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折り紙の持つパワーに脱帽しています

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息子が幼かった頃、マンションの水漏れ工事が行われたことがある。
男の子からすれば、それは夢のような毎日だったようだ。
見たこともない電動工具がたくさん持ち込まれ、壁やら床やらにバリバリと穴をあけていくのだから、無理もない。
「よっしゃ」とばかりに、自分も加わろうとする。

 子供の好奇心は無限だ

しかし、もちろん、工事に参加できるはずがない。
危ない道具ばかりで、怪我をするから離れているように注意された。
けれども、そこは男の子。言うことを聞かない。
私は生きた心地がせず、息子を叱り、おとなしくしているように説得した。
なるべく公園に行くようにしたのだが、なかなかうまくいかない。
子供の好奇心というのは半端ではないからだ。
ちょっと目を離すと、すぐに工事している部屋に入ってしまう。

泣く息子、困り果てる母

作業員は親切な人で、息子の願いを聞き入れ、危なくない道具、たとえば物差しなどを渡してくれたりするのだが、それでは満足しない。
電動のこぎりに何が何でも触ろうとする。
私は焦り、怒り、「いい加減にしなさい」と、怒鳴るしかない。
当然、息子は泣き出し、私も一緒に泣いていた。未熟な母親だったのだ。

兜の折り紙で勇者に変身

と、その時、救いの手がさしのべられた。
工事の主任が、新聞紙で兜を作り、息子の頭にのせてくれた。
そして、真剣に言った。
「この工事は危ないから、坊やに監督して欲しいんだ。兜をかぶって、みんなに危険なことが起こらないように、守ってくれないかな?おじさんからのお願いだ」。
すると、突如、息子は素直になり、「いいよ」と、頷くや、工事の様子をじっと見守り始めた。
驚く私に彼は言った。「折り紙の力というのは馬鹿にできないでしょう?僕にもやんちゃな男の子が二人いるんですよ」と。
私は心から感心し、以来、何度か兜を折って、急場をしのいできた。
中耳炎になったときも、風疹になったときも、息子のために新聞紙で大きな兜を折り、「負けるな」と、励ました。

新幹線の中で泣く子には勝てない

先日、新幹線に乗っていたら、隣の席の女の子がむずかりだした。
困り果てたお母さんはなんとかして、娘を寝かせようとするのだが、うまくいかない。
私はかつての自分を思い出した。
周囲の冷たい視線に耐えかねたのか、若いお母さんは娘を叱り、よけいに泣かせるという悪循環に陥った。
私にも覚えがある。
子供というものは「今だけは寝ていて」と願うときには起きていて、「今は寝ないで」と思うときにぐっすり寝てしまうのだ。
そして、最後は泣く。

魔法の手を持つおばちゃんになりたい

私は思いついて、ノートをちぎり、兜を折ってみた。
すると、お嬢ちゃんは少し静かになった。
次に折鶴を折ってみたら、喜んでくれた。
けれども、そこでネタ切れだ。
男の子しか育てなかった私は、女の子が喜ぶような折り紙を知らない。
もし、あのとき『女の子おりがみ キラキラかわいい!』(山口真・著/西東社・刊)があれば、私はきっと魔法の手を持つおばちゃんと思われたことだろう。残念でならない。

女の子が喜ぶ折り紙

『女の子おりがみ キラキラかわいい』には、魅力的な作品が満ちている。

 1.はなと動物(さくら・チューリップ・はすのはな・ネコ・うさぎ)
 2.おみせやさん(ハンバーガやさん・おはなやさん・アクセサリーやさん)
 3.へんしん(パティシエ・かんごし・アイドル・ちょうりしさん)
 4.きせつ(おしょうがつ・バレンタインデー・ひなまつり・ハロウィン)
 5.みのまわり(しおり・トイボックス・キャンディトレイ

等など。

折り紙、その神秘的な世界

ただの紙がこんな世界を作り上げるなんて!
折り紙はここまですさまじく、神秘的ですらあったのか。
改めて驚いている。
本を見ながら、私もいくつか折ってみるうち、面白くて、次から次へと試したくなった。
折り紙の世界は子供だけではなく、大人にも、いや、大人だからこそ、楽しめるものだろう。惚け防止にもなるはずだ。
ちなみに私が一番好きだったのは、蓮の花の折り紙だ。
あなたもお気に入りを見つけて欲しい。
きっと兜をかぶったような、誇らしい気持ちになることだろう。
ちなみに男の子のためには、『男の子折り紙 わくわくあそぼう!』という本もあるので、そちらも眺めていただきたい。

(文:三浦暁子)

女の子おりがみ キラキラかわいい!

著者:山口真
出版社:西東社
★★かわいいおりがみがいっぱい!★★ パティシエ、アイドルなど憧れの職業のごっこ遊びができるアイテム多数! おしゃれなアクセサリーや小物など、女の子の大好きなものがいっぱい! ※本書は当社ロングセラー『かわいい!女の子のおりがみ』(2008年3月発行)の作品を大幅に増加し、署名・価格・ページ数を変更したものです。※本書に掲載の折り紙作品は、断わりのある場合を除き、すべて山口真の考案によるものです。また、本書に収録せれているすべての折り図(折り方説明)の著作権は、山口真に帰属します。著者の許可なしに本書の作品や折り図を、営利を目的とした活動に使用することを禁じます。

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