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消えそうで消えない”壇蜜”の賞味期限

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壇蜜(だんみつ)。まだテレビで見かける。しぶとい。

壇蜜は一発屋だと思っていた。2012年ごろにブレイクしたあと、大久保佳代子と共に「だんくぼ」という冠番組を始めたあたりで、壇蜜の人気は頭打ちになるだろうと思っていた。

一発屋の壁を乗り越えた

予想がはずれた。

2016年現在の壇蜜は、『久米書店』や『サンデー・ジャポン』などのテレビ番組に出演をしたり、連続ドラマのちょい役、ドキュメンタリー番組のナレーションなどで忙しいようだ。ラジオでは文化放送で冠番組をもっており、NHKラジオ第二「高校講座(保健体育)」にも出演中である。

文才を認められてエッセイ集を何冊も出版している。芸能界から消えそうにないどころか、なかなかの売れっ子だ。民放だけでなく、なぜかNHKのテレビ番組やラジオ番組の出演が多い。

壇蜜の所属事務所「FITONE」は、多くのグラビアアイドルをマネージメントしているが、稼ぎ手と言えるのは「吉木りさ」だけなので、有力な事務所とは言い難い。

最近の活躍は、壇蜜が自力で勝ち取ったものと考えてよさそうだ。

壇蜜の履歴書

壇蜜とは何者なのだろうか。2013年に執筆されたフォトエッセイ集『はじしらず』(壇蜜・著/朝日新聞出版・刊)が参考になるかもしれない。

大学では英語の教員免許を取得したのに教員にはならず、大学を卒業したあとは、専門学校に通って調理師免許を取ったのに、調理の仕事は三年ともたず。

そのあとにさらに、葬儀の専門学校にも通ったのに、その関係の会社に就職することは諦めてしまった。

(中略)

私は親にお金をかけてもらって学生を長く続けただけで、結局、なににもなれなかった。迷惑、ポンコツ、ダメ人間。

(『はじしらず』から引用)

壇蜜こと齋藤支靜加(さいとう・しずか)は、ひとつのことに身を入れられないモラトリアム気質の若者だった。ろくなもんじゃない。壇蜜自身も「ダメ人間」と書いている。

ぼくたちは壇蜜に同情していた

壇蜜とは何か。人気が出始めたころは「かわいそうな女」だった。

芸能界入りは28歳のとき。若くもなく、演技力や歌唱力などの特技が無かった壇蜜は、求められることをひたすら受け入れるしかなかった。まるで借金のカタに肉体関係を迫られている未亡人的な「かわいそうな感じ」が、男たちの劣情を駆り立てていた。

ブレイク当時の壇蜜は、なにかと理屈をこねた物言いをする「めんどうくさい女」だったように思う。「(スタジオ収録中に)ノーパンですよ」とか、どうしようもなく面倒くさいことを言っていた。

かつての壇蜜は許されていた。「かわいそうな女が、かわいそうなこと言っている」という理由からだ。どうせすぐに消えるであろう壇蜜には同情の余地があった。

しぶとい芸能人は面白い

2016年現在の壇蜜は、芸能人として安定期に入っている。いわゆる「売れっ子」というやつだ。

リアクション芸人だった雨上がり決死隊が「司会者ポジション」を獲得したように、壇蜜も「はずかしめられる仕事」を選ばなくてもよい立場になりつつある。

つまり、いまの壇蜜は「かわいそうな女」ではない。しかしながら「めんどうくさいこと」も言わなくなってきたのでチャラだ。これで壇蜜の持ち駒は「容色」と「文才」だけになった。壇蜜は今年36歳になる。

女優転身の可能性はあるだろうか。『半沢直樹』や『私の奴隷になりなさい』の出演で話題になったこともある。だが、壇蜜の演技力は無きに等しい。どんなに努力しても棒読みだ。鼻にかかりすぎる声は耳障りですらある。

「芸能界に未練はない」と言いながら、オファーがあるかぎりは引退しないようだ。これからは、壇蜜の「しぶとさ」に注目していきたい。

(文:忌川タツヤ)

はじしらず

著者:壇蜜
出版社:朝日新聞出版
壇蜜、33歳、職業・グラビアアイドル――。「迷惑・ポンコツ・ダメ人間」を自称する彼女が、人生、仕事、恋愛、これからの自分を赤裸々に綴った初のフォトエッセイ。全編を珠玉のグラビアと本音の言霊が埋め尽くす、新たな壇蜜ワールドが展開する。

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