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17世紀フランスの女装美人が教えるモテる美容テク

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17世紀フランスに、アベ・ド・ショワジーという聖職者がいた。
貴族の三男坊で、幼い頃から母親に女性の服を着せられていた。
その当時は男の子に女の子の格好をさせて育てることはそんなに珍しいことではなかったらしいが、もちろん大人になったら男性の格好をする。しかしショワジーは、大人になっても女装をやめなかった。彼は、周囲の人々がうっとりするほど美しかったという。その美容テクの中から、現代でも役に立ちそうなものを3つご紹介する。

色白に見せる

ショワジーは自らの恋愛遍歴を『女装冒険憚』〔『女装の聖職者ショワジー』(立木鷹志・著/青弓社・刊)に第2部として収録〕に綴っている。
彼は外見上は女装していたが、恋愛対象は女性で、美しい年下のお嬢さんが好みだった。この話の中でも、何人もの女性といい仲になっている。そして彼女らは口を揃えてショワジーのことを「私よりも美しいおかた」と讃えるのだ。

彼は自分の肌を白く見せることに執心していた。自分の髪が黒々としているので肌の白さが映えると喜んでさえいる。また、日焼け対策も怠りなく、外出の時にはマスクで肌を隠した。「色の白いは七難隠す」という言葉があるように、陶器のように白い肌を強調することで、美しさやなまめかしさが増すのだろう。

体のラインを見せる

彼は聖職者であったために、黒地に白など質素な服装でいなくてはならない時も多かったが、そんな時でもドレスのウエストを絞るなどして体のラインを強調することを意識した。また、腰の後ろに大きなリボンを付けてウエストを目立たせてみたり、胸のボタンをいくつか外し、下のコルセットをチラチラ見せたりもした。

このようなことをされたら、彼が男性であるとわかっている人もわかっていない人もさぞドキドキしたことだろう。現代では、ウエストサイズに自信がないからとウエストが目立たない服を着たがる人がいる。けれど、腰回りがゆったりした服を着ると、それに体が慣れ、さらにウエストに肉がつく可能性すらある。いっそショワジーのようにウエストの布地をしっかり絞り、これ以上太るともうこの服が着れないという危機感を持たせたほうが、ダイエット効果も高いはずだ。

つけぼくろをする

ショワジーはつけぼくろが好きで、大きいのを数個、小さいのを1ダースもおでこや口元などに付けていた。なぜかこめかみにも好んで付けていたようだ。ほくろには顔の白さを引き立てる効果もあるそうなので、積極的に使っていたのかもしれないけれど、自分よりほくろが似合う人間はいないなどと自画自賛していたところを見ると、ただ単に気に入っていただけなのかもしれない。

当時のつけぼくろはビロードなどの布をシールのように貼っていたようだ。現代日本でも、ペンシルアイライナーでほくろを描いている人がいる。
そういえば女優のマリリン・モンローもつけぼくろを愛用していたという。目元や口元まわりの好きなところにぽつっと点を足すだけで魅力が増すのだとしたら、試してみる価値はあるのかもしれない。

褒められる悦び

ところで彼がなぜ女装をしていたかというと、誰よりも自分自身が大好きだったからだという。「美が一般的に女性の属性とすれば、他人に愛されるような美しい顔立ちをした男は、あるいはそう信じる男は、女の格好をしたほうが効果的であり、女装をすることで魅力を増そうとするのです」とも記されている。男のままでいるより女になったほうが賞賛されやすいと感じていたようだ。

「野望も、富も、愛も、その喜びに勝るものではありません」と書くほどに、美しさを褒められることに無上の悦びを感じていたらしい。これは現代人にも通じるところはあるはずだ。私は親しい人が綺麗だったら男でも女でも素直に「あなたは綺麗な人ね!」と褒めちぎる。そうすると向こうはとても嬉しそうだし、褒めた事をきっかけにより親しくなれることも少なくない。ちなみにそういう人は、こちらが何度褒めても嬉しそうにする。人はいつまでも、何度ででも美しいと言われ続けたいようなのだ。

(文・内藤みか)

女装の聖職者ショワジー

著者:立木鷹志
出版社:青弓社
神に仕える聖職者にして女装者、全財産を失うほどの賭博狂にしてフランス文学史に名を残すアカデミー・フランセーズの会員だったショワジーとは何者か? サド侯爵の先駆者ともいわれる謎と魅力に満ちた数奇な人生をたどる。

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