ハウツーが満載のコラム
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ややこしい歴史も、まんがで読めばスイスイわかる~

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私は大学の専攻に史学科を選びました。
小学生の頃から、歴史物語、とくにNHKの大河ドラマが大好きだったからです。
歴史好きの女性のことを「歴女(レキジョ)」と呼びますが、まだその言葉がなかった頃から、私はすでに「レキジョ」だったといえましょう。
何かというと「人に歴史あり」と呟くので、友達に「辛気臭いな~~。若さがないな~~」と、笑われていました。
けれども、辛気臭くてもよかったのです。
過ぎ去った過去のことを思っているときが一番幸福だったのですから・・・。

歴史アレルギーの生徒を持って・・・

自分の希望で歴史学科の学生となったにもかかわらず、まじめな学生ではありませんでした。
大学で学ぶ歴史はイデオロギーの勉強が多く、私にはなじめなかったのです。
その代わりに、せっせと家庭教師をしました。
とくに歴史を教えるのが好きでした。
講談師をまねてとうとうと語り、ドリルを渡して模擬試験をし、一緒に点をつけ、答え合わせ・・・。
これで、アルバイト代をもらえるのですから、遊んでいるようなものです。
ところが・・・。
わざわざ「歴史を教えてくれる先生を」とのオファーで呼ばれる学生には、重症の歴史嫌いが多いことにやがて気づき、唖然としました。

昔の人のことなんて知らないよと言われた私

ひとり、どうしていいかわからないほど、歴史嫌いの女の子がいました。
他の教科は素直に勉強するのですが、歴史のドリルを出すと、「え~~っ、そんなのやるんですかぁ。今日はいいよぅ~~」と、拒否の姿勢。
なだめすかして始めても、嫌いなものは嫌いらしく、「秀吉?何、それ?先生、秀吉君って呼んでもいい?だったらまあ、やってもいいけど」などと言うのです。
秀吉君?まぁ、呼び捨てよりいいかと、許したものの、どこか違います。
おまけに「卑弥呼ちゃんと秀吉君ってさ~~、結婚すりゃあいいのにね」と、まじめな顔で言います。
本当に同時代の人だと思っているのか、ふざけているのか、よくわかりません。
ある時、「どうしてそんなに嫌なの?」と尋ねたら、「だってぇーーー、暗記するの大嫌いだしぃ、それにさぁ、そんな昔の人のことなんか関係ないもの。わたし、今を生きる女なの」と、妙に説得性のあることを言うのでした。
うーむ、確かに。
私にはそういう姿勢が欠けているのかもしれないと反省していると、彼女はさっさと教科書をしまい、「もう今日は終わりにしよう。先生、彼の話をしよう、聞いてよ」と、かわいい顔で笑うのです。

子供を歴史好きにするために

どんなに嫌いでも、大学を受験するためには歴史で点を取らねばなりません。
だからこそ、私は雇われているのです。彼女も日本史で受験することになっていました。
結局、補欠ながら希望の大学に合格したのでほっとしましたが、最後まで「秀吉君、義経ちゃん」などとふざけてばかりでした。
おまけに、「先生さーー、歴史が面白いだなんて、他に楽しみないの?そんな昔のこと、先生だって見てたわけないじゃん」と、奇妙に痛いところを突いてきます。
けっこう当たっています。そのため、最後まで厳しくできませんでした。

その後、私は結婚し、息子が生まれましたが、歴史を教える気にはなりませんでした。
というか、教えたくても教えることができなかったのです。
その代わりに、漫画をそろえてやりました。
『日本の歴史』も『中国の歴史』も『世界の歴史』も。
ちゃんと教えたら大変ですが、漫画を置いておくと、息子は一人で読んでいました。
やがて、自分で時代小説を買うようになり、あっと言う間に、私などよりずっと世界の歴史に詳しい「歴史ボーイ」ができあがりました。

タイムマシン的な楽しさ

「私はレキジョだ」などと言ってはいますが、実のところ中国の歴史は苦手です。
数多くの王朝が入り乱れ、広大な領土を取り合う様はとらえどころがなく、NHK大河ドラマで歴史を学んだ私には難しかったのです。
それが、息子に与えた漫画を自分で読んでみると、ああ、なるほどねと思うことができました。
先日も、西安に行くために秦の始皇帝の知識を得たいと思ったのですが、本で読んでもなんだかぴんときません。
けれども『学研まんが 世界の歴史4 古代中国文明と秦の始皇帝』(ムロタニツネ象・まんが、長澤和俊・監修/学研プラス・刊)を読むと、見たこともない秦の時代が、頭の中にスイスイ入ってくるのです。
中国に国家が生まれる黎明期や万里の長城の話、そして項羽と劉邦の争いなど、大河ドラマ以上の面白さで迫ってきます。
かつて家庭教師をしているとき、どうして漫画で読むという選択肢を考えつかなかったのだろうと、悔やむほどです。
血沸き肉躍るこの物語を教材にしたら、あたかも自分が見ていたかのような臨場感を感じながら、教えることができたはずなのに・・・。
私はもう家庭教師をすることはないでしょうが、もしやり直せるなら、タイムマシンにのって、学生時代に舞い戻り、漫画を教材として歴史を教えたいなと思います。
楽しいことは結局、良い結果を生むものだと信じるからです。

(文・三浦暁子)

学研まんが 世界の歴史 ④古代中国文明と秦の始皇帝

著者:ムロタニツネ象(まんが)長澤和俊(監修)
出版社:学研プラス
黄河流域におこった中国文明は、殷・周の時代をへて戦乱の時代となり、秦の時代に統一された。後に漢の時代には、約400年にわたって帝国の統一が続き、文明が花開いた。

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