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ボージョレ・ヌーヴォー、まもなく解禁!

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11月の第3木曜日は、ボージョレ・ヌーヴォーの解禁日。

日本では、時差の関係で本国フランスよりも8時間早く市場に出回ることから、毎年お祭り騒ぎだ。早くからスーパーで予約をし、一年に一度だけワインを楽しむという人も少なくないだろう。

ボージョレ・ヌーヴォーはフランス中部のボージョレ地域で作られる新酒で、その年に収穫したぶどうを素早く醸造し、11月の解禁に合わせてボトルに詰める。熟成させないので、フルーティーで軽い口当たりの赤ワインだ。

その日、フランスでは……

「今年もボージョレ・ヌーヴォーが解禁になりました。ジャポンでは多くの人々がパーティを開き、新酒を味わいました」

ボージョレ・ヌーヴォーの解禁日のフランスの各局のテレビニュースでは、アナウンサーがそう言い、東京や大阪でカウントダウンとともに深夜にワインパーティを開いている人々の映像が流れる。そしてこのニュースはそれだけで終わるのが、ここ数年のパターン。地元フランスからの中継はない。

そう、ボージョレ・ヌーヴォーは日本では大人気だが、フランスではあまり人気がないのだ。

なぜか? ボージョレ・ヌーヴォーは4~6ユーロ(現在の為替レートで500600円)で買えるが、ワイン大国フランスでは同じ値段でもっとおいしいワインが買える。また、ボージョレ・ヌーヴォーはすぐに飲まないと味が落ちるため、他のワインのように買い置きができないことも好まれない理由だ。

フランス各地の大型スーパーでは解禁日にボージョレ・ヌーヴォーの無料試飲コーナーができる。フランス人たちは、その年のぶどうの出来を知るために、ちょっとだけ試飲して、買わずに帰ってしまうパターンが多い。

秋のこの時期、フランスのスーパーはワインの売り場面積を3倍にも広げ、フランス各地のワインを勢ぞろいさせる。お客たちは、それらの中から好みのワインを1ダース、2ダースと買い占めていく。フランスのアパルトマンの地階には、それぞれの部屋に割り当てられた物置があり、CAVE(カーヴ)と呼ばれている。そこは夏でもひんやりしていていてワインの貯蔵に最適なので、どの家庭もそこでワインを眠らせているのだ。

日本人は「初物」や「旬」を好むが、フランス人たちは何事につけ「新しいものより古いものがよい」という感覚がある。それはワインでもしかりのようだ。

ヌーヴォーよりおいしいボージョレの1本!

おうち飲みワイン100本勝負』(山本昭彦・著朝日新聞出版・刊)によると、ボージョレにはフランス人もうなるおいしいワインがあるという。

その名は、「マルセル・ラピエール・モルゴン2008」(実勢価格は3000円)。著者は10数年前にラピエールを飲んで自然派ワインにはまったという。

摘みたてイチゴを砕いたようなみずみずしさ。色は薄いのに果実の甘みとエキスが詰まっている。水のようにのどを滑り落ちる。癒やし味の秘密はビオロジック農法にある。農薬や除草剤は使わず、自然酵母で醸造し、酸化防止剤を抑えて瓶詰めする。

ラピエールは自然派ワインの先駆者。80年代に手法を確立し、全土にフォロワーを生んだ。

(『おうち飲みワイン100本勝負』から引用)

マルセル・ラピエール氏は2010年に60歳で早世したそうだが、優良な作柄の2009年が最後の作品で、これは10年寝かせてから飲みたい1本だそうだ。

フランスでは今、このような「ビオ(BIO)」ワインがとても増えている。ビオはフランス語で有機農法をさす。農薬や化学肥料を使わずに栽培したぶどうから作られるワインで、値段はやや高めになるが、その土地の味がする最良のワインに仕上がるという。

3000円以内で飲めるおいしいワインリスト

本書は、初心者をターゲットにした、とてもわかりやすいワインガイドだ。紹介されているのは著者がこれまでに自腹で飲んだワインばかりだそうで、その上限は3000円。手ごろな価格で買えて、それでも素直においしいと思える銘柄を100本セレクトしてある。また、よく合う料理も解説されているので参考になる。

たとえば、

第1章 平日の夜を癒すワインでは、

*和食に合う、ウィリアム・フェーブル シャブリ2009(実勢価格2100円) 産地フランス ブルゴーニュ地方

*甲州の寿司ワイン、Shizenキュヴェ・ドゥニ・デュブルデュー2009(実勢価格3000円) 産地山梨県

*イタリア料理には、モンテヴェルティーネ ピアン・デル・チャンポロ2008(実勢価格2940円) 産地イタリア トスカーナ州

第2章 週末を彩るワインでは、

*焼き鳥と相性がいい、ニコライホーフ グリューナー・フェルトリーナー2009(実勢価格2700円) 産地オーストリア バッハウ

*天ぷらと合う、トリンバック リースリング2008(実勢価格2700円) 産地フランス アルザス地方

*うなぎの蒲焼に合う、アルド・コンテルノ ランゲ・ドルチェット マサンテ2009(実勢価格2600円) 産地イタリア ピエモンテ州

第3章 アウトドアではじけるワインでは、

*炭火焼の川魚に、エスタンシア ピノ・グリージョ2007(実勢価格2400円) 産地米国 カリフォルニア州

*ステーキには、アルタス アルタスリ2008(実勢価格2000円) 産地スペイン ナバーラ

*焼きそば、BBQには、ギガル コート・デュ・ローヌ2006(実勢価格1500円) 産地/フランス ローヌ地方

などなど。そして、第4章では勝負を賭けるワイン、第5章では大切な人へ贈るワインの数々も紹介されている。

ワインはネットで買うのがいい

この本でリストアップされているワインはネットショップで手に入るそうだ。

ワインはネット通販に向いている。何せ重い。クール便なら、温度の心配も無用。ワインに特化したショップは、保管状態もいい。定温管理できる倉庫を設け、寝かせている。品質に問題があればすぐに、ユーザーから書き込まれてしまう。固定費が低い分、価格もデパートより安い。

(『おうち飲みワイン100本勝負』から引用)

巻末には著者おすすめのネットショップのアドレスも紹介されているので、気になるワインは探し回らなくても、すぐに購入できそうだ。

(文:沼口祐子)

おうち飲みワイン100本勝負

著者:山本昭彦
出版社:朝日新聞出版
とかく、ワインの「値段」はわかりにくい。でも、2000円台でも十分、超高級ワインと遜色ない味わいが楽しめるのだ! 平日、週末、アウトドア、特別な日、贈り物に……。ワインをこよなく愛す著者が、これまで自腹で飲んだ中から納得できる、おすすめの逸品だけを選びました。グラスや保存方法など、ワインにまつわるコラムも充実、読んで楽しく、飲んでおいしい、重宝な1冊です。

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