世の中には、残業をしたい人と残業をしたくない人がいます。
「残業をしたくない人」といっても様々なケースがあります。
仕事のやり方が遅いせいで残業しているのなら、それは本人の責任です。
残業がイヤなら、仕事を早く終わらせるための工夫をしましょう。
『なぜ あの人は2時間早く帰れるのか』(中谷彰宏・著/学研プラス・刊)は、63項目の「超速で仕事を終わらせる習慣」を紹介しています。
仕事は駅伝。1秒を稼ぐことの大切さ
じつは、残業をしても「仕事の遅れ」は取り戻せません。
遅れなければ、もっと先に進んでいるはずだからです。
現代社会では、利益を得られるのは「早いもの勝ち」「先着順」と決まっています。
まさに競争社会であり、スポーツの「競走」でもスピードが求められます。
駅伝は10人で走ります。
自分のところで、いかに1秒を稼ぐかの勝負です。(『なぜ あの人は2時間早く帰れるのか』から引用)
競技中(就業時間内)のタイムこそが重要なのです。
残業とは、陸上競技のゴール地点を過ぎても走り続けるようなものです。
競争社会においては無意味な行為であり、手遅れなのです。
残業時間を30分減らすためには
ちょっとした心がけで、残業時間を減らすことができます。
ランチタイムを30分以内に終わらせれば良いのです。
ランチを食べるのが遅い人は、しくじっています。
たいていは、食べすぎです。
腹8分目でも、午後の仕事のスピードが落ちます。
眠くなるからです。
(中略)
もう1つの遅くなる原因は、食べるのが遅い人とランチに行くことです。(『なぜ あの人は2時間早く帰れるのか』から引用)
フルタイムで働いているなら、労働基準法に定められている残りの休憩時間は勉強をしましょう。
能力が高いビジネスパーソンは、スキマ時間を逃しません。
天才でさえ移動中に勉強していた
古今東西を問わず、後世に名を残すような人物は「スキマ時間」を有効活用しています。
作曲家のフランツ・リストは、19世紀のヨーロッパにおける人気ピアニストでもありました。
会場までの移動を含めて「3日に1回」というスケジュールで演奏旅行おこなっていたリストは、暗譜(楽譜を見ない)で演奏することでも有名でした。
リストが天才だったのは確かですが、まったく練習をしなかったわけではありません。
練習するのは、移動の馬車の中です。
馬車の中にピアノを設置し、練習していました。
忙しい人は、移動中に仕事をするのです。(『なぜ あの人は2時間早く帰れるのか』から引用)
リストが使っていたのは「指を慣らすための音が出ない携帯鍵盤」でした。
移動中に練習することによって、タイトなスケジュールにもかかわらず、ヨーロッパ各地でパーフェクトな演奏ができたわけです。
現代のビジネスパーソンには、通勤時間や出張の移動時間という「スキマ時間」があります。
仕事を楽しむための考え方
なぜ、仕事が早いほうがいいのでしょうか?
『なぜ あの人は2時間早く帰れるのか』の著者である中谷彰宏さんは、「スピードを上げれば楽しくなる。楽しくなれば、もっと速くなるから」とアドバイスしています。
昼食を急いだり、スキマ時間に勉強したりするのは、「時間に追われている」ように見えるかもしれません。
しかし、仕事が早い人にとっては当たり前のことなのです。
マラソンで走っている人に、「急いでますか」という質問はしません。
(中略)
「急いでいます、急いでいます」と言いながら走っているマラソンランナーはいません。
走っていることが、常態化しているからです。(『なぜ あの人は2時間早く帰れるのか』から引用)
つまり「仕事が早い人は、ハイペースがマイペース」というわけです。