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「灯台下暗し」を今まで勘違いしていた

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言葉を扱う職業を長年やっているため、多少言葉には自信があるほうだ。

そう、ついさっきまでそう思っていた。

もちろん、自分の知らない言葉がいくらでもあることはわかっている。しかし、ことわざなどは原稿上でも使ったりすることがあるので、それなりに意味や用法はわかっているつもりだ。

ことわざを知っていることの3つのメリット

ことわざを知っていると、どんな利点があるのだろうか。『小学生おもしろ学習シリーズ まんが ことわざ大辞典』(青木伸生・著/西東社・刊)にはこう記されている。

その1 語彙が豊かになる
その2 昔のことを知れば、世界が広がる
その3 生きていく知恵を学べる

(『小学生おもしろ学習シリーズ まんが ことわざ大辞典』より抜粋)

その1に関しては、その通りだろう。日常会話や原稿などに、ほどよくことわざを使っていくことで、「この人、知的だ」と思わせることができる。語彙が多いということは、なんとなく頭がよく見えるものだ。

その2は、ことわざの多くが古い時代から語り継がれているものが多いことに由来している。ことわざの成り立ちを知ることで、その時代の人たちの生活が垣間見えたりするものだ。

その3もわかるだろう。ことわざには格言のようなものが多い。「人のふりして我がふり直せ」なんて、僕の人生において何度も唱えたことがある。ことわざを知ることで、人生にも役立つということだ。

「灯台」は海を照らすあの灯台ではなかった!

冒頭にも書いたが、一般的に使われているようなことわざは、だいたい理解しているつもりだ。

そう思って『小学生おもしろ学習シリーズ まんが ことわざ大辞典』をパラパラとめくっていたら、長い間思い違いをしていることわざにぶつかった。

「灯台下暗し」

意味はわかる。探しているものなどは意外と身近にあるということ。鍵を探して部屋中引っ掻き回しても見つからなかったが、実はズボンのポケットに入っていた場合などに、「灯台下暗しだな」などといって笑うわけだ。

で、何が思い違いだったかというと、「灯台」だ。僕は45年生きているが、今までずっと、海を照らす灯台のことだと思っていた。疑うことすらしなかった。純真無垢だった。

本書を読んでみてわかったのだが、灯台は「ろうそくの台」のこと。

火をともした明かりは周囲を照らすが、その真下は皿の影になって暗いことから。

(『小学生おもしろ学習シリーズ まんが ことわざ大辞典』より引用)

あの海を照らす灯台ではなかったのだ。手に持ってろうそくを運ぶ灯台のほうだったのだ。

間違った意味で使われていることわざ

「灯台下暗し」の場合、灯台がろうそくであっても海を照らす灯台であっても、あまり意味に違いは出ないので、それほど被害は大きくないと思われる。

しかし、ことわざの意味を間違って解釈して使っているケースもある。例として「情けは人の為ならず」が挙げられる。
最近では、「他人に同情してもその人のためにならない。だから人に過剰に親切にする必要はない」という意味で使われていることもあるようだが、実際は違う。

人に親切にすれば、めぐりめぐって、やがて自分のためになるので、人には親切にしなさいという教え。

(『小学生おもしろ学習シリーズ まんが ことわざ大辞典』より引用)

そう、真逆の意味なのだ。困っている人の前で「情けは人のためならず!」と言って無視するのは、いろんな意味で間違っているのだ。

このように、よく知っていることわざでも実は勘違いして覚えているということもあり得る。ことわざを使うときには、その意味をしっかり確認してから使うようにしたほうがいいだろう。

そう、「石橋を叩いて渡る」精神で。

(文:三浦一紀)

小学生おもしろ学習シリーズ まんが ことわざ大辞典

著者:青木伸生
出版社:西東社
★★まんがで身につくことばのチカラ!!★★本書は、220を超える「ことわざ」を子供にもわかりやすいように、マンガで楽しく説明しました。「ことわざ」を知ると、語彙(ごい)が豊かになります。また、昔からの言い伝えである「ことわざ」を知れば自分の生活をよりよくする、生きていく知恵も学べます! 「ことわざ」は、おもしろいのにいいことがいっぱいなのです!!

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