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めん類の「とりあえず香辛料」にまつわる3つの仮説

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めん類を食べるとき、箸をつける前にコショウや唐辛子をかける人がいる。「とりあえずビール」さながらの「とりあえず香辛料」だ。

たまに見かけるが、それは年輩の男性であることが多い。わたしの目には異様に映る。無法な振るまいだ。なぜ味見もしないうちから香辛料を振りかけるのか。長年の疑問である。

見かけたときに本人に聞くのがいちばんだが、ちょっとこわい。支持政党と野球チームと食いもんにケチをつけるとひどい目にあうからだ。昔から決まっている。推測するしかない。

  • 「なんとなく」説
  • 「アドレナリン欲求」説
  • 「男らしさの発露」説

いまのところ考えられるのは3つの仮説だ。

「なんとなく」説

意味なんて無いのかもしれない。ラーメンにコショウ。そばやうどんに一味(七味)唐辛子。理由もなく。いつのまにか。惰性で。なんとなく。

はじめのうちは、なにも振りかけずに食べていたはずだ。何度も食べるうちに、舌がなれるというか、ちょっと味を変えたいと思い立ち、食べている途中で香辛料を振りかけるようになった。すると、うまかった。飲食店においてコショウや唐辛子はタダで使える。使わなければ損だと考えるようになった。

それ以来、めん類を食べるときにはかならずコショウや唐辛子を振りかけるようになった。何百回も食べているうちに、箸をつけてから香辛料を振りかけるまでのスパンが短縮されていった。ついには食前にもかかわらず振りかけるようになった。という仮説。

「アドレナリン欲求」説

唐辛子に含まれるカプサイシンという成分には、アドレナリン分泌を促す効用がある。血流が増大することによって、心拍が上昇して、一時的に興奮状態になる。これを求めているのではないか。

カプサイシンだけでなく、コショウを体内に取り込むことによってもアドレナリンが放出されるようだ。肉体が火照る。カーッと熱くなり、気分が上向きになる。

つまり、食べる前であるにもかかわらず、めん類に香辛料を振りかける行為は、意識・無意識的にかかわらず「一刻もはやく向精神的な刺激が欲しい」という欲求のあらわれではないか。トラックやタクシーなどの運送業にたずさわる者にとっては眠気覚ましにもなる。という仮説。

「男らしさの発露」説

めん類に香辛料を加える。うまい。だから、はじめから豪快に振りかける。単純にそれだけのことかもしれない。つまり「男らしさ」ゆえの行為だ。

よく考えてみれば、めん類に対する「とりあえず香辛料」を変だと騒ぎ立てるほうが間違っている。ラーメンを食べるとき、まずはスープを口にふくんで風味を確かめる? しゃらくさい。

店主が自信をもって提供しているスープの味も確かめずに香辛料をかけるのは作ってくれた人に失礼……という考えかたも小賢しい。どんな食べかたをしようがお客の自由だ。

まずはスープやだし汁を味わってとか、店主の仕事を確かめるとか、そういうのはグルメ漫画やいけすかないグルメ芸能人の悪影響だ。

人間は生きるために食う。摂食しているときに敵に襲われないよう、なるべく素早く食べ終えなければいけない。そばやうどんに唐辛子を振りかけるとうまくなる。ラーメンにコショウを振りかけるとうまくなる。ならば、問答無用で最初からぶっかけたほうが素早くおいしく食べられる。合理的な即決即断。すなわち「とりあえず香辛料」は男らしさの発露である。という仮説。

太りにくいラーメンの食べ方

真の漢(おとこ)たるもの、肥満や痛風や糖尿がこわくてラーメンなんて食えるか! 威勢よくタンカを切りたいところだが……なるべく病気にはなりたくない。

どうしてもラーメンを食べたい人のための太らない食べ方』(福田千晶・著/CCCメディアハウス・刊)によれば、「上手な食べ方」があるという。

その方法とは「野菜から食べはじめる」ことだ。

まず、野菜には食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は、一緒に食べた炭水化物や脂質の一部を吸着して、そのまま腸へ進み排泄してくれます。
(中略)
もし、同じ量の野菜を食べたとしても、後から食べたのではメリットが少なくなります。先に食べた炭水化物は胃での消化時間も短いし、野菜よりも小腸に進んで早くも血液中に吸収されてしまいます。

(『どうしてもラーメンを食べたい人のための太らない食べ方』から引用)

ほかにも「たった10キロカロリーの違いが明日のデブを作る」というアドバイスが参考になる。ラーメンで例えるなら、甘辛い「味付けメンマ」を食べないでガマンしたほうが、いらない塩分や糖分を体内に取り込まないで済むという。

(文:忌川タツヤ)

どうしてもラーメンを食べたい人のための太らない食べ方

著者:福田千晶
出版社:CCCメディアハウス
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