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苦悩するTBSの女子アナたち。小島慶子~小林麻耶~田中みな実

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テレビを眺めていて、女子アナの隠しきれない苦悩が見えたときに、わたしはエンターテインメント性を感じます。

主要テレビ局のなかでも「苦悩」が映し出されることが多いのは、TBSの女子アナです。

苦悩するTBS女子アナの系譜

TBSのなかでも個性的かつ知名度が高い女子アナを抽出してみました。

89年入社 福島弓子(イチローの嫁)
90年入社 渡辺真理(退社後、久米宏の『Nステ』でサブキャスターを務める)
93年入社 雨宮塔子(『チューボーですよ!』初代アシスタント)
94年入社 進藤晶子(『がっちりマンデー!!』司会)
95年入社 小島慶子(ラジオパーソナリティ)
96年入社 木村郁美(『チューボーですよ!』3代目アシスタント)
97年入社 小倉弘子(『恋のから騒ぎ』1期生)
00年入社 久保田智子(『どうぶつ奇想天外!』4代目アシスタント)
00年入社 川田亜子(故人)
03年入社 小林麻耶(『恋のから騒ぎ』8期生。麻央の姉)
05年入社 青木裕子(ナイナイ矢部の嫁)
08年入社 枡田絵理奈(チューボーですよ!』5代目アシスタント)
08年入社 加藤シルビア(大学時代は理学部物理学科の量子力学専攻)
09年入社 田中みな実(ぶりっ子キャラで賛否両論)

勘違いしがちですが、TBSの看板番組のひとつである『報道特集』のメインキャスターだった田丸美寿々さんは、TBSアナウンサーではなく、元フジテレビのアナウンサーです。

小島慶子

女子アナとしての「苦悩」をもっとも色濃く見せていたのは、元TBSアナウンサーの小島慶子さんです。

現代の肖像 小島慶子』(北原みのり・著/朝日新聞出版・刊)には、理想と現実のギャップ、TBSのテレビ部門を支配する男性社員たちによる抑圧、おなじTBSでもラジオ部門で本領を発揮できた話などが赤裸々に語られています。

小島さんが放送業界に興味をもったのは、「NHKスペシャル」のようなドキュメンタリー番組を制作する人に憧れていたから。しかし、難関のNHKはあきらめて、TBSに入社したのが苦難のはじまりでした。

現場では女子アナとしての個性を求められるものの、それは「型にはまった女子アナ(局アナ)としての個性」であって、モノを考える小島慶子としての個性を出せば「生意気だ」と男性スタッフに叱られたそうです。

つまり、日本のテレビ局における「女子アナ」のイメージは、女子アナ本人ではなく、彼女たちの上司である男性社員によって作られてきたわけです。

小島慶子の女子アナとしての苦悩は、意外な人物に受け継がれます。小林麻耶です。アナウンサー採用面接のときの担当官であったり、アナウンス部のオフィスで席が隣であったりと、このふたりには浅からぬ縁があるようです。

小林麻耶

2003年、TBSにアナウンサーとして入社すると報道されたとき、たいへん驚きました。わたしは『恋のから騒ぎ』に出演していた女子大生時代の小林麻耶をリアルタイムで視聴していたからです。

女子アナ小林麻耶の誕生は、テレビ局における「女性アナウンサーの採用基準」がどういうものなのか、ごまかしきれなくなった歴史的瞬間でした。

翌年の2004年には、フジテレビが「有名時代劇スターの娘」をアナウンサーとして採用しました。2011年にはテレビ東京において「元モーニング娘。」の女子アナが誕生しています。

小林麻耶ショックが発生した2003年以降、日本の女子アナにとって「失われた時代」が始まったのです。

当の小林さんにとっても「失われた10年」だったように思います。現在、タレントとしてメディアに登場する彼女からは、適性がない仕事に貴重な20代をささげてしまったことによる喪失感が漂っているからです。わたしは同情せずにはいられません。

田中みな実

圧倒的な「ぶりっ子パフォーマンス」によって、全盛期には「天下をとった」ともいえる人気を誇った田中さんですが、フリー転身後の彼女からは「苦悩」がにじみ出ています。

TBSアナウンサー時代には、現場を支配しているTBS男性社員たちの望む「かわいい女子アナ」を徹底的に演じることによって、われわれ視聴者を魅了するだけでなく、海千山千であるはずのテレビ共演者たちをも圧倒していました。

わたしは、パフォーマーとしての田中みな実さんが大好きでした。しかし、フリーアナウンサーに転向したあとは、かつての精彩を欠いているように見えます。「ぶりっ子キャラ」を封印しつつあるからです。

そもそも、田中みな実本人が「ぶりっ子キャラ」を望んだわけではなく、好評を博していた「ぶりっ子キャラ」の効果音などを含めたパフォーマンスは、TBSのテレビ制作スタッフたちの演出力によるものでした。

2017年1月現在、田中みな実は「ぶりっ子キャラ」ではなく、フリーアナウンサーとして実績を重ねていくことを望んでいるようです。

『有吉ジャポン』や『ジョブチューン』などのTBS時代のレギュラー番組で足場を築きつつ、日本テレビと関西テレビでもレギュラー番組が1本ずつ、2016年10月からは東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)の『ひるキュン!』で月曜から金曜日まで総合司会を務めています。

順調そうに見えますが、はたして本当にそうなのでしょうか? いまはTBS以外のテレビ局の男性社員たちによって「モニタを通して観ていた田中みな実は実際どんなものか?」という冷徹な視線によって吟味がおこなわれている段階です。

田中みな実のファンとして、これからも見守っていきたいと思います。

(文:忌川タツヤ)

現代の肖像 小島慶子

著者:北原みのり
出版社:朝日新聞出版
2010年、冠番組「小島慶子 キラ☆キラ」が好調のなかTBSを退社、“女子アナ”の看板を捨てて“ラジオパーソナリティー”を名乗った。心の中には、ラジオに救われた一人の少女が、いまもすんでいる。

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