 イチから知りたい! 聖書の本』から引用)

絶妙な回答ですが、こんな感じでユダヤ人の支配階級を論破しすぎたがゆえに、イエスはゴルゴダの丘で処刑されてしまいます。
悲劇的であり、最後まで目が離せないドラマチックなエンターテインメントです。

聖書が、さまざまなフィクションの元ネタとして採用されてきた理由がわかりました。

(文:忌川タツヤ)

カラー版 イチから知りたい! 聖書の本

著者:大島力(監修)
出版社:西東社
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「聖書とは何か?」「旧約聖書と新約聖書ちがいは?」「救世主とは?」など、本書は、天地創造から最後の審判まで、聖書の世界がスッキリわかる1冊です!!
*本書は、当社ロングセラー「もう一度学びたい聖書」(2006年4月発行)をオールカラーにリニューアルし、書名・価格を変更したものです。

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