知っておきたい「がんの予防法」と「がんになったときの対処法」

日本人の死因第一位は「がん」である。
2015年の全死亡者のうち28.7%、実に3.5人に1人が、がんで亡くなっている(厚生労働省『2015年人口動態統計月報年報』より)。
芸能人たちも、次々とがんになったことを告白している。いまや、がんは他人事ではない。誰しもがその可能性を持っている。しかしながら、いつ自分もなるかわからないからと怖れおののく必要はない。がんは、特別な病気ではなく、ある種の生活習慣病なのだから。

 

今回は、「がんの予防」と「仕事をバリバリこなせる生活習慣」について、がん治療と代替療法に詳しい安藤由朗氏の『自然治癒力アップで健康寿命が10歳のびる50のレッスン』(学研プラス・刊)から詳しく見ていこう。

食生活におけるポイント

・食事は常に“腹五分目”にする

昔から、食べ過ぎはよくない、腹八分目がベストだと言われてきたが、高脂肪・高塩分・肉食がメインの現代の食生活においては「腹五分目」が理想的なのだそう。食べ過ぎは血中の尿酸、乳酸や老廃物を増やして血液を濁らせる原因そのもの。お腹いっぱいまで食べることを止め、腹五分目くらいを目安にすることが大切。

・調味料は天然のものを使う

「調味料にはお金をかけるべき」というのは、料理上手な友人がよく言っていたことだが、何も海外産の特別なものや高級品を選ぶ必要はない。できるだけ伝統的な製法で作られた天然のものを選ぶべきだと安藤氏。スーパーでよく並んでいるものの中には、添加物や合成着色料、保存料が含まれているものが多いので要注意。
安心・安全な食材は少し値が張るものが多い。でも、毎日口にする食材にお金をかけることと、病気になってしまってから膨大な医療費をかけるのと、どちらが節約になるかは、明白である。

・にんじん、ブロッコリーを積極的に食べる

にんじんには、抗酸化力や免疫力を高める植物栄養素「ファイトケミカル」が豊富に含まれている。また、ブロッコリーも特に胃がんや大腸がんを抑制するという医学的根拠が報告されている。いろいろな種類のものをまんべんなく食べることが第一だが、中でもにんじん・ブロッコリーを意識的に摂取することが望ましい。

生活習慣におけるポイント

 ・ゆっくり湯船につかる

冷えは万病の元である。最近は大人だけでなく子どもたちまで低体温である割合が増えているようだが、がん細胞は正常な細胞よりも熱に弱い。体温を上げると免疫力が活性化して、がん細胞に対する抑制力も高まる。そのため、冬場だけでなく夏場もしっかり湯船につかって、体を温める習慣はとても大切。

・解熱剤に頼らない

以前のコラム「熱が出たら、薬を飲まずにキャベツをかぶろう。」にも書いたが、発熱など体の不調は、必要があって起こっていること。安藤氏の言葉を借りると「病気から体を守るための、正常でありがたい反応」なのだ。よって、体力の消耗やけいれんの心配があるような極度の高熱時以外は、解熱剤には頼らず、体を休めることがおすすめ。

・たくさん笑って、たくさん泣く

免疫力を高めるには、笑うことや泣くことも大切。自律神経のバランスがリセットされストレスが軽減、がん細胞を攻撃するといわれるNK細胞の活性を低下させてくれるのだとか。感情を抑制せず、おおいに笑っておおいに泣くことも、がんを予防する方法のひとつである。

それでもがんになってしまったら

毎日不摂生をしている人はともかく、十分に食生活や生活習慣に気をつけている人でも、がんを患うことはある。では、もしも自分ががんであると診断されたらどうするか。

まずは、自分のがんに対する正しい知識を持つこと。医者の指示をただそのまま受け入れるのではなく、少しでも疑問に思うことがあれば、必ずセカンドオピニオンを受けること。そして、手術・抗がん剤療法・放射線療法の「がん三大療法」だけではなく、その他の可能性、「代替療法」にも目を向けること。代替療法とは、自然治癒力や免疫力を高めて体内環境を整える方法。漢方、鍼灸、アロマテラピー、アーユルヴェーダなど、その種類は様々だ。

「自分で情報を集め、自分で代替療法の現実に触れて、代替療法をどう評価するかを決めていただきたいと思うのです」と安藤氏は述べる。世の中の常識、マスメディアが報じることをすべてだと信じすぎず、もちろん頭から否定もせず、あらゆる面から物事を見ること、そして知ることが何より重要なのではないだろうか。

がん予防に限らず、普段の食生活や生活習慣に気をつけること、自然治癒力を高めることは、健康体を手に入れる何よりの近道である。元気に毎日を送るために、何かひとつでも、できることから実践していこうではないか。

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