ハウツーが満載のコラム
文字サイズを変更する

本物のカルボナーラには生クリームは一滴も入らない!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

好きなパスタのランキングでだいたい1位になる、みんな大好きカルボナーラ。卵黄にたっぷりのパルミジャーノチーズと生クリームを混ぜて作るカルボナーラは私の夫も娘も大好きな我が家の定番メニューだ。

が、しかし! ローマ生まれの本物のカルボナーラには生クリームは一滴たりとも入らないのだという。

カルボナーラの真相とは?

ようこそイタリア、スローフードの旅』(池田律子、マルコ・ベルトーリ・著/CCCメディアハウス・刊)によると、カルボナーラ誕生には諸説があるそうだ。大戦中に配給された粉末卵とベーコンから生まれた戦中説、あるいは、ローマ南部でラード、卵、羊のチーズ(ペコリーノ)をパスタに絡めて食べていたのが戦後に広まったという田舎説などがあるが、真相は闇の中とのこと。

が、どちらにせよ材料に生クリームは出てこない!

本書が紹介しているローマの南部にあるザンパーニャ食堂のカルボナーラは、イタリアのスローフード協会が”本物”と太鼓判を押しているそうだ。この食堂の女主人のレシピはこうだ。

材料(1人分)
スパゲティ
60g、新鮮な卵黄1個、バター大さじ1、パルミジャーノ・レッジャーノチーズ大さじ1、グアンチャーレとパンチェッタ・アッフミカータを合わせて大さじ2、パスタをゆでるための粗粒塩、胡椒

*パンチェッタ・アッフミカータは燻製ベーコン、また、グアンチャーレは塩漬け豚頬肉に赤唐辛子を塗して熟成させたものだが、日本では入手困難なので脂身付きの塊ベーコンで代用。

作り方 
①短冊切りしたグアンチャーレとパンチェッタをカリッとするまでゆっくり炒め脂分を引き出しておく。
②海水の辛さに塩を入れ沸騰させた鍋でスパゲティをゆでる。皿に卵黄、バター、チーズ、胡椒を入れて混ぜておく。
③ゆであがった熱々のスパゲティと①を脂ごと皿に盛り、余熱で卵黄がとろりとするまでよく混ぜたら出来上がり!

茹でたてのパスタの熱でぎりぎり火が通ったとろとろの卵黄とチーズのコク、ベーコンの薫香、グアンチャーレの辛味、胡椒の刺激が五重奏になってアルデンテのスパゲティにびしっと絡み、絶品。ハフハフ一気食べが正解です。

(『ようこそイタリア スローフードの旅』から引用)

さっそく挑戦してみた。燻製ベーコンでは辛味が出ないので自己流でイタリア産の赤唐辛子をちょぴり加えてみた。いつもの我が家のカルボナーラとは別の味だったが、おいしかったし、な~るほど、これが本場の味かと感動。さすがスローフードだけのことはあり、素材が命の一品と言えそうだ。

カタツムリマークのおいしい店

スローフードは1986年イタリアのカルロ・ペトリー二により提唱された、その土地の伝統的な食品や食文化を見直す社会運動で、国際的な広がりを見せている。

本書はイタリア・スローフード協会発行の『オステリエ・ディタリア』というイタリア一番のグルメガイド本の中から、特にスローフード協会のお墨付き印であるカタツムリマークの店を選び、著者が取材したもの。

ピエモンテ州、シチリア州、トスカーナ州、リグーリア州、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州、カンパーニア州、バジリカータ州、カラブリア州、ロンバルディア州、ラツィオ州、サルデーニャ州とイタリア全土のおいしいスローフードが味わえる店を紹介しつつ、そのレシピの一部も公開している。

一口にオステリアといっても、居酒屋のような店からレストランまで料理も値段もさまざまですが、セレクトしたオステリアの共通点は3つ……。郷土色の強い地元素材を大事にした料理を出すこと、予算が40ユーロ以下であること(ワインも入れて!)、そしてもちろん旅するだけの価値がある美味しさである事!

(『ようこそイタリア スローフードの旅』から引用)

この本を片手にイタリアを食べ歩くのもよし、また、旅行に行かれない人は本物の味を家庭で再現するのもよし。ぜったいに使える一冊になるだろう。

アマトリチャーナを食べて被災者支援

ところで、8月末に起きたイタリア中部地震では甚大な被害が出た。特に、ラツィオ州のアマトリーチェでは建物の崩壊で町の半分が失われてしまい、生き延びた人々もこれから長い避難生活をしなければならない。

この地方は日本でも人気のパスタ、アマトリチャーナのふるさとだ。グアンチャーレかパンチェッタ(またはベーコン)、玉ねぎ、トマト、チーズを使ったパスタソースは我が夫の大好物であり、カルボナーラと並んでよく作る。

家で作って食べていたのでは、何の被災地支援にはならないけれど、現在、日本国内のイタリアンレストランではアマトリチャーナの収益を被災地へ寄付するという運動が広まっているそうだ。

そもそもイタリアの首都ローマでアマトリチャーナを食べて義援金として寄付しようとはじまったもので、この運動が世界へ、そして日本でも広がっているのだ。

おいしいスローフードを生み出した町の復興を願い、イタリアンレストランへ行ったら、みんなでアマトリチャーナを注文しよう!

(文:沼口祐子)

ようこそイタリア スローフードの旅

著者:池田律子、マルコ・ベルトーリ
出版社:CCCメディアハウス
クリーミーなソースで大人気のスパゲティ・カルボナーラ。が、本場イタリアでは生クリームを使わずに作るのが正当だという。塩漬け豚ばら肉の燻製、新鮮な卵、削りたてのパルミジャーノチーズ、そしてバターで絶品の味に!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事