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英語を何とかしたいと思ったら・・・

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アメリカのパサデナという町に行ってきた。
ロサンゼルスの北東に位置するこの町は、カリフォルニア工科大学やジェット推進研究所、そして、アメリカンフットボールの大学リーグが行われるローズボールスタジアムもあることで知られている。


今は高級住宅地だが、かつては治安が悪いときもあったという。
ちょうど大統領選の直前だったせいか、空港の警備も厳重で、パスポート審査も長い列が続き、半端なく時間がかかった。
それでも、アメリカの今を肌で感じることができたのは、よかったと思う。
怖がりの私がパサデナに行ったのは、サンタアニタパーク競馬場で行われるブリーダーズカップという競馬の大レースを取材するためだった。

シービスケットが活躍した競馬場

かつて『シービスケット』という映画があったのをご存じだろうか?
大恐慌時代に生まれたシービスケットは、膝が曲がっているという競走馬としては致命的な欠点を抱えていたため、注目されることなく、ひっそりと育った。
けれども、次第にそのたぐいまれな才能を発揮するようになり、ついにはアメリカを代表するサラブレッドになる。
映画は、トビー・マグワイア演じるポラード騎手との関係を濃厚に描き、優れたドラマに仕上がっていた。
アメリカンドリームとは何かを考えさせる映画だった。
困難な時代背景のもと、シービスケットは走る、ただひたすらに走る。皆の夢を背負って。
そんな彼が活躍し、喝采を浴びた舞台が、サンタアニタパーク競馬場だったのだ。

サンタアニタパーク競馬場で取材なんてできるの?

私はかつてシービスケットとその時代を描いた『シービスケットあるアメリカ競走馬の伝説』という本を書評した。参考のために、映画「シービスケット」も観た。
本も映画も面白く、夢中になった。
そして、サンタアニタパーク競馬場へ行きたくてたまらなくなった。
だから、今回、「取材の手伝いをしてくれませんか?」という申し出に、深く考えもせずに飛びついてしまったのだが、考えてみると、私は英語が苦手だ。読む方は辞書を頼りにどうにかするにしても、会話はてんで駄目。
そんな私が、アメリカでも有数の競馬場に行き、英語で取材するなんてこと、果たしてできるのだろうか?

泥縄式に勉強しました

アメリカへ出発する日が迫ってくると、のんきな私も焦ってきた。
胃がかっと熱くなるほど、不安だった。
が、時すでに遅し。
引き受けたからには、なんとかしなくてはならない。
そこで、『寝る前5分暗記ブック 英会話フレーズ集<基礎編>』(メディアビーコン・著/学研プラス・刊)をダウンロードし、泥縄式に勉強した。
音声もダウンロードできるようになっていたので、読むだけではなく、聴いて覚えることができたのが便利だった。
中学1年生くらいを対象にした教材だそうだが、私には十分、難しかった。

チャンスは到来したのだが・・・

アメリカに着いてみて唖然とした。
当たり前のことだが、皆、猛烈な早口で「米語」を話している。
「カリフォルニアの英語をなめてはいけない」と、教わったことがあるが、確かによくわからない。
「こりゃ、駄目だ。インタビューなんて、到底、無理。新聞を訳して、原稿としよう」
あきらめかける私の目の前を、競馬の世界では知らない人はない調教師や騎手が、笑いさんざめきながら歩いていく。
たとえば、凱旋門賞というフランスの有名なレースで、今年、1位から3位までを独占し、記録的な大勝利と騒がれた調教師エイダン・オブライエンさん。
シービスケットに騎手の役で出演し、今も現役の騎手であるゲイリー・スティーブンスさん。
アメリカで今、乗りにのっている調教師のチャド・ブラウンさん、などなど。
きら星のようなスターたちにインタビューできるチャンスだというのに、私は「おはようございます」を言う度胸もないのか?

必死のインタビュー

気づいたとき、私は彼らに追いすがり、伺いたいことを質問していた。
おそらくは「ワタシ、シリタイ、アナタ、このレース、どうですか」くらいの英語だったと思う。
それでも、必死で質問する私に彼らはニコニコ笑いながら、きちんと答えてくださった。
今思い出すと、嬉しく、たまらなく恥ずかしく、泣きそうになる。
けれども、その時は「勉強してきたじゃない。自信を持ちなさい」と、自分を励ますしかなかったのだ。
見かねて、翻訳を助けてくださった優しい方もいた。

少しずつでも前進したい

『寝る前5分暗記ブック 英会話フレーズ州<基礎編>』には、それほど複雑な英語構文は載ってはいない。
それなのに、100パターンの表現を覚えるうち、自分の英語に自信がついていく。
もし、あまりにもたくさんの構文が掲載されていたら、本を開く気にもならぬままだったろう。
帰国した今、思うのは、たとえ片言でも英語で質問すると、知らなかった世界が広がるということだ。
普段は「いいや、英語なんかできなくてさ。私は日本人だもん」と、開きなおっている私だが、それでは知識に限界が生じると、思い知った。
この本をマスターしたら、少しずつグレードを上げ、いつかは映画「シービスケット」を字幕無しで見ることができるようにしたいと夢みている。
「必要は発明の母」というけれど、それは英会話にも言えることだ。
ちなみに「必要は発明の母」は、英語でNecessity is the mother of invention.というらしい。
「必要だ」と切望すれば、道は開けると信じるしかない。

(文:三浦暁子)

英会話フレーズ集<基礎編>

著者:メディアビーコン
出版社:学研プラス
記憶の定着に最適な寝る前5分を活用して英会話を覚えよう!少ない構文でもパターン・プラクティスで繰り返し練習すれば、とっさに一言が出てくる実践的な英会話力が身につきます。取り上げる構文は、中学生レベルなので、英語が苦手な人にもおすすめです!

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