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血圧のセルフチェックで突然死を防ごう!

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今から20数年前、私の母は57歳で突然とこの世を去ってしまった。
病気で寝込んだことなど、それまでまったくなく、健康だとばかり思っていた母は、その日の朝まで元気いっぱいだった。しかし、急に脳卒中で倒れ、緊急手術は受けたものの助からなかった。

毎日血圧を測るなどして、きちんと健康管理をしていたら、もしかしたら突然死は防げたのでは? その頃、私たち家族はそんな後悔の念に駆られた。

1日3回血圧を測り続ける義父

私は現在、義父母と同居しているが、83歳になった義父は日々の血圧が安定しないため、1日3回、血圧を測ってそれを記録している。ちょっとした気持ちの動揺で血圧が跳ね上がることがあり、その数値にとらわれて、落ち込んでしまうこともあるが、この習慣はよい健康管理になっているようだ。

つい先日も、急に気温が下がった夕方に血圧が急上昇した。義父は熱いお風呂に入って、温まって寝たいと言ったのだが、義母がそれは危険だと止めたのだ。

もし、血圧を測る習慣がなかったら、お風呂場でのヒートショックの危険もあったわけで、やはり日頃からの備えがリスク回避につながったのだと思う。

血圧を測り続ければ、死因の半分以上が防げる

家庭用血圧計で毎日の血圧をチェックして記録をし続ける。たったこれだけの習慣で、心筋梗塞や脳卒中のリスクを未然に察知し、自己管理ができると、東京女子医科大学東医療センター内科教授の渡辺尚彦先生は言う。

先生の著書『血圧を測るだけ!!で、 長生きする38の理由』(渡辺尚彦・著毎日新聞出版・刊)によると、血圧を測るのは朝晩の2回でよく、これを記録していけば、突然死のリスクをかなりのパーセンテージで回避することができるそうだ。

血圧レコーディングで「がん」、「認知症」も予防できる

血圧は病院で測るよりも家庭で測るほうが5mmHgほど低くなり、健康状態がよくわかるそうだ。

岩手県の大迫町で行われた疫学調査研究によると、7歳以上の全住民に長らく毎日血圧を測ってもらったところ、「がん」の死亡率も減少したそうだ。

血圧測定自体が「がん」を減らしたわけではないが、「上の血圧が140mmHg、下の血圧が90mmHgを超えると病気になるリスクが高まる」、「調査を始める前と比べて、医療費が大きく減った」などがデータ分析で分かり、これは住民の病気予防に対する意識が高まった結果だという。毎日血圧を測ることで危機管理意識が身につくようになったというわけだ。

また、血圧レコーディングは、老化の進行を遅らせることにもつながるそうだ。

人間は血管から老化していくもの。高血圧が続いて血管が内側から傷つけられれば動脈硬化が進行しやすくなりますし、末梢の血管の弾力性が失われてくれば糖尿病も進みやすくなります。(中略)しかし、血圧を測定・記録してコントロールしていれば、血管を健康にキープしていくことができるのです。(中略)さらに、血圧レコーディングはボケ防止にもつながります。血圧が高い人が認知症になりやすいということは、いくつもの研究であきらかにされています。(中略)血圧は、何でも知っています。みなさんの体の状態も心の状態も、全部ありのままに知らせてくれます。

(『血圧を測るだけ!!で、長生きする38の理由』から引用)

血圧レコーディングは安く売られている家庭用血圧計で十分で、中でも腕で測るタイプがおすすめだそうだ。

上と下の血圧の差が60mmHg以上は要注意!

渡辺先生によると、血圧は乱れるのが当たり前だそうだ。

私はかつて血圧計をつけたまま巨大な冷蔵庫に入ったことがあるのですが、そのとき130mmHgだった血圧が一気に208mmHgまで上がりました。(中略)でも、瞬間的にこれくらい高くなるのは、わりと「よくあること」なのです。それは、興奮したりイライラしたりしているときに、試しに血圧を測ってみればわかります。

(『血圧を測るだけ!!で、長生きする38の理由』から引用)

が、このように血圧が跳ね上がっても、深呼吸などして心身状況を落ち着かせれば、簡単に下がるので心配することはないという。

むしろ気をつけるべきは血圧の上下の差で、60mmHg以上開いたら、動脈硬化の危険水域に入ったサインなので注意が肝心だそうだ。

上の血圧数値から下の血圧数値を引いた差を「脈圧」といい、脈圧の値が大きくなってくると血管に負担がかかるようになる。血管はしなやかで弾力性があれば楽に血液を送り出すことができるが、弾力性が低下し、並行して動脈硬化がすすんでいると脈圧が大きくなる。

脈圧は50mmHg以下で「3050mmHgの範囲内でおさまるのが望ましい」とされています。また、「70mmHg以上は動脈硬化に要注意」「80mmHg以上になると、かなり太い血管の動脈硬化が進んでいる危険アリ」といわれています。ただ、私は、60mmHgを超えたら、もうリスクが迫っていると考えたほうがいいと思います。

(『血圧を測るだけ!!で、長生きする38の理由』から引用)

血管は食事や運動などで若返らせることができる

さて、血圧測定で、よくない数値が出たとしても絶望することはない。
はやめに生活改善をすれば、動脈硬化を解消させたり、血管の弾力を取り戻すことも十分に可能だからだ。

本書では、食事や運動などで、血管を若返らせる方法がいくつも紹介されている。

例えば、血管の若返りには「NO(一酸化窒素)」が欠かせないという。このNOを増やしてくれるのが、100%のぶどうジュース。一日200cc飲むと、ぶどうに含まれるポリフェノールが血管を拡張し、血圧を下げてくれるそうだ。また、ウォーキングなどの有酸素運動が血管内皮細胞を活性化させてNOの分泌を促すそうだ。

この他にも、正しい減塩法、食事の食べ方、そして血管力をキープする指圧など、今すぐ実践できる健康法が紹介されている。

さあ、今日から、血圧測定をはじめて、長寿を目指そう!

(文:沼口祐子)

血圧を測るだけ!! で長生きする38の理由 見る間に下がる魔法の習慣

著者:渡辺尚彦
出版社:毎日新聞出版
血圧を測って記録するだけで寝たきり・突然死・認知症が予防できる! 1987年から毎日24時間自身の血圧を測り続ける高血圧の名医が伝授する超シンプル健康法。本書では誰もが簡単に習慣づけられる血圧の測り方、血圧の数値を安定させる方法をわかりやすくお伝えしています。

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