ハウツーが満載のコラム
文字サイズを変更する

今日から使える「大人学」の心得

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

姪っ子の娘――正確な日本語では又姪(まためい)というらしい――と遊ぶ機会があった。かなり小さい頃から遊んでいるのだが、小学校2年生になると、こっちの言うことにそこそこ気の利いた返しをしてくる。

しぶいトークを展開する小学2年生

レンジで容器を温めながらふりふりするタイプのポップコーンを作ろうとして、小さめのタッパーをガスレンジの近くに置いていたのを忘れ、そのまま火を点けてしまった。熱で歪んでしまったプラスチック容器を慌てて外して見せながら「これ、もう使えないね」と言ったら「なんか、ムンクの叫びみたいになっちゃったね」と返してきた。確かにそう見えなくもない。

どこでそんなボキャブラリーを得るのかと思っていたら、アニメよりもドラマが好きで、しかも『三匹のおっさん』がお気に入りらしい。実年齢よりかなり上の年代向けの情報ソースに傾倒しているようだ。そういえば、ことわざ的な言い回しとか四文字熟語も会話にちょいちょい挟んでくる。

自分が子どもだった頃も、小学校でも中学校でも、妙に枯れた空気を漂わせる子どもがどのクラスにもいた気がする。年の割に冷めているというのではない。枯れた、という言い方が正しいと思う。

筆者の又姪も、こういうグループの子どもなのかもしれない。

ポップコーンを食べながらDVDを見たあと、ニンテンドースイッチのゲームをすることにした。早撃ちと髭剃りは大負けしたが、野球とピンポンは筆者の勝ち。あまりに喜んでしまい、又姪が涙目になった。だから、次にやった人生ゲームでは負けてあげたが、こうした行いは決して筆者の本意ではない。

ちょっと待て。小学校2年生の女の子相手のゲームで本気になる俺って、ひょっとしたら、あれじゃないか?

ピーターパンシンドローム

あれというのは、1980年代初頭のアメリカで言われていた“ピーターパン症候群”だ。以下に特徴を示しておく。

感情のコントロールが苦手で、自分の能力を見せつけたり、都合の悪いことは他人のせいにしたりする。責任転嫁がうまく、プライドが異常なまでに高い。

いや、そこまで重くてシリアスな話じゃない。 ここで触れておきたいのは、筆者にもほかの誰にも、程度の差こそあれピーターパンシンドローム的な要素が少しはあるでしょ、という話だ。

自分が年相応のちゃんとした大人になのか、ちょっと心配になってきた。いや、まずはその前段として、ちゃんとした大人になるっていうのはどういうことなのかが疑問だ。そして、少なくとも筆者は「こういう人がちゃんとした大人です」とはっきり定義することはできない。

大人であることを確認するためのヒント

『大人らしさって何だろう。』(大網理紗・著/文響社・刊)は、冷静に客観的に、大人のありようについてのヒントをくれる一冊だ。

では、「今の自分は大人だろうか?」と考えたときに「大人です」と胸を張って言うことができるでしょうか? 子どもかと言われれば決して子供ではないし、でも、立派な大人になれているかと言われると、そうでもないような…。

『大人らしさって何だろう』より引用

目次を見て気づいたのは、「変える」という言葉が多いことだ。大人になると、ものごとを変えたり自分が変わったりすることが怖くなりがち。停滞が最悪のマイナス要素ということなのだろうか。こうした姿勢は次の言葉にも表れている。

「大人」と言われる年齢になったからこそ、その年齢やステージに見合った大人らしさを身に付けていたら、そしてこの先の人生をより充実したものにできれば、そんなふうに思っています。

『大人らしさって何だろう』

年齢や人生のステージに見合ったものごとの変え方とか、自分の変わり方を知る。そういう姿勢が、大人らしさを理解する過程のスタートかもしれない。そして、スタートするのがいつであっても、遅すぎるということはない。筆者の場合、現時点でひとつだけわかっていることがある。又姪相手にニンテンドースイッチのゲームで遊ぶ時、勝つまでやろうとしたり、喜びを爆発させたりするのは、おそらくやめたほうがいいな。

(文:宇佐和通)

大人らしさって何だろう。

著者:大網理紗
出版社:文響社
子どもの頃、「大人」という存在はとても大きく見えました。ところが、いざ自分が大人になってみると、まったく大人になった気がしないものです。そこで本書では、「ビニール傘ではなく、きちんとした傘や折り畳み傘を使う」「贈り物をするときは、もらった人が誰かに話したくなるものを贈る」「旬の野菜や魚がわかる」といった40のエピソードと、120の具体的なアクションや事柄から年齢に見合った「大人らしさ」について述べていきます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事