ハウツーが満載のコラム
文字サイズを変更する

その仕事、(恋愛も) ゲーム化して楽しまない?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

仕事が楽しくないから、ゲームでストレスを発散。そんな人ってけっこう多いのでは? その状況を解決する最適解は、我慢や忍耐ではなく、”ゲーミフィケーション” かもしれない。

では “ゲーミフィケーション” とは何なのか。それを解説した一冊が、『ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義』だ。ペンシルバニア大学ウォートン・スクールは、日本においての知名度はハーバードやスタンフォードに劣るが、高等教育機関としては最古のビジネススクールとして名高い。アメリカの『ビジネスウィーク』誌による大学ランキングでは10年、イギリスの『フィナンシャル・タイムズ』紙では9年連続で1位に輝くほど高い評価を獲得している。

そんな信頼の置けるビジネススクールが ”ゲーミフィケーション” を体系立て、わかりやすくまとめたのが『ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義』というわけだ。

ゲーミフィケーションの定義

そして話を ”ゲーミフィケーション” に戻すと、最初に登場したのは1980年代。「ゲームでないものをゲームに変換する」という意味を指していた。その後、ブランクを経て、2010年に現在の意味で広く使われ出した。ビジネスコンセプトとしてもてはやされながら、一般化された明確な定義はないが、この本では次のように定義付けている。

「ゲーミフィケーションとは、非ゲーム的文脈でゲーム要素やゲームデザイン技術を用いること」

(『ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義』より引用)

統合されたひとつの経験であるゲーム。だが、それは多数の小さな部分から構成されていて、それぞれの部分が ”ゲーム要素” ということだ。"モノ"、"関係性"、"ルールに埋め込まれた抽象的な概念" といったすべてが  ”ゲーム要素” に含まれる。

“ゲームデザイン” は、”ゲーム全体の設計” と言い換えるとわかりやすいかもしれない。結果として、全体的なゲーミフィケーション体験が、各要素の合計を上回るようにデザインすることが求められる。

そうした要素や構成を取り出して、”非ゲーム的文脈” である “現実的な世界” で効果的に用いるのが  ”ゲーミフィケーション” ということになりそうだ。わかりやすい例で言えば、ナイキのサービスである「NIKE+ (ナイキ プラス)」が挙げられる。

ワイヤレス歩数計を用い、ユーザーのランニング記録をオンラインサービスにアップするというものだが、自分のトレーニング状況を視覚的に確認できるだけでなく、他人と比較したり、リアルタイムで応援してもらったり、走行距離やタイムをシェアしたりといった行為にゲーム性があって楽しくランニングが続けられるという仕組みだ。実際、同社の売上にも結びつき、ランニングシューズが古くなって買い換える時も、ユーザーは「NIKE+ (ナイキ プラス)」に対応するものを買い続けた。

ゲームのようにレベルアップ!?

いずれにしても小難しい話は大枠が理解できればOK。もっとも関心があるのは、ゲーミフィケーションをどうしたら仕事に役立てられるのかという点。それをここで解説し切るのは難しいが、概要は以下の通り。

レベル01:ゲーミフィケーションの基本概念
レベル02:ゲームデザイナーの考え方を学ぶ
レベル03:モチベーションの原則を知る
レベル04:ゲーム要素を理解する
レベル05:ゲーミフィケーションへの6つのステップ
レベル06:失敗やリスクを避けるには

(『ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義』を基に作成)

こうしてレベルとして列挙するだけで、ゲームのように経験値を貯めてレベルアップしたくなるから不思議だ(笑)。

そう言えば、私がまだ某ゲームに没頭していた10年前に放送されていたドラマ『プライド』 では、恋愛を ”ゲーム” に見立て、人を真剣に愛そうとしない主人公を木村拓哉が演じていた。それ以前もそれ以降も、恋愛をゲーム感覚で楽しむ人物が登場する映画やドラマは少なくない。

そして最近では、仮想恋愛を進行する ”恋愛ゲーム” が人気を集めている。そうしたゲームと比べ、ドラマや映画と何が違うかと言えば、もっとも大きのは "費やす時間" ではないだろうか。いつでもどこでもスマホのゲームに長い時間を費やすくらいなら、前述のドラマの主人公のように、リアルをゲーミフィケーションで楽しんだ方がよっぽど人生が豊かになるだろう。

『ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義』を読み、知識やテクニックを習得しながらレベルアップして実行すれば、現実の仕事も (恋愛も?) ゲーミフィケーションすることは可能だ。そうすれば、人生がゲームのように楽しくなる!?

(文:平 格彦)

ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義

著者:ケビン・ワーバック(著) ダン・ハンター(著) 三ッ松新(著) 渡部典子(著)
出版社:CCCメディアハウス
人を動かし、ビジネスに革命をもたらす≪ゲームの力≫を、あなたは本当に理解しているだろうか? 名門ペンシルベニア大学ウォートンスクールで世界初の「ゲーミフィケーションコース」を担当する著者たちが、「ゲーミフィケーション」の理論から実践までを徹底解説。 私たち人類は何千年もの間、楽しさという驚異的な精神力を引き出す「ゲーム」なるものを創り出してきた。出来の良いゲームは、モチベーションという人間心理の誘導ミサイルとなる。ゲームが教えてくれる教訓を使えば、ビジネスに革命をもたらす可能性もある。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事