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100年前の梅干しでも食べられる!

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私は地方取材にでかけることが多いのですが、東北地方に行ったとき、農家のおばあちゃんから10年前に漬けられたという梅干しをいただいたことがあります。正直、そんな古いもの食べられるの? と、おそるおそる口にしたところ、なんら問題なく食べることができました。ものすごくすっぱかったことを覚えています。

梅干しはめちゃくちゃ長持ちする!

そんな話を知人に話したら、「梅干しって100年前のものでも食べることができるんだぜ」と言われて、びっくり仰天。Wikipedia先生によると、奈良県の中家には天正4年(1576)に漬けられた梅干しが今も残されているのだそうです。1576年といったら、今から約440年前ですよ・・・ 信じられません。

また、昨年連載が終了した国民的漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(こち亀)の81巻には、「両津家130年の味!?の巻」という話があります。主人公の両津勘吉が実家に帰ったとき、文久2年(1862)にご先祖様が地下に埋めた壺のなかから梅干しを見つけるというストーリー。漫画のなかではそんなヴィンテージな梅干しが1粒1万円と紹介されていましたが、果たして今、値段をつけたらいくらになるのでしょうか。見当もつきません。

市販の梅干しは大丈夫なの?

ただ、あくまでも長持ちするのは“伝統的な製法”で漬けられた梅干しのみです。スーパーなどで市販されている格安の梅干しは、冷蔵庫に保管したままにしておくと品質が悪化してしまいます。買って、開封したら、すぐに食べるようにしましょう。

市販の梅干しの賞味期限は、せいぜい数ヶ月~1年が限界とのこと。これは調味梅干しといって、私たちがおいしく感じられるようにハチミツなどで味付けがされたものが多く、保存には適さないようです。通常の食品と同じ感覚で扱わなければいけないのです。

梅干しは健康に効果バツグン!

梅干しは日本を代表する保存食の一つです。起源はどうやら中国のようですが、近世のころは病気平癒の薬として天皇や貴族に利用されていました。戦国時代には武士の非常食として用いられていたそうで、滋養強壮の薬としても使われていたとされます。

事実、梅干しにはクエン酸が多く含まれるので、血糖値の上昇を抑える働きをはじめ、病気中の疲労回復にも効果があります。風邪を引いたときに梅干しが入ったお粥を食べるのは、ちゃんと理に適ったことなのですね。また、その酸味から口にしただけで唾液が分泌されるので、消化吸収を助ける効果があるのだそうです。

まるで万能薬と言っていいほどの効能! 武士が愛用していたというのも頷けます。梅干しってすごいですね!

保存食の奥深さを知ろう

日本には梅干しをはじめ、多くの保存食が伝わっています。『[新版]私の保存食手帖』(飛田和緒・著/扶桑社・刊)は、保存食の作り方や料理方法をまとめた一冊。保存食は人々が生み出してきた生活の知恵そのもので、その効能は現代人にこそ役立つようなものばかりです。日々の暮らしに保存食を上手に取り入れて、健康に生きていきたいものですね。

(文:元城健)

 

[新版]私の保存食手帖

著者:飛田和緒
出版社:扶桑社
料理家・飛田和緒氏がつくり続けている保存食のレシピ集。春はらっきょう漬け、冬はみそなど、季節を感じながら、つくること味わうことの楽しさが伝わる、一生ものの一冊。

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