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早い安いだけじゃない。うまさで勝負の「立ち食いそば」名店

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僕はそば派だ。うどんもたまに食べるが、基本的にはそばだ。よく駅の中にある立ち食いそばを利用するが、99%そばを頼む。

頼むメニューはそのときの気分や天候により変わるが、一番多いのは「ちくわ天そば」だ。理由は簡単。ちくわの磯辺揚げが好きだからだ。

立ち食いそばに求めているものは「手軽さ」

正直、立ち食いそばをよく利用する理由は「手軽さ」だ。うまいまずいではなく、通りかかったらすぐ食べられるというのが一番の理由。加えて、僕が味にあまりこだわらない性格だからというのもある。

最近は、駅のなかにある立ち食いそばはチェーン店のようになっており、名前こそ違えどメニューなどはほとんど一緒。まあ、ファストフードだと思えば別に気にならない。おなかがすいたときに、通りかかってすぐに食べられる。立ち食いそばにはそれ以上はあまり求めないスタイルなのだ。

意外と奥が深い立ち食いそばというジャンル

とはいえ、おいしいものとまずいものが並んでいたら、おいしいものが食べたいと思うくらいの感情はある。おいしい立ち食いそばのお店があれば、そこで食べたい。

そう思い『蕎麦春秋』厳選! 極上 東京立ち食いそば』(リベラルタイム出版社・著/リベラルタイム出版社・刊)を手に取ってみた。

すると、出てくる出てくる、名店と呼ばれる立ち食いそば屋の数々が。そのなかには、僕も行ったことがあるお店があり、「へ〜、あの店あんなんだけど結構名店なのね」と思ったりもした。別にまずいと思ったことはないが、そんなに名店だったのかと、改めて感じた次第だ。

ざっと見てみると、「挽きたて、打ちたて、茹でたて」の“三たて”にこだわったお店、天ぷらの揚げたてにこだわったお店、スピード命、オリジナルメニュー開発などなど、結構特色がある。

また、「昼は立ち食いそば、夜は居酒屋」のように、昼と夜で営業形態を替えている二毛作的なお店も多いことに驚いた。

僕が気づいていないだけで、立ち食いそばというジャンルは割と奥が深いようだ。

立ち食いそばのおいなりさんがおいしそう

浅草にほど近い稲荷町駅近くにある「そば助本店」は、オリジナルメニューが豊富。そのなかでも「極め塩とりそば」は、塩ラーメンのような汁にそばが入っているというもの。これがおいしそうなのだ。そばよりもこってり、ラーメンよりもあっさりという感じなのだろうか。

また、立ち食いそばのカツ丼やおいなりさんが大好きな僕としては、神田駅近くの「天亀そば」も気になる。おそばがおいしそうなのはもちろんだが、「自家製いなり」がおいしそう。

甘めに炊いた大きな揚げに、酢飯がぎっしり詰まっている。昆布、油揚げ、ニンジン、椎茸、そして紅生姜が入り、具だくさん。

(『蕎麦春秋』厳選! 極上 東京立ち食いそば』より引用)

うまそうである。おいなりさんを食べに千葉県から横浜や鎌倉に行くぐらいおいなりさん好きの僕としては、これはチェックせねばなるまい。

JR我孫子駅の「弥生軒」は一度は行っていただきたい名店

本書には、東京のJRや地下鉄の駅近くの立ち食いそばが72店舗掲載されている。この1冊を常に読めるようにしておくと、都内でちょっとお昼ごはんに困ったり、飲んだあとの「締めの一杯」の店を探しているときに便利なのではないだろうか。

ちなみに、僕がよく行くそば屋は、池袋駅近くにある「大都会」だ。24時間営業のそば屋なのだが、アルコールやおつまみが充実。しかも激安。もはや飲み屋だ。飲んでいて終電をなくしたときなどに利用するが、こう、人生の哀愁がぎっちり詰まった感じがする、いいところだ。

また、都内ではないが、JR常磐線我孫子駅のホームにある「弥生軒」もオススメだ。このお店は、いわゆるJRチェーンの立ち食いそばとは違う、昔ながらの駅そば。弥生軒を食べるためにわざわざ通勤途中に電車を降りて通う人や、僕のようにそばを食べるためだけに訪れる人も多くいる。

弥生軒の看板メニューは「唐揚げそば」。トップの画像がそれだ。この唐揚げがボリューム満点。唐揚げ単品で注文することができ、その場合は出汁をかけてくれる。持ち帰りも可能だ。

この唐揚げそばを食べに、僕はわざわざ電車に乗って我孫子に行く。ここでしか食べられないメニューなのだから、しょうがない。僕が思う「立ち食いそば」とはちょっと違う立ち位置の立ち食いそばだ。

僕は今までずっと「名店」を見逃していた

今回『『蕎麦春秋』厳選! 極上 東京立ち食いそば』を読んで、気がついたことがある。それは「僕はまったく何も見ていなかった」ということ。

立ち食いそば屋なんて、街を歩けばいくらでも見つかる。確かに僕も利用している。しかし、覚えているのは「富士そば」「ゆで太郎」「小諸そば」といった、チェーン店の名前ばかりだ。

本書を読んでいると、近くに行ったことがあるというところがほとんど。それなのに、全然記憶にない。もはや、目に入っていないのだ。

おかげで、名店と呼ばれる立ち食いそば屋に入る機会を逃していることになる。もったいない。

これからは、街を歩くときは立ち食いそば屋を意識してみたいと思う。早くて安くてうまいそばは、そこかしこにあるようだから。

(文:三浦一紀)

『蕎麦春秋』厳選! 極上 東京立ち食いそば

著者:リベラルタイム出版社
出版社:リベラルタイム出版社
古きよき昭和を感じさせる佇まいの立ち食いそば屋から、女性も入りやすいオシャレな雰囲気の立ち食いそば屋。十割そばを提供する店や、かつお節問屋が経営する店等、都心には多種多様な立ち食いそば屋がある。2015年に発売した『東京 立ち食いそば』の反響をもとに、都内の二大路線JRと東京メトロを中心に、路線別に都内の立ち食いそば屋56店舗を厳選紹介! また、女性そばライター・渋谷なつがお薦めする、都内の16店舗をコラム形式で掲載。

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