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何が恐いって、私はアルツハイマー病が恐い

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地震・雷・火事・親父。
人はこの4つを恐れるといいます。
確かに、私もこの4つが恐くてたまりません。
けれども、もっともっと恐いものがあります。
それは、アルツハイマー病です。

人格を変えてしまう病

私の実母は若年性のアルツハイマー病でした。
発症したのは57歳のとき。
お医者様に寿命は7年だと言われたとき、それが長いのか、短いのかよくわかりませんでした。
そもそも7年先のことなんて、誰にもわからないと思ったのをよく覚えています。
けれども、母はぴったり7年後に亡くなりました。
悲しくて悲しくてどうしてよいのかわかりませんでした。
亡くなったのももちろん悲しかったけれど、7年の間に、母が別人格になっていくのを見ているのが、たまらなかったのです。

アルツハイマー病が恐くて恐くてたまらない

それからというもの、私はアルツハイマー病が恐くて恐くてたまりません。
地震よりも雷よりも火事よりも親父よりも、アルツハイマー病になるのが恐いのです。
いっときはノイローゼ状態に陥り、どうやったらアルツハイマー病にならずにすむのか考えてばかりいました。
アルミニウムが原因だという記事を読むと、母が毎日、アルミの鍋で牛乳を飲んでいたのを思い出し、「これだ!原因がわかった!」と、勝手にきめつけ、家じゅうの鍋を点検し、アルミの鍋を叩き捨てたりしていました。
そして、後で決まって自己嫌悪に陥りました。
母親が大好きで、母のようになりたいと思っていたはずなのに、一転して、母のようになったらどうしようと思う自分がいる。
それが許せなかったのです。

ワクチン療法

アルツハイマー病は悲惨な病気です。私は心からそう実感しました。
どんな病気でも、病気は悲しく、つらく、苦しいものでしょうが、私にとって、アルツハイマー病が一番、恐い病気です。
母に「あなたはどなた?新しくきた看護婦さん?私にも娘がいるんですよ」と、言われた時の悲しさは忘れられません。
そんな私にとって『アルツハイマー病に克つ』(田平武・著/朝日新聞出版・刊)は、救いの書となりました。
原因も治療法もわからないとされていたこの病気を克服するための「ワクチン療法」が開発されたというからです。
著者の田平武先生は、認知症の診断や予防に関する研究で知られ、アルツハイマー・ワクチンの実現に心血を注いできた方だといいます。

今日から試みたい方法

ワクチン療法を今すぐにも試みたい私ですが、それまでにやっておきたい予防法がたくさんあることをこの本で教わりました。
脳の老化を遅らせ、アルツハイマー病にならないために、一番大切なのは、日常生活の過ごし方だといいます。
ストレスから脳を守らないと、免疫系に異常をきたし、アルツハイマー病を発症させたり、悪化させたりするといいます。
ストレス解消のため、軽い運動を行い、免疫系を強化します。趣味に没頭したり、よく遊ぶことも大切です。
毎日の食事については、塩分を控えめにして、高血圧にならないように注意し、カロリーも気を付けなければなりません。
煙草もお酒もほどほどに。
なぁんだ、簡単じゃない?と思う方もいるかもしれません。
けれども、私はドキッとしました。
当たり前のことを着実にするのは、案外、大変だからです。
けれども、息子に「あなた、どなたでした?なぜ、家にいるの?」という質問をしないですむよう、丹念に日常生活を送っていきたいと思います。

(文・三浦暁子)

アルツハイマー病に克つ

著者:田平武
出版社:朝日新聞出版
脳に「アミロイドベータたんぱく」が溜まって発症するのがアルツハイマー病。順天堂大教授で元国立長寿医療センター研究所長の著者が開発する、たんぱくが溜まらないように働く経口ワクチンには、大きな期待が集まる。さらに、一般的には50代からたんぱくが溜まるので、発病のメカニズムを踏まえた上で、生活を見直していけば、安心の熟年はもう夢ではない。早ければあと数年で、根本的に予防・治療できる日がやってくる! 中高年必読の書!

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