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プレゼンテーションの主役は「プレゼンター」にあらず。多くの人が勘ちがいしている

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スティーブ・ジョブズに学んで、プレゼンテーションは上達しましたか?
たいていは猿マネで終わっています。

ジョブズのモノマネをして、なにかを説明しながら、会議室やステージ上をうろちょろ歩きまわるのはやめてほしいものです。

プレゼンがうまくなりたければ、ジョブズよりも日本のバスガイドに学びましょう
老若男女を相手にして、わかりやすく説明をしてみせる達人だからです。

ビジネスプレゼンにまつわる「最大の勘ちがい」

ジョブズにプレゼンテーションを学んでも上達しないのは、ある「勘ちがい」が原因です。

たしかに、Appleの新製品発表イベントにおける主役はスティーブ・ジョブズでした。
ジョブズが天才であり、魅力的なカリスマだったからです。

しかし、本来のプレゼンテーションにおける主役は「プレゼンター」ではありません。
プレゼン会場の主役は「聴く人」、つまり「情報を伝えたい相手」なのです。

勝率8割! 敏腕プレゼンターの教え

プレゼン上手になりたければ、魅力的に話すことではなく、まずは情報を伝えるためのルールを学びましょう。
これは、プレゼンテーション講師・伊藤誠一郎さんのアドバイスです。

会社員だったころの伊藤さんは、提案コンペにおける成功率が8割でした。評判が広まり、やがてプレゼン代行を頼まれるほどになったそうです。

プレゼンの達人・伊藤さんは「プレゼンターはバスガイドになりきりましょう」と言い続けています。

バスガイドは、自分のことを主役だとは思っていません。バスの乗客(情報を伝える相手)こそが主役であることをわきまえています。
これこそがプレゼンテーションにおける正しい考えかたです。

ビジネスにも応用できる「バスガイドの方法論」

バスガイド流プレゼン術』(伊藤誠一郎・著/CCCメディアハウス・刊)は、伊藤さんが1500人以上のビジネスパーソンに伝えてきたノウハウをまとめた1冊です。

バスガイドの教科書ではなく、バスガイドから学ぶことができる優れたプレゼンテーション技術について解説したビジネス書です。

第一章 プレゼンターとバスガイドの共通点
第二章 観光スポットを意識してシナリオを作る
第三章 プレゼン資料は旅のガイドブック
第四章 プレゼン練習は案内する姿をイメージして
第五章 バスガイドになりきれ! プレゼン本番発表
第六章 プレゼンの達人になるための7つの心得

(『バスガイド流プレゼン術』から引用)

精神論にとどまらず、豊富な図解をもとに具体的なノウハウを解説しています。

なかでも「プレゼン資料は旅のガイドブック」という考えかたは、ためになる内容です。
資料づくりは、プレゼンターにとって悩ましい作業ですが、旅行ガイドブックだと考えれば、用意すべき情報が見えてきます。

そのほか「文字だらけの旅行ガイドブックなんて誰も読まない」や「4つの接続詞で自分を追い込む」などの具体的なアドバイスは、プレゼン資料作成で悩んでいる人にとって役立つはずです。

現役バスガイドが教えるプレゼン上達のコツ

本書『バスガイド流プレゼン術』の巻末には、現役バスガイドのインタビューが掲載されています。
バスツアーでおなじみ「株式会社はとバス」に所属している女性バスガイドが、ビジネスプレゼンと旅行ガイドの共通点について語っています。

インタビューによると、はとバスでは「3日先の予定しかわからない」ことが多いそうです。現役バスガイドは、新しいコースにまつわるアレコレを、一体どのように記憶しているのでしょうか?

その答えは「業務をおこないながら、必死で覚えて、何度も練習する」というものです。

さらに「頭の中で流れを作る」や「てにをはを一言一句間違えないようにすると本番でも言葉に詰まらない」など、具体的な方法論が述べられています。

「まったく練習してこないバスガイドはいない」のです。
快適なバスツアーは、バスガイドさんの汗と努力の結晶によって作られています。

プレゼンが苦手だと悩んでいる人は、試しにバスツアーに参加してみてはいかがでしょうか。
行き先が温泉地ならばリフレッシュできるうえに、現役ガイドさんからプレゼン術も学べるので、まさに一石二鳥です。

(文:忌川タツヤ)

バスガイド流プレゼン術

著者:伊藤誠一郎
出版社:CCCメディアハウス
バスガイドは、旅の楽しさを伝える最高のプレゼンター。プレゼンテーションは旅、聴き手は旅行客と考えれば、知識ばかりで実践が伴わなかったあなたも、プレゼンの達人になり、ビジネスに活かすことができます。
*プレゼンテーションを旅に、プレゼンターをバスガイドに、衆を旅行客にたとえる「バスガイド式プレゼン上達法」。
*誰もが身近に経験したことのあるバス旅行を題材にすることで、本物の実践力を身につけられます。
*小難しいロジックや小手先のノウハウを学ぼうとして挫折したあなたでも上達できます。

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