ハウツーが満載のコラム
文字サイズを変更する

ずっと一緒にいたいから「めざせ! ご長寿犬!」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

うちの犬の長生き大事典』(若山正之・監修学研プラス・刊)の全ページを繰り返し繰り返し、3回も読んだ。
本書は
7歳からのワンちゃんの健康管理やしつけ、お世話の方法を、写真やイラストつきで丁寧に解説した一冊だ。

うちの犬は、ラブラドールのメスで現在14歳。つい先日、乳腺腫瘍の手術を受け、元気に復帰したばかり。

今後も長生きのためなら、何でもしてあげたいと私は思っているのだ。

高齢犬の手術に伴う麻酔のリスク

「ジュエル(うちの犬の名前)が乳腺腫瘍になっちゃった。でも、もう、おばあちゃんだから手術はできないって」異国に暮らす娘が涙ながらに伝えてきた。手術そのものは難しくはないが、高齢なので麻酔に耐えられないだろうと獣医師は告げたそうだ。

8歳をすぎた犬の場合、麻酔による死亡率はとても高いという。

こん睡状態から目覚めない、あるいは、麻酔によって術中に心臓発作を起こすリスクもあるらしい。

ならば自然のままに任せようと一旦は家族で決めた。しかし、腫瘍は日に日に大きくなり、患部から出る血の混ざった分泌液が猛烈な悪臭を放ちはじめ、室内飼いなので、娘は困り果てていた。獣医師からは、こういうケースでは安楽死という選択もあるとほのめかされたという。

宣告から2ヵ月後に私が行くと、娘の部屋はマスクをしないといられないほどになっていた。貸し部屋の家主からも悪臭を消してほしいと言われ、大掃除をしたが、分泌液を止めない限り解決は不可能だった。

部屋にいると臭いばかりなので、長い散歩に連れ出すことにした。ジュエルの足腰はまったく衰えておらず、ゆっくりペースで休憩も含めたが、その日はなんと森の中を10キロも歩くことができたのだ。だから私は叫んだ、「こんなに元気なのに、安楽死なんかさせてたまるか」と。

犬にもセカンド・オピニオン

さっそくセカンド・オピニオンを求めることにした。娘がネット上で評判になっているポテンシャルの高い獣医師を探し出し、ジュエルを連れて行った。検査の結果、このドクターは「大丈夫、14歳でもこの子は麻酔に耐えられると思うから、すぐに手術をしましょう」と言ってくれたのだ。

腫瘍摘出とその後の再発、転移を防ぐために片側の乳腺をすべて取る手術だったが、無事に成功。若い犬と変わらないスピードで麻酔からも目覚め、翌日には元気に戻ってきた。

いい獣医師に出会えたおかげで、うちの犬は生き延びることができたのだ。

本書にも、どこの動物病院でみてもらうかが、運命の分かれ道、とある。

「もうダメだ」と簡単に決めつけないことが大切。獣医師に「もう老犬だから」と診断されても鵜呑みにせず、セカンド・オピニオンを求めることも考えてみましょう。(中略)飼い主さんがあきらめたら、その時点で回復の可能性も消えてしまいます。

(『うちの犬の長生き大事典』から引用)

そう、シニア犬の余生は飼い主の判断で決まるのだ。

犬の寿命は年々延びている

医療技術の発達で人の寿命が延びているのと同じように、犬の寿命も延びている。

12歳を過ぎれば「長生き」といわれていた時代は過ぎ去り、今では平均寿命が14歳に届こうとしています。

(『うちの犬の長生き大事典』から引用)

小型犬、大型犬の区別をせず、大まかに人と犬の年齢を比較すると、犬の1歳は人の17歳、2歳で23歳、7歳で44歳、13歳で68歳になるそうだ。

中型、大型犬は7歳ごろから、小型犬でも8歳を過ぎると老化がはじまる。

シニア犬になるとどんな変化がみられるのだろう?

体の変化では、急にやせたり太ったりする、抜け毛が増える、目がにごる、フケが目立つ、お尻の肉が落ちる、顔や足にイボができる、口臭が気になる、白髪が目立つ、など。

行動の変化では、部屋の家具などにぶつかる、動きがスローになる、呼ばれても反応がにぶい、タッチを嫌がる、おもらしをする、息切れする、後ろ足の歩幅が狭くなる、遊びに興味がなくなる、など。

この本ではこういったサインがでてきた犬たちが、より長生きするための、「しつけ」、「お手入れ」、「ごはん」、「環境づくり」をケースごとに、徹底的にレクチャーしている。

犬の脳を刺激して老けさせない工夫を

中でも私がとても興味深く読んだのが、シニア犬のメンタル管理
老犬になったから、なるべく穏やかに過ごさせたいと飼い主は考えるが、どうやらそれは、ますます愛犬の老化を促進してしまうだけらしい。

体力が衰えたとしても、脳に適度な刺激を与え続けることが大切です。脳が刺激されれば血液の循環がよくなり、ホルモンの分泌が活発になることもあります。気持ちが高ぶれば体を動かす意欲がわき、自然に運動量が上がります。

(『うちの犬の長生き大事典』から引用)

犬の脳を活性化させるよいアプローチは以下の4つだそうだ。

1、若い犬と触れ合うことで脳が活性化する。異なる性別、異なる犬種の新米犬を迎えるのもいい。

2、犬に積極的に話しかける。

3、いつもの習慣を変える。散歩コース、フード、おもちゃなどを変えるといい刺激になる。

4、犬の体をたくさんタッチして、積極的にスキンシップをはかる。

愛犬の様子を見ながら、無理なく、適度な刺激を与え続けるようにしたい。

うちの犬は手術が刺激になったようで、娘曰く「14歳じゃなくて、脳が4歳に戻ったよう」だという。執刀してくれた獣医師が命の恩人だとわかっているようで、その後の検診にも、しっぽを振り振り、リードをぐいぐい引っ張って、動物病院に入り、ドクターにすり寄っていくのだと聞いた。「病気が治ったんだから、走っても、跳ねてもいいよ」とドクターに言われ、ピョンピョン跳ねてみせたりもしているらしい。

ギネスブックに登録されているラブラドールの最高齢は29歳!だそう。な~んだ、14歳はまだその半分もいってないから、まだまだ生きられる! そして、うちの犬にはひとり暮らしをする娘を守るという使命もあるから、もっともっと長生きしなくてはならない。 

「めざせ!ご長寿犬!」

(文:沼口祐子)

うちの犬の長生き大事典

著者:若山正之
出版社:学研プラス
○成犬でもまだ間に合う! 健康に育つしつけ
○病気に負けない長生き犬にする!お手入れレッスン
○いつも元気な体をつくる食事について
○環境づくりと筋力キープのしかた
○病気・ケガ・老いで介護が必要になったら?
○かかりやすい病気の基礎知識

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事