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若くしてアパート経営する富女子が増えてるらしい。

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最近「富女子」が増えているという。
ひたすら貯蓄に励む女子のことで、なんと若くしてアパートを一棟手に入れ、家賃収入を得る人もいるという。いずれかかる子どもの教育費や老後の年金もアパートの家賃から捻出できて安心なのだとか。しかし本当にそううまくいくだろうか。
『アパート経営はするな!賃貸経営の落とし穴』(須田忠雄・著/大空出版・刊)という本から検証してみたい。

収入が半減する可能性

富女子が仮に家賃5万円のアパート10室を5000万円で購入し、月々50万円の収入を得たとしよう。しかし10年や20年のローンで買った物件なので、しばらくの間は借金を返済している状況だ。そして全額返済した頃には建物が老朽化し、現行の家賃のままでは借り手がつかなくなるかもしれないし、周辺にもっと綺麗な建物が建ち、常時満室ではいられないかもしれない。仮に家賃を3.5万に下げ、7室に住人がいるという3割減で計算すると、月収は24.5万円に減ってしまう。家賃下落の時期が早まれば、月々のローン返済がまかなえなくなり、自腹を割く場合もあるかもしれない、と本の著者の須田さんは警鐘を鳴らす。

それでも月収が24.5万もあるのなら十分だと思うかもしれないが、この計算にはローン返済までの間にかかる他の費用が一切入っていない。5000万円の物件の場合、取得の際にかかる保険や契約費用が300万円かかるという。その後、毎年かかるのが、固定資産税や入居者が退去した際のクリーニング&リフォーム代、それから不動産屋に委託する際の管理費(家賃の1割が相場なので月々5万円)、そして家賃収入が増えた分、所得税や住民税や健康保険税が値上がりする。本によるとこれらの費用の合計が年間概算200万円にもなるという。

不動産価値が下がる可能性

つまり家賃収入は600万円ではなく、実際には年間で費用が200万円かかるため、純利益としては400万円なのだ。収入が600万のうちはいいけれど半減の300万になったら、利益はほんのわずか。さらには約10年ごとに外壁を塗り替える費用が100万円ほどかかるなど、古くなるほど修繕費用はどんどんかさみ、それに追われてなかなか実収入に結びつかなくなる。近隣で騒音や悪臭や災害が発生したら入居者が減るリスクがあるし、部屋で自殺や事件が起きたら、物件価値も下がってしまう。

東京オリンピック開催決定以降、都心の不動産価格は上昇したと報じられている。けれど、郊外や地方の価格は下落したままのところも目につく。例えば東京都町田市のワンルームには1万円台の家賃まで出てきた。私が大学生だった頃の半額以下である。供給が過剰になっているのに加え、人口の減少、人々の都心回帰で郊外は格安になりつつあるのだ。購入したアパートの立地によっては安定収入が望めるかどうかわからないのが現状である。

フリーレントの可能性

アパートを1棟買うだけでは気持ちがおさまらず、それを担保に新たなアパートを買うことを繰り返し、同時に何棟ものオーナーになり、勝負をかける人がいる。うまくいけば家賃収入で長者になれるかもしれない。でも何かトラブルが発生して家賃が順調に入らなくなったら、ローンを返せなくなるかもしれないという危険もはらんでいることに注意をしたい。

本には、需要と供給のバランスが崩れ、客寄せのためにフリーレントを導入する事例が増えているとあった。フリーレントとは、初月の家賃や、契約の際の礼金を無料にする、という大家が身銭を切るやりかただ。更新料までゼロのところもあるという。尾道市などではすでに空き家を無償で譲るなどという動きも出ている。つまりはゼロだ。アパートも最初は家賃が1ヶ月無料だった物件がそれでも入居者が見つからないと家賃2ヶ月や3か月無料を打ち出す場合がある。価格が限りなくゼロに近い物件も、今後は出てくるかもしれない。

私の周りにも、30代や40代で不動産のオーナーになった人達がいる。ローン返済以上の収入があり、会社勤めをせずに暮らしていて、優雅そうだ。けれど彼らは口をそろえて「物件取得の前に相当勉強し、損をしないと思えるものが見つかるまでじっくり待った」と言う。事前の勉強はもちろん、オーナーになった今も、経済の動きにはとても敏感だ。富女子がアパート経営で悠々自適な老後を送るためには、ただお金を貯めるだけでなく、経営者としての努力も必要なようだ。

(文・内藤みか)

アパート経営はするな!賃貸経営の落とし穴

著者:須田忠雄
出版社:大空出版
相続税対策に、私設年金にと、いま「アパート経営」旋風が列島に吹き荒れている。しかし、ちょっと待った!これからの賃貸経営は赤字会社をつくるようなもの。絶対にするな、いっそ現金化せよ。その理由は…。“日本一不動産を買う男”が警告する。大震災後、不動産は180度ここが変わった。

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