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電話営業のプロが教える、話を聞いてくれる時間・聞いてくれない時間

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学生時代に行ったことがある小さな家庭教師派遣会社では、家庭教師をしたい学生の登録を受け付けると同時に、子どもがいるご家庭に電話営業をかけていた。そこには、伝説のおばさまがいた。
なんと電話一本で毎日のように契約を取り、驚異的な成績を上げているという。
彼女はなぜ、そんなにも客の心を掴めたのだろうか。

電話を中断する理由

狭い事務所だったので彼女の大きめな声でのトークは、よく聞こえた。
彼女は電話がつながるや否やひどく心配そうに相手の子どもの成績について尋ねていた。相手に心配されると客もつられて心配になるのだろう、親身なトーク作戦で契約を勝ち取っているようだった。

ところがある日、今にも契約となりそう、というその時、状況に異変が起きた。彼女から電話を切ってしまったのだ。その理由はお子さんが学校から帰宅したから。「ちょうどいいので、お子さんともお話ししてみてください。また明日かけ直させていただきますね」と、あっさり受話器を置いてしまったのだ。
なんだか少しもったいない気がした。

デッドタイムのリスク

電話嫌いな人ほど成功するテレアポ・電話営業バイブル』(尾島弘一・著/現代書林・刊)を読むと、その理由が今になって見えてくる。人には話を聞いてくれるゴールデンタイムと、忙しくてちゃんと話ができないデッドタイムがあるのだという。主婦なら家族が留守にしている昼間がゴールデンタイムで、家族が戻る夕方から夜間はデッドタイムだそうだ。確かにこの時間は、夕食やお風呂などの世話で、息つく間もないほどバタバタしていることだろう。

電話営業のプロフェッショナルの女性は、お子さんが帰宅した途端、会話を自ら打ち切った。
それは電話先の奥様がお子さんに気が入って、気もそぞろになったからなのかもしれない。お子さんがそばにいるところで勝手に家庭教師を申し込むのも、母親として気がひけるかもしれないし。相手の立場を考え、配慮できる人間は、決して無理をさせないのだ。

人によって違う時間帯

このゴールデンタイムとデッドタイム、職業や立場によって、違うのだという。
例えば建築現場に出ている人の場合は、午前の早い時間か夕方でないとつかまらない。営業マンも外回りに出る前か後、朝と夕の2時間がチャンスだという。

飲食業は午前の早い時間か14時以降の2時間が狙い目だ。そして飲食業は昼や夕方は忙しいのでそこがデッドタイム。大勢のお客様でてんてこ舞いしている時に営業の電話をかけられても、話をじっくり聞くのは難しいはずだ。

面白いのは社内でも担当部署によってつかまる時間帯が違うということだ。
例えば総務や人事は決まった時間に休憩を取るからか、お昼時に電話をすると嫌がられるという。確かにみんなでランチに行こうとソワソワしている時に腰を据えて話はできない。そして社長は朝は会社にいる時が多く、朝には話がしやすいが、それを過ぎると外出も多く、なかなか話ができない。社長に寄り添う秘書は午前中はスケジュール調整で忙しいので、昼過ぎに連絡したほうがいいという。

契約の数珠つなぎ

私の知り合いに、保険売り上げでその会社の全国1位になった人がいる。
その人の場合、1人と契約すると、その家族や友人などの契約につながっていた。1人につき1契約ではなく、それを何倍にも膨らませるのが上手だったのだ。例えば家庭教師にしても、1人の子どもと契約すれば、その兄弟も契約してもらえる可能性がある。そんな時、話がしやすい営業マンだったら、相談の電話が向こうからかかってくるかもしれないのだ。

契約とは、その場限りのものではなく、今後も別件があるかもしれない。優れた営業マンはそれをわかっているから、お客様としっかりと向き合い、本音やニーズを引き出す。それができるのは、相手が今どんな気持ちでいるのかを察することが得意な人なのだろう。

(文・内藤みか)

電話嫌いな人ほど成功するテレアポ・電話営業バイブル

著者:尾島弘一
出版社:現代書林
著者の経験では「テレアポや電話営業が嫌だ」という人ほど成功します。それは電話の持つ特長を肌で感じているからです。電話をする側は、電話にでる人の状態がまったくわかりません。もしかしたら人の生死にかかわる電話連絡を待っているかもしれないのです。そういうところに電話営業をしてしまったらーと考えると怖くなります。でも、その怖さはお客様に対する配慮があるからです。自分の都合で掛ける電話だからこそ、お客様に配慮できる人ほど成功する可能性があるのです。感情を移入する『エンパシートーク』の驚異の方程式。基本から実践、応用事例、部下の指導法まで、すべてわかる。

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