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ポートレートの肌の色は「白目」を基準にしよう

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ポートレートとは、人物をメインの被写体とした写真のことだ。
ポートレートで一番重要なのは、なんだろう。僕は「肌の色」だと思っている。

もちろん、構図や光の回し方、ピント、ポージングなど、重要な要素はいろいろある。しかし、そのなかでも僕が一番気にしているのが肌の色なのだ。

ベストな肌色を出すのが難しい

僕は、仕事で写真撮影を行う際には必ず「RAW」というファイル形式で撮影する。
そのRAWファイルを現像ソフトと呼ばれるソフトで調整(この作業を“現像”と呼ぶ)して仕上げを行う。JPEGファイルで撮影して微調整してもいいのだが、画質劣化が大きくなるため、RAWファイルを使っているのだ。

ポートレートを現像する場合、ちょうどよい肌の色を決めるのに時間がかかる。透明感のある瑞々しい肌色が撮影時に一発で決まればそれでいいのだが、周囲の色、そのときの光の状態などで変わってしまうため、なかなかこれだ! という感じにならないことが多い。そこで、現像ソフトを使って調整していく。

現像ソフトを使って調整をすればうまくいくかというと、なかなか難しい。ちょっと赤味を押さえたり、黄色みを足したり、青や緑のかぶりを押さえたり。いろいろ調整していくうちに、何が何やらわからなくなることもしばしば。

特に女性を撮影したときは、肌の質感はとても気になる。気になるからずっと試行錯誤してしまい、最終的に「なんとなくこんな感じかな」というところで終了。悪くはないのだが、正解かどうかはわからないままだ。

色の基準を白目で決める

そこで『ポートレートAdobe Photoshopレタッチの教科書』(桐生彩希、萩原和幸・著/玄光社・刊)を読んでみた。この本は主にPhotoshopを使ったレタッチについて書かれているが、肌の色を決める際のヒントが載っていた。

それは「人物の白目」を基準にするということだ。

条件が合えば、即席で色が整えられるテクニックが「白目クリック」。
これは白目が白くなるようにカラーバランスを整える方法で、
肌の色をどう調整してよいかわからなくなった時に効果を発揮する。

(『ポートレートAdobe Photoshopレタッチの教科書』より引用)

Photoshopや現像ソフトにある、画面内の1点を選択してそこの基準とし、画面全体のカラーバランスを調整する機能を使い、白目を選択。これにより、ある程度の色かぶりなどは解決できるというのだ。

ただし、これも完璧ではない。白目の中で場所を変えて選択して、ここだというところを探っていく感じになる。

白い部分を選択するのなら、服や背景の建物などでもよさそうなものだが、なぜ白目なのだろうか。

それは「ポートレートには必ず写っている部分」だから。なるほど。目をつぶった写真でなければ、白目はたいてい写っている。それを基準にすれば、困ることはない。理にかなっている。

肌の調整は「白目クリック」から始めよう

もちろん、白目でカラーバランスが一発で決まることは稀。あとは微調整となるのだが、このあとの作業は好みの味付け。イメージに近づけていく作業となる。

しかし、まったくのゼロの状態から調整するのは意外と難しい。そこで「白目クリック」で基準を作ることで、あとの作業を楽にすることができるのだ。

試しに、電球色の蛍光灯下で撮影したポートレート写真で白目クリックを実行してみた。電球色の蛍光灯で撮影すると、やや黄色みが強くなる。そこで白目でグレー点を指定してみたら、黄色かぶりが解消された。これを数値設定で行っていたら、かなり時間がかかったことだろう。

今度から、ポートレートのカラーバランスに困ったら、迷わず白目をクリックしよう。僕はそう心に誓った。

みなさんも、ポートレートの色合い調整に困ったら、「白目クリック」を。肌色調整の出発点として、頼りになるはずだ。

(文:三浦一紀)

ポートレートAdobe Photoshopレタッチの教科書

著者:桐生彩希、萩原和幸
出版社:玄光社
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