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現実化する予測レポート『予言 ドナルド・トランプ大統領で日米関係はこうなる』

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不動産王のドナルド・トランプ氏が、第45代アメリカ合衆国大統領に就任してから、早くも1ヶ月が過ぎようとしています。

トランプ大統領の「ひんしゅくをいとわない人柄」ならびに「政治経験なし」という人物的背景のせいで予測困難とも言われるなか、日本有数のドナルド・トランプ評論家が「10項目の予測レポート」を発表しました。

予測困難をあえて「予測」する試み

当初、トランプ氏の激しい言動や振るまいは、選挙戦を勝ち抜くための「リップサービス」や「大げさなアピール」にすぎないと思われていました。
しかし就任するやいなや、公約を具体化するための大統領令をつぎつぎと断行しており、アメリカ国内のみならず、日本などの他国民をも大いに騒がせています。

予言 ドナルド・トランプ大統領で日米関係はこうなる』(植山周一郎・著/SDP・刊)は、大統領就任式の以前、2016年末に緊急発売されたものです。

著者の植山さんは、政治に関わる以前のトランプ氏とトランプタワー内で会談したことがある、数少ない日本人のひとりです。

今回は、本書からいくつかの「予言」を紹介したいと思います。

第1の予言 テロの可能性

世界各国にあるトランプ系列のホテル、高級マンション、ゴルフコースなどでテロの警戒が高まり、厳重な警備が常態化する。
そのため利用客が激減し、トランプ帝国は経営困難に陥り、トランプは過剰反応するであろう。

(『予言 ドナルド・トランプ大統領で日米関係はこうなる』から引用)

トランプ氏は、アメリカ史上、最も隙(すき)が多い大統領と言えるかもしれません。
なぜなら、有名なトランプタワーを筆頭に、アメリカ国内に多くの建物を所有しているからです。

不動産は、貴金属や美術品のように頑丈な金庫にしまうことができません。トランプ氏は、資産をむきだしにしたまま外敵から守らなければいけないのです。

実際にも、娘のイヴァンカ氏が手がけるアパレル・ブランドの取扱中止や不買運動が報じられています。

第6の予言 駐留費の増額

在日米軍基地の費用負担の大幅増額を要求してくるが、米軍撤退はないだろう。
米軍が撤退したら、世界でのアメリカの発言権と経済圏が大幅に縮小するからだ。

(『予言 ドナルド・トランプ大統領で日米関係はこうなる』から引用)

2017年2月10日におこなわれた日米首脳会談では、懸案の「駐留費負担の増額」についての踏み込んだ言及はなかったようです。就任前の発言は、トランプ流の交渉術だったのかもしれません。

本書『予言 ドナルド・トランプ大統領で日米関係はこうなる』では、トランプ氏の交渉上手な側面を、過去のビジネス事例をまじえて詳しく解説しています。

第7の予言 長女夫妻の影響力

ジャレッド・クシュナーとイヴァンカ夫妻は、トランプ政権の重要な役職に無給で就き、大きな影響力を持つだろう。

(『予言 ドナルド・トランプ大統領で日米関係はこうなる』から引用)

娘婿であるクシュナー氏は、大統領上級顧問に就任しました。政策や人事について助言をおこなうことができるホワイトハウスの重要ポストです。

長女であるイヴァンカ氏は、いまのところ「ファースト・ドーター(大統領の娘)」として、トランプ氏に随行しているようです。
過激すぎるお父さんの発言を「いさめる役」として立ち回っている様子が、トランプ氏自身の口から報告されています。

第9の予言 対中国外交

中国製品への輸入関税を上げ、台湾と親密になることによって、習近平とは非常に険悪な関係になるだろう。
東シナ海の緊張が一挙に高まり、危機的常態になる。
和解のカギはキッシンジャーが握る。

(『予言 ドナルド・トランプ大統領で日米関係はこうなる』から引用)

当選直後の2016年12月2日に、トランプ氏は台湾の蔡英文総統と電話会談をおこなっています。この行動は、驚きをもって受け止められました。

なぜなら、アメリカ合衆国は台湾(中華民国)と建前上は「断交」しているからです。経済的な交流や軍事的なつながりはあるものの、トランプ氏がおこなったのは、米国が建前としてきた「一つの中国」の前提をくつがえす行動でした。

しかし、大統領就任後の2017年2月9日におこなわれた米中首脳による電話会談では、トランプ氏は習近平氏に「一つの中国を支持する」と伝えています。

どうやら「クレイジーに見せかけて、じつは話がわかるナイスガイでした」作戦は、トランプ氏の得意戦法のようです。

「注目」から「監視」に変わるトランプ氏への視線

『予言 ドナルド・トランプ大統領で日米関係はこうなる』に収録されている10項目の予言のうち4つだけを紹介しました。
そのほかの項目は、以下のとおりです。

第2の予言は、大統領暗殺の可能性について。
第3の予言は、アメリカの経済成長について。
第4の予言は、今後のアメリカ経済が日本におよぼす影響について。
第5の予言は、米国のTPP脱退と日米貿易摩擦について。
第8の予言は、長女イヴァンカ氏にまつわる驚くべき構想について。
第10の予言は、対ロシア外交について。

本書のなかでも繰りかえし言及されているとおり、ドナルド・トランプという人物は、常に注目されたい性格の持ち主です。ただし、大統領となった現在のトランプ氏にとっては「注目=権力の監視」を意味します。

はたしてトランプ大統領は、合衆国を含めた世界中の市民たちからの「監視」に耐えられるのでしょうか。今後も目が離せません。

(文:忌川タツヤ)

予言 ドナルド・トランプ大統領で日米関係はこうなる

著者:植山周一郎
出版社:SDP
ドナルド・トランプに実際に会ってロングインタビューを行った植山周一郎が語る、第45代アメリカ大統領トランプの正体。会ったときに感じた印象や当時からの政治哲学をもとに、トランプが大統領に選ばれた理由を検証。そして、2017年の世界の動き、日本の未来を予測していく。国際報道や日米関係を専門とするジャーナリストで早稲田大学政治学研究科客員教授の春名幹男氏との対談も収録。2017年、日米関係はどう変わるのか?安全保障、TPP、米国経済、日本経済、日米外交を予言! 不動産王の最大の弱点は不動産!? 世界、そして日本に訪れる未来は──

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