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トンカツ、チキンカツ、ハンバーグ。カレーのトッピングを考える

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独身男がカレーライスを食べたくなったとき。ひとり暮らし。レトルトでは物足りない。自炊するのは面倒だ。母とは離れて暮らしている。

お店に行くしかない。個人経営のカレースタンド(専門店)は敷居が高い。こだわり店主が苦手なのだ。全国どこにでもあるようなチェーン店のほうが行きやすい。

わたしは地方在住なので選択肢が少ない。「CoCo壱番屋(ココイチ)」、「ゴーゴーカレー」、北陸地方では有名な「カレーのチャンピオン」。大通り沿いに数店舗あるのでアクセスしやすい。

店選びでは迷わないが、トッピング(ミート系)を何にするかでいつも悩んでしまう。基本はカツカレーを注文するが、そうでない気分のときもある。

トンカツ

カレーライスにおけるトッピングの王者である。

平たい豚肉に衣をつけて揚げたものをカレーライスのうえに載せる。いわゆるカツカレーだ。本場インドには無いと断言できる。日本発祥。安倍マリオ。まさにクールジャパン。インド人もびっくりである。

ロースカツとヒレカツに大別される。たいていのカツカレーはロース肉に相当する部位が使われている。ロース肉と比べてヒレ肉は脂身がすくない。わたしはジューシーな味わいのロースカツが好みである。

チキンカツ

豚肉よりも鶏肉のほうが安い。カツカレーとチキンカツカレーの価格が同じならば、チキンカツのほうが大きい傾向がある。ちょっと得した気分になれる。

わたしの場合、販売価格が同じならば、気合いを入れたいときにはスタミナ重視で「カツカレー」を、空腹を満たしたいだけのときはボリューム重視で「チキンカツカレー」を注文する。

チキン系トッピングといえば「鶏のからあげ」も旨いのだが、本題からそれてしまうので今回は言及を見送ることとする。

ハンバーグ

ハンバーグカレーは、カツカレーに次ぐ人気メニューだ。10歳以下の子どもであればすぐに泣きやんでしまう。カレーライスとハンバーグ。いわば盆と正月が一緒に来たみたいなものだ。ありがたみは絶大である。

とはいえ、ハンバーグカレーがすごいのではない。そもそもハンバーグが偉大なのである。めん類以外なら何とでも相性が良いからだ。日本人のあいだで肉食が普及したのは、牛鍋(すき焼き)よりもハンバーグによる好影響が大きいと思うのだが、いかがだろうか。

コロッケ

コロッケカレー。ぱっとしない。ガッカリ感すら漂う。カレーライスにおけるトッピングのなかでは劣等生と言わざるをえない。

珠玉のグルメエッセイ『レバ刺しの丸かじり』(東海林さだお・著/朝日新聞出版・刊)には、「フライ類のなかでもコロッケは下っぱ」という鋭い指摘がある。言い得て妙だ。ポテトコロッケよりも序列が低い揚げものといえば……もはや「天かす(揚げ玉)」しかない。

誤解しないでほしい。わたしはコロッケ大好きっ子である。ポテトコロッケ1個とウスターソースさえあれば白飯一膳はイケる。しかし、カレーライスにおけるトッピングとしては食指が動かない。味気ない。ときめきがない。

ポテトコロッケは、ミックスフライカレーの一員としてならば喜んで迎え入れたい。イカリングやクリームコロッケや白身魚フライも同様である。単独ではカレーライスの引き立て役になりえない。

ただし、エビフライやカキフライは単独でも良い。立派なご馳走である。

メンチカツ

最後にメンチカツについて考えたい。牛や豚のひき肉を使っているから、いわば「揚げハンバーグ」である。カレーライスの単独トッピングとしてはどうだろうか?

わたしは疑問視している。メンチカツは脂がしつこく感じる。途中で食べ飽きてしまう。同量のひき肉を使っていたとしても、ハンバーグならば食べ足りないくらいなのに。

衣をつけて油で揚げるのがよろしくない。ハンバーグは焼いているときに脂がすこし抜ける。メンチカツはそうではない。200gのハンバーグは食べられるが、200gのメンチカツは胸焼けがする。脂っこくなりがちなメンチカツは100gくらいで十分だ。ミックスフライの一員にこそふさわしい。

考察は以上だ。カレーライスにおけるトッピング選びは奥が深い。

(文:忌川タツヤ)

レバ刺しの丸かじり

著者:東海林さだお
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