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リーズナブルなポジティブを実現する5つの道具

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何で俺だけ…。どうしてこう次から次へと問題が起きるの?  ああ、もうどうにもならないよ。日々の生活の中、絶望までは行かないまでも、ため息をつくだけでは済まされない問題を抱えている人は少なくないはず。
不安、漠然とした恐怖、あるいは焦り。ネガティブな要素は、日常生活のあらゆる場面に顔を出す。こうしたものを少しでも減らせるようにする具体的な方策はないんだろうか。

やたらポジティブだけなのもどうかな

自己啓発というジャンルの本は、やたらポジティブというキーワードをふりかざし、それで押し切ってしまうような論旨が目立つような気がしてならない。まあ、何に対してもやさぐれているよりはいいのかもしれないけれど。

でも、ポジティブという仮面を着けるだけでは、一種の仮面効果みたいなものによって問題を見ないようにする、あるいは回避することにつながりはしないだろうか? から元気もないよりましという考え方もあるだろうが、それだけでは足りない。何か、もっと具体的なものが欲しいのだ。

こう言う。
努力は、正しいタイミングで正しい方向にしてこそ結実する。
林修先生は、こうおっしゃっている。

「努力は裏切らないっていう言葉は不正確だ。正しい場所で正しい方向で十分な量なされた努力は裏切らない」

これはポジティブに関しても言えるはずだ。裏切らないのは、正しい場所で正しい方向で十分な量発揮されるポジティブなのである。

ポジティブの指標

だから筆者は「どんな時も自分を強く保ち、ブレずにいて、不安に負けず恐怖を克服しなさい」的な姿勢に頼る自己啓発論には違和感を覚える。心が折れることもあるし、絶望で死にそうになることだってある。ポジティブの指標というものがあるなら、それについて考えるのは、こういうシチュエーションに置かれた時だ。

じゃあ、いよいよヘコんだ時に〝正しい場所で正しい方向で十分な量発揮されるポジティブ〟を実現させるためにはどうしたらいいんだろうか?

逆説的な超実践マニュアル

『5つのツール』 (フィル・スタッツ バリー・マイケルズ・著、野津智子・訳/早川書房・刊)は、ジャンルこそスピリチュアリティ寄りの自己啓発本に分類されるのだろうが、ポジティブな響きの言葉を羅列して読者を鼓舞する雰囲気はまったくない。内容は、今そこにあるネガティビティに対処していくための超実践的なマニュアルだ。

タイトル通り、構成はネガティビティが原因で起こり得るさまざまな状況を解決するための5つのツールについて語られている。

1.苦しみを望む:ハイヤーフォース「未来へ進む力」
2.進んで与える愛:ハイヤーフォース「アウトフロー」
3.内なる権威:ハイヤーフォース「自己表現の力」
4.感謝の表れ:ハイヤーフォース「感謝の気持ち」
5.危機:ハイヤーフォース「意思の力」

ハイヤーフォースという言葉は、5つのツールを意識することで使うことができるようになる普段の生活では気づかない、思いもよらない力を発揮するものを意味する。ツールを動かすためのエンジンと言えばいいだろうか。
問題に立ち向かう力をくれる解決策が〝ツール〟であり、実感できるパワーが〝ハイヤーフォース〟なのだ。

精神医療の現場から生まれたキーワード

著者は、矯正施設で長年現場を経験し、多くのハリウッド・セレブを顧客に抱える精神科医とセラピストだ。自信に満ちていて、有無を言わさぬ感じ。

本書では、人生を変える特別な力をお教えする。あなたがするべきことはただひとつ。ツールを使うことだけだ。見返りとして、あなたはより素晴らしい自分に生まれ変わることができる。

『5つのツール』より引用

専門家としての立脚点も明確だ。

問題にひとりで向かい合っているとき、患者は自分ではどうにもならないと、どれほど強く感じていることだろう。彼らが求めているのは、問題に立ち向かう力をくれる解決策だった。理論や解釈には、そういう力はない。実感できるパワーこそ、患者が求めてやまないものだった。

『5つのツール』より引用

悩みを抱えている人たちを相手にした本にしては、ちょっと厳しい書き口かもしれない。ただ、そういう色合いが他の自己啓発本と一線を画するものたらしめている。

夏が終わって、言いしれぬ寂しさにさいなまれている人。大きな壁に突き当たっている人。何もかもが思いどおりに行かない理由がわからない人。ネガティブの種類や大小は人それぞれだろうが、5つツールによって解決できることは多いのだ。

以前このコラムで紹介した『もっと結果を出せる人になる! 「ポジティブ脳のつかい方」』 (茂木健一郎・著/学研プラス・刊)と併せて読まれることをお勧めします。

(文:宇佐和通)

【参照記事】ポジティブ思考の落とし穴(http://fum2.jp/8387/)

5つのツール

著者:フィル・スタッツ バリー・マイケルズ(著) 野津智子(訳)
出版社:早川書房
仕事、恋愛、金銭、人間関係などあらゆる悩みや問題を解決し、あなたの意識や行動、人生を変える「5つのツール」とは? セラピストと精神科医の二人の著者が、誰もが実践できる秘伝の精神構造改善法を大公開! ハリウッドのセレブリティも絶賛する世界的ベストセラー。

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