ハウツーが満載のコラム
文字サイズを変更する

弱者が勝つためのロジック「ランチェスター戦略」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

ビジネスは競争です。強いものが勝ち残ります。
勝利した強者は、敗北した弱者よりも多くの利益を得ることができます。
つまり「強者・弱者とは何か」を理解している者が、ビジネスで成功できるのです。

ビジネス理論のひとつに「1位以外は全員弱者である」という考え方があります。

ビジネス実戦マンガ ランチェスター戦略』(福永雅文・著 神崎真理子・絵/PHP研究所・刊)を参考にして、弱者でも勝つための理論を学んでみませんか?

弱者は局地的勝利を狙え!

弱い者でも、やりかたによっては、強い者に勝つことができます。
なぜなら、強者(業界1位)といえども、全方位的に強いことはありえないからです。

『ビジネス実戦マンガ ランチェスター戦略』では、ビール業界の事例をとり上げています。

日本のビール業界は、アサヒビールとキリンビールが、2社あわせて約70%以上という圧倒的な売上占有率(シェア)をにぎっています。
しかし、北海道地域ではサッポロビールが強者(地域別シェア1位)なのです。

弱者(業界下位)であっても、強者(業界1位)に勝てる局面があります。あきらめないでください。

No.1は利益を総取りできる

ランチェスターの弱者戦略では「勝ちやすいところで勝つ」ことを重視します。
強者があまり注力していない「小さな商圏」を見つけて、局地戦を仕掛けるのです。

ただし、強者に勝つことができたとしても、わずかな差では意味がありません。
圧倒的なナンバーワンを目指すのです。

ランチェスター戦略における「No.1主義」とは、「他に圧倒的な差をつけたトップ」を意味します。
極端に言えば、局地戦を仕掛けることによって、業界1位の同業他社に「この地域で消耗するのは割にあわない(撤退する)」ところまで追い詰めるのが、ランチェスターの弱者戦略の狙いです。

強者(同業他社に圧倒的な差をつけたトップ)には、価格決定権があります。
小さな商圏といえども、圧倒的な強者になりさえすれば、ブランド力が高まり、高い利益率を確保できるというわけです。

ランチェスター戦略の起源

「ランチェスター戦略」のルーツは、戦争理論です。
第一次世界大戦当時、イギリスの航空工学エンジニアが発見した「ランチェスターの法則」が元になっています。

F・W・ランチェスターが発見した「ランチェスターの法則」は兵力数と武器性能が敵に与える損害を決定づけることを示します。
1対1の戦いの場合と、集団対集団の戦いの場合とでは損害量が変わってくることから第一法則、第二法則の2つを導き出しました。

(『ビジネス実戦マンガ ランチェスター戦略』から引用)

ランチェスター第1法則(局地戦)
「戦闘力=武器性能×兵力数」
1対1ならば、武器性能が高いほうの勝ち。
弱者の戦略。

ランチェスター第2法則(総力戦)
「戦闘力=武器性能×兵力数の二乗」
武器性能に差が無ければ、兵力数が多いほうの勝ち。
強者の戦略。

ビジネスに置き換えるならば、武器性能は「商品やサービスの質」で、兵力数は「企業規模」ということになります。

弱者が勝つための差別化

『ビジネス実戦マンガ ランチェスター戦略』によれば、日本の缶コーヒーの販売数シェアは、自動販売機の設置台数が決定づけているそうです。
まさに、ランチェスター第2法則(兵力数が戦闘力を決定づける)が当てはまる事例です。

弱者が強者に勝つためには、ランチェスター第1法則(局地戦)を採用すべきです。
つまり、武器性能に「差」をつけることができれば、局地戦で勝つことが可能になります。

缶コーヒー市場で例えるならば、コカ・コーラ社やサントリー社にくらべて自販機数が少ないアサヒ飲料が仕掛けた「朝専用」というコンセプトが、まさに「差別化」で成功した事例です。

ランチェスター戦略は奥が深い

じつは、ランチェスター戦略には「強者が、弱者を正しく効果的に叩きつぶすための戦略」も含まれます。

本書『ビジネス実戦マンガ ランチェスター戦略』には、弱者が仕掛けてくる局地戦などを無効化する「ミート戦略」についても解説があります。
「総合主義」「確率戦」「広域戦」「遠隔戦」「誘導戦」という五大戦略です。

たとえ強者であっても、タイミングや戦略を間違えれば、局地戦を仕掛けてくる弱者に負けてしまいます。ベトナム戦争におけるアメリカ軍の撤退がその最たる事例です。
ランチェスター戦略は、業界シェアや企業規模にかかわらず、すべてのビジネスパーソンにとって役立つ知識です。

(文:忌川タツヤ)

ビジネス実戦マンガ ランチェスター戦略

著者:福永雅文(著) 神崎真理子(絵)
出版社:PHP研究所
あらゆる業界で大手寡占が進み、弱者が淘汰されています。今、多くの弱小企業は未曾有の危機に瀕しています。しかし、やり方次第で小であっても大に勝てます。弱者が強者に逆転できるのです。その「弱者逆転」の戦略を「わかる」から「できる」のレベルに到達することを目的として著したのが本書です。競争戦略のバイブル「ランチェスター戦略」はビジネスにおける共通言語です。本書では、局地戦、一点集中主義、差別化、接近戦、No.1主義、という大切な共通言語を5つのストーリーマンガにしました。「ランチェスター戦略」の真髄と実践がよりわかりやすく理解でき、使える内容となっています。マンガの舞台は都会のビルの谷間にひっそりとたたずむバー「ランチェスター」。カウンターバーの向こうにいるのは、枯れた感じのマスターと、なぜかメイド服の女子大生ラン。さあ、今夜も悩めるビジネスパーソンがバーの扉を開ける時間がやって来ました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事