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2020年、刺青OKの温泉は増えるのか?

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海外に行くと、街なかで刺青をしている人を数多く見かけます。
スポーツ選手や芸能人もごく普通に刺青をしていて、ファッション感覚で楽しんでいる様子がうかがえます。

ところが、日本では温泉旅館の大浴場などでは未だに“刺青の人お断り”であることが多いようです。

日本の刺青には長い歴史がある

現代の日本では刺青に抵抗を示す人が多い一方で、日本人は古来より、世界屈指の刺青の文化を持つ国でもあるのです。

縄文時代の遺跡から発掘された土偶は、奇妙な模様が身体に刻まれています。これは刺青を表現したものという説があります。また、邪馬台国の話が掲載されている「魏志倭人伝」には、3世紀頃の日本の様子が記録されていますが、男性は顔や身体に刺青を施していたと書かれています。

日本古来の刺青は、客観的に見てみると、とても美しいものです。繊細な模様や色彩の美しさはもはや芸術の域に達しています。日本人が古くから刺青に親しんできた歴史があるがゆえに、なせる技と言っていいかもしれません。

刺青をした100年前のおじさん

100年前の日本人の写真が多数掲載されている『写真で見る100年前の日本(1)暮らし』(マール社編集部・著/マール社・刊)には、全身に刺青を入れている人の写真が2点掲載されています。

1人は佐川急便のマークでおなじみの“飛脚”のおじさんで、もう1人は髷を結った若いお兄さんです。写真を紹介できないのが残念ですが、飛脚のおじさんは刺青を見せ付けるようなポーズで写真に収まっていて、とてもかっこいいです。飛脚はふんどし一丁で街道をつっぱしる職業ですが、その刺青に多くの人が釘付けになったことでしょう。

本書に収められている写真は、当時、フランス、ドイツ、イタリアなどで出版された、日本の文化を伝える本から抜き出したものだそうです。外国人の目にも、日本の刺青が美しく、インパクトあるものとして写っていたことがよくわかります。

入浴の問題、どうやって解決する?

近年は海外旅行客の増加に合わせて、刺青の人でもOKという温泉やスーパー銭湯が増えていますが、少数派のようです。観光庁が2015年から行った調査によると、刺青がある宿泊客の入浴を断っている旅館やホテルは、実に56%に及んでいることがわかりました。

2020年の東京オリンピックに向けて、日本に多くの外国人旅行客が訪れることが予想されています。そのため、国レベルで刺青の問題が議論されているようです。刺青をシールで隠すという提案がされたことがありますが、全身に入れた刺青を隠すことは不可能ですから、議論が紛糾しているようです。

私も銭湯で立派な刺青の人と遭遇するとびびってしまうタイプなのですが、今後、国際化が進むにつて、刺青解禁は時間の問題のように思います。少しずつ解禁していき、刺青に対する日本人の意識を変えていくしかないようです。

(文:元城健)

 

写真で見る100年前の日本(1)暮らし

著者:マール社編集部
出版社:マール社
明治時代の日本は農業国から工業国へと急激に変貌する過渡期であった。大都市にはビルが次々と建設されたが、住宅街や郊外では江戸そのままの風景がまだ残っている。本書は、当時フランス、ドイツ、イギリスなど諸外国で出版された書籍に掲載された写真と、明治時代の日本の雑誌に掲載された写真を編集したものである。『1暮らし』では庶民の生活や仕事にスポットをあてる。

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