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竹田式「古事記」読解法! 難しい名前はスルーしちゃえばいいのだ!

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多くの人が自分のルーツを気にするものでしょう。
自分がどこから来て、これからどこへ行くのか?考え出したら止まらなくなります。

1970年代後半、私の周辺で、自分のルーツを追い求め、家系図を作ろうとする人が続出しました。
わざわざ両親の故郷に出向き、蔵に残っている古文書などを探し出し、調べ上げようとする友達もいました。
当時、アメリカで「ルーツ」というテレビドラマが大ヒットを記録し、社会現象まで引き起こしていましたから、その影響かもしれません。
「ルーツ」はアフリカで平和に暮らしていた主人公クンタ・キンテが、奴隷商人に捕らえられ、アメリカに拉致された後、辛酸をなめながらも必死に生き抜く姿を描いたものです。
三代にわたるドラマは迫力がありましたから、そのまま自分にあてはめたくなるのも無理のないことでしょう。

私たちには古事記があるじゃない?

けれども、ルーツ探しはうまくいかないようでした。
ひいおじいちゃんくらいまでは遡れても、その先代となると、歴史の闇の中に消えてしまい、よくわからなくなるといいます。
そもそも先祖代々受け継がれた古文書や家系図があるわけではなく、素人の手にはおえないものでしょう。
がっかりする友達に私は言いました。

「いいじゃない。私たちには古事記があるからさ。あれって結局はご先祖さまにつながる話でしょう?」と。

振り返ってみると、間抜けな言葉です。
古事記は日本で最古の歴史書であり、いにしえの物語や天皇家の歴史が記されている特殊な本で、それをそのまま、自分のルーツとして受け入れられるわけはないでしょう。

古事記の完読は至難の業

古事記は難しい書物です。
すべて読み通したことがある人はごくわずかではないでしょうか?
私も「伊邪那岐神と伊邪那美神」の国産み神話や、「天照大御神と須佐之男命」が登場する天の石屋戸や「大国主神と因幡の白兎」の話などは、子供の頃、絵本で読んで夢中になりました。
けれども、『古事記』の大部分を占める天皇の話は読む気になれませんでした。
今年こそ『古事記』完読するわ!精読して自分のものにするの!と、宣言しながら、挫折してきました。
「だって難しいんだもの」「私みたいな庶民には関係ないもの」という独り言とともに、忘れようとしてきたのです。

竹田式「古事記」読解法

ところが、古事記を克服し、楽しみに変える方法を教えてくれる本があります。
現代語古事記 ポケット版』(竹田恒泰・著/学研プラス・刊)があれば、あなたはビクビクすることなく、古事記を完読できるでしょう。
著者である竹田恒泰は、かまえることなく、ごく自然に古事記を手に取っています。
それもそのはず、彼は旧皇族竹田家に生まれ、明治天皇の玄孫にあたる方ですから、自分の家のルーツを探すように、古事記に接することができるに違いありません。
そして、古事記を現代日本人の必読書として考え、私たちにどうやって入門すればいいかを教えてくれます。

難しい名前はスルーしちゃえばいい!?

古事記が難しいのは、物語そのものが難しいというわけではなく、次々と登場する神様の名前が難しいのだ、と、著者は説きます。
確かに、私も「伊邪那岐」を頭の中で「イザナギ」とルビをふってから読んでいます。
「伊邪那岐」なんて読めないでしょ?普通・・・、と、心の中で囁きながら・・・。
竹田恒泰ははっきりと言っています。

『古事記』を楽しんで読むための最大の骨は、神様と人の名が出てきたらすぐに「忘れること」です。なぜなら、『古事記』には夥しい数の神名と人名が現れますが、二度以上登場するのは一割未満しかないからです。(『現代語古事記 ポケット版』より抜粋)

えっ!そうなの?忘れちゃっていいわけ?
驚きつつも、どこかで胸をなでおろしている自分がいることに気づきます。
難しい名前はスルーしていいのだと思うと、古事記がぐっと身近な存在になりませんか?

古事記の言葉には力がある

難しい名前をスルーして読むと、不思議なことに、今までも読んでいたはずなのに、気づかなかった大事な言葉に行き当たります。
例えば、イザナギの神とイザナミの神は、「まぐわい」をあそばされ、国をお生みになることになさいましたとあります。
つまりは夫婦の交わりを行い、もっと言えば、性交によって、国を作ったわけです。
その際、お互いを褒めたたえあいながらまぐわったとあります。
最初はうまくいかなかったものの、まずはイザナギの神が「あなたは、なんていい女なんだろう!」、続けてイザナミの神が「あなたは、なんていい男なんでしょう!」と仰せになった後にまぐわったのです。
著者はそれを「言葉には力がある」ためと表現しています。
褒めあいながらまぐあい、その結果、美しい子が生まれるだなんて、なんだかうっとりする話です。
と、同時に、まぐあいの基本を教えてもらったような気がします。こうでなくちゃとも思います。
その結果、次々と立派な国が生まれるのですが、最初にお生みになった子が淡道之穂之狭別島(あわじのほのさわけのしま・つまり淡路島)であったということも、兵庫県に暮らし、淡路島を身近に感じつつ生きる私にとって、胸に迫るものがあります。
『古事記』は、日本人のルーツを描きつつ、同時に、今も生きる言霊が詰まった書物だということを再確認しながら、もう一度、読みなおしてみることといたしましょう~。

(文・三浦暁子)

現代語古事記 ポケット版

著者:竹田恒泰
出版社:学研プラス
「信じられないほど読みやすい」「はじめて最後まで完読できた」と驚きの声が続々の10万部超え人気書籍『現代語古事記』が、ポケット版として遂に登場!丁寧な現代語訳と、旧皇族の著者ならではの独自の視点による解説も読みどころ。巻末書き下ろし付き。

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