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ギャンブルのある人生とない人生。あなたが選ぶのはどちらでしょう?

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幼い頃、私は体が弱く、母はいつもいつも心配していた。
「のどは痛くないの?」とか「お腹をこわすといけないから、そんなもの食べては駄目」、「寒くはない?」等など。
有り難いとは思ったけれど、時々、息がつまりそうになり、母の目を盗んで、駄菓子屋に通いつめた。
ちょっと食べると舌が真っ赤になるアイスキャンディー、奇妙に甘いするめは、禁断の味がした。

禁じられた駄菓子屋で見つけた新しい楽しみ

ある日、いつものよう、お菓子を選んでいると、おばちゃんが申し訳なさそうに「暁子ちゃんにはもう売れないんだ。お母さんと約束したからさ」と言うではないか。何でも母がやって来て、菓子折を差し出すや、「娘にお菓子を売らないでください」と、頼んだのだそうだ。
駄菓子屋さんに、菓子折を持って行き、菓子を売るなと頼むなんて。
我が母ながら、間抜けだ。
間抜けすぎる・・・。

駄菓子屋のレジェンド

私を思う母心だと納得しながらも、悲しくてベソをかいた。駄菓子屋さん通いが好きだったからだ。
すると、優しいおばちゃんは、「ガムは?ガムならいいよ」と言うではないか。
ガムは菓子ではないというのがおばちゃんの考えだった。
おまけに、ガムにはクジがついていて、当たるとまたもう一つひけるのだ。
当たれば、またもう一つ。
つまり、景品だから、菓子ではないという解釈だった。
私は嬉しくて、真剣に選び、そして、その日、やたらと当たった。
今思えば、おばさんが「あたり」を増やしてくれていたのだと思うのだが、とにかく、引いても引いても、あたりが続く。
やがて、ポケットの中はガムで一杯になった。
その日からである。私が「くじ運がいい子」と、言われて、注目されるようになったのは。
いわば 駄菓子屋のレジェンドである。

カラクリはたくさん引いたから

以来、駄菓子屋さんの前には、私を待つ友達がいるようになった。
自分の代わりにくじをひいてくれと懇願するのだ。
私は私で、それが楽しく、真剣にくじを引き、そして、相変わらずよく当たった。
もっとも、それは当然のことだろう。
たくさん引けば確率があがるに決まっている。
当たれば「さすが!」と言われ、はずしても「暁子ちゃんがはずすなら仕方がない」となる。

私はギャンブラー

こうして、私はくじ引きが大好きな大人になった。
今は、競馬好きの夫に引きずられ、毎週、競馬をしている。自分でいうのもなんだが、けっこう、勝つほうだと思う。
周囲には「根っからのギャンブラーだ」と、言われるが、そう言われればそうかもしれない。
もちろん、大金をはたいたりはしないが、ここぞというときは、けっこうな額を投じ、ちゃんと取り返す。
駄菓子屋でガムくじを引き続けた経験が、ギャンブラーとなる下地を作ってくれたのだろう。

何事も始めが肝心?

私はカジノガール』(望月照子、芥真木・著/ゴマブックス・刊)の主人公ルリコは、私とは違い、本当にギャンブルに強い女性だ。
競馬、パチンコ、ルーレットやブラックジャックまで何でもこなす。
しかし、決してギャンブル狂というわけではない。
むしろ、ギャンブルは嫌いだった。
恋人の涼介が無類のギャンブル好きで、大金をすってしまうため、お目付役として、嫌々、ついていっただけなのだ。
ところが・・・。
初めての馬券で大もうけをしてから、次第に楽しくなって夢中になっていく。何事も始めが肝心だということか?

何がルリコを変えたのか?

やがて彼女は、自分のバイオリズムとギャンブルの調子に関係があることがわかってくる。
とくにベッドの上で、血がたぎる経験をすると、ギャンブルも勝てると気づく。
お坊ちゃん育ちの涼介を仕方なくフォローしているうちはよかったのだが、自らがのめり込み始めたとき、彼女は運命的な出会いをする。プロのギャンブラー・譲二と知り合い、その魅力にとりつかれてしまうのだ。

ギャンブルと出会ったために、変わってしまう人生・・・。
それがよいことかどうかの判断は人それぞれだが、そこまで好きなものを持てるのはうらやましい話だ。
ギャンブルのある人生を選ぶか?、やめるか?
それは個人の自由だ。
けれども、人生はそもそもギャンブルの繰り返し。ギャンブル勘を磨くのは悪くないはず。
あなたならはどちらに賭けるか?
さあ、ここが思案のしどろだ。

(文:三浦暁子)

私はカジノガール

著者:望月照子  芥真木
出版社:ゴマブックス
浜田ルリコは、平凡な結婚を夢見る普通のOL。婚約者の千田涼介は、イケメンの会社社長で申し分ない相手だが、ひとつだけ無類のギャンブル好きという大きな欠点があった。ルリコは千田に連れられ、大嫌いなパチンコ屋や競馬場、ラスベガスに出かけるうちに、自分が特殊能力を持つギャンブルの天才であることに気づいてしまう。ルリコはギャンブラーとして日に日に腕をあげ、やがてアングラカジノで日本を代表するディーラーと、ルーレット勝負に挑む。

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