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フランスの新年はシャンパン、そして「王様たちのお菓子」で始まる

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フランスではクリスマスは家族と過ごし、大晦日には恋人や友人と過ごすのが一般的だ。
大晦日のことは「レヴェイヨン・ドゥ・ラ・サンシルヴェストル」と呼ばれ、友だちの家に集まって歌ったり踊ったりして大騒ぎ。ご馳走にはフォアグラ、スモークサーモン、生牡蠣の
3品が欠かせない。

そして、カウントダウンの後、午前零時になると「Bonne annee 2017!」(2017年新年おめでとう)と皆が叫び、普段は値段が高いのでフランス人たちもめったには飲まないシャンパンの栓をこのときばかりは威勢よくポンッポンッと抜いて乾杯をする。

また、パリのエッフェル塔では同時刻に華やかなスペクタクルがおこなわれ、この模様は毎年テレビでフランス全土に生中継される。

新年を祝う「王様たちのお菓子」

祝日は元旦だけで、1月2日からは平日として会社も学校もスタートするのがフランスで、日本のおせち料理のような祝い膳もない。

が、唯一、新年には「ガレット・デ・ロワ」(王様たちのお菓子)を食べる習慣がある。

16日はカトリックの公現祭。
ロワとは王様のことで、頭に複数形のデがつき、これは東方の三博士を指している。この日を祝って食べるお菓子は地方によって異なるが、パリを含む北側ではアーモンドクリーム入りの丸型のパイ、ロワール川より南の地域ではブリオッシュ生地の、それぞれのガレット・デ・ロワが好まれている。

ガレット・デ・ロワはパン店や洋菓子店、スーパーにも並ぶ。どのお店で買っても、紙でできた金色の王冠が付いており、お菓子の中にはフェーヴと呼ばれる小さな陶器の人形がひとつだけ隠されている。

食べ方は、家族の年少者がテーブルの下に隠れ、切り分けられるお菓子を順に誰の皿にのせるかを決める。「最初のはパパ! 二番目のはママン! 次は……」という風に。そうして、テーブルについた家族が一斉にお菓子を食べはじめ、フェーヴを引き当てた人が一日だけ王様(王女様)として王冠をかぶるというわけだ。

フェーヴが当たるまで何度でも

ガレット・デ・ロワは16日だけでなく、すでに年末から店頭に並び、複数回食べる家族が多い。なぜなら、子どもにねだられ、フェーヴを当てるまで何度でも買わされることになるからだ。うちの娘も幼い頃は、最初から王女様には自分がなると決めてしまっているのでフェーヴないと大騒ぎ! 親としてはなんとか事前にフェーヴの在り処を探しておきたいのだが、なにせパリパリの焼き菓子だからヘタにいじると粉々になってしまう。

「フェーヴあった~!」
娘が叫ぶと、ホッと胸を撫で下ろすというのが毎年のことだった。

また、公立私立にかかわらず、フランスでは学校給食でも新年にはガレット・デ・ロワが出て、それこそクラスで誰がフェーヴを当てるのか大いに盛り上がるそうだ。

ベツレヘムの星のお話

さて、フランスではどうしてガレット・デ・ロワを食べるのか? 

それには、まずベツレヘムの星のお話を知らなければならない。

イエス・キリストが誕生したとき、東の国ではそれまで見たこともない大きな星が西の夜空に輝いた。それは救世主誕生の知らせという言い伝えに従い、東方の三博士(メルキオール、バルタザール、カスパール)は星を追って旅に出た。

そしてベツレヘムに着き、星が止まった真下には、馬小屋で母マリアに抱かれた幼子イエスがいたのだ。その日が16日で、三博士は持参した黄金、乳香、没薬を捧げた。

メルキオールが捧げた黄金は王位の象徴、バルタザールが捧げた乳香は祈りの象徴、そしてカスパールが捧げた没薬は死の象徴だが神の子として世界の罪を負って死ぬが、やがて復活することも意味していた。

さて、この星の正体がなんであったかは天文学的には諸説があり定かにはなっていないそうだが、キリスト教徒にとって重要な星であることには間違いはない。

夜空の星たちが語りかけてくるもの

さて、宇宙に憧れている私は“星の話”が大好きだ。

名作よんでよんで 星と神話のおはなし20話』(西本鶏介・監修学研プラス・刊)は、子どもに読み聞かせてあげたいのはもちろん、大人が読んでもとても楽しい絵本だ。

星のお話は、世界各地にありますが、ギリシア神話と結びついたお話は特に有名で、西洋にある多くの文化や文学のもとになっていることは、いうまでもありません。中でも、神さまと人間の間に生まれた英雄が活躍するお話(武勇伝)は、波瀾万丈の冒険物語として、子どもたちの心をとらえて離しません。

(『名作よんでよんで 星と神話のおはなし20話』から引用)

ヘルクレスに倒されたライオンが“しし座”になったお話。七匹のぶたがブーブー鳴きながら天に昇って北斗七星として輝いたお話、などなどを読み聞かせてもらったあと、夜空を見上げれば、その星座がそこに存在するから説得力がある。

そのために本書では星座の見える季節ごとに春夏秋冬に分けてお話が構成されている。

また、星占いでおなじみの12星座すべての物語が収録されているので、自分の星座にどんなストーリーがあるのか知りたい方にもおすすめだ。

お正月、冬の夜空を見上げて

冬の星と神話では、おうし座の「神の花よめになった王女」、すばるの「天にのぼったわかもの」、ふたご座の「なかよしの兄弟星」、おおいぬ座の「名犬レラプスと大ぎつね」の4話が紹介されている。冬の夜空を見上げて星を探す。ときには、そんなロマンチックなお正月もいいのでは?

(文:沼口祐子)

星と神話のおはなし20話

著者:西本鶏介(監修) コダイラヒロミ(絵)
出版社:学研プラス
星占いなどでおなじみの、12星座の物語をはじめ、星にまつわる日本や世界の神話・伝説を20話収録。かわいいイラストとやさしい文章で、親子で楽しめる。お休み前のよみきかせにもぴったり。お話の解説ページや季節の星の見つけ方ページつき。

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