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時代を超越するパリジェンヌ流から学ぶ

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最近は密かに ”フランス流” や ”パリ流” を紹介した本が流行っている。ここ数ヶ月だけでも、『パリのマダムに生涯恋愛現役の秘訣を学ぶ』や『おしゃれキャット・マリーのパリジェンヌ入門』、『フランス人は10着しか服を持たない』や『パリジェンヌの作り方』、『パリジェンヌのスタイルある暮らし』など、多数の本が発売されている。そんなカテゴリー(?)の走りとも言えるシリーズの一冊が、『シンプル・シックなパリジェンヌ流おしゃれレシピ』。イラストとエッセイで、パリジェンヌ流の着こなしをわかりやすく紹介している。

パリで触れたお洒落の極意とは?

著者の米沢よう子氏はイラストレーターで、パリジェンヌの着こなしやライフスタイルを紹介する本を10冊ほど刊行している。パリに拠点を移していた4年間の経験を踏まえた考察は明快で、確かな説得力がある。

例えばパリジェンヌ系をポジショニングすると、トレンド系、コンサバ系、エレガント系、カワイイ系の中央。要素に分解すると「トレンド30%、コンサバ30%、エレガント15% + フェミニン感、自然さ、自分らしさ」となるらしい。つまり、バランスがいいのである。

実は私自身も、パリの人たちのバランスが取れた着こなしに触発されたことがあった。パリに行った際、アパレルやファションの関係者ではなく、街にいる人の普通でナチュラルな着こなしがカッコ良く映ったのだ。(参考:「“お直し”サービスで、ユニクロはどこまでお洒落になれるのか?」) では、なぜそんなにお洒落に見えるのか。その答えは『シンプル・シックなパリジェンヌ流おしゃれレシピ』の中にもあった。

おしゃれと言っても、いろんなアイテムをとっかえひっかえ、というめんどうなことは抜きです。似合うアイテムを厳選し、フィットさせるテクニックを使い、さりげなくスマートに見せる「シンプル・シック」なスタイルです。

(『シンプル・シックなパリジェンヌ流おしゃれレシピ』より引用)

フランス流やノームコアは今に始まったことではない

”シンプル・シック” と似たような考え方を紹介した名著としては、1975年に発売された『チープ・シック―お金をかけないでシックに着こなす法』が挙げられる。一流ファッション誌で仕事をする2人のジャーナリストが、自分自身を生かすお洒落の考え方について提案する内容だ。それは今でもというか、今こそ共感できる哲学。最近もてはやされている ”ノームコア” も、考え方は近い。

英語:normcore ラフでカジュアルな「きわめて普通の格好」を指すファッション用語。ノーマル(noemal)と究極(hardcore)を合わせた造語。高級さや際だった感性といった「人とは違う」要素から遠ざかり、敢えて人と似たり寄ったりな変哲ない服装を選ぶ、というトレンドの流行と共に登場した語。

(『実用日本語表現辞典』より引用)

ノームコアに関しては、改めて詳しく考察したいと思うが、時代を超越したいくつかのスタイルから、真理が浮かび上がってくる。お洒落はトレンドを追うこととイコールではないし、お金を掛ければお洒落になれるわけでもないのだ。

ちなみに、本日発売の雑誌『FIGARO』は「パリがすべて。」というテーマ。「東京パリジェンヌ、新ドレスコート」特集では、パリジェンヌ風の着こなし術も紹介されている。

一時期、男性ファッション誌でもフランス流が紹介されていたことはあったが、今こそノームコアなパリジャン流をきちんとまとめて書籍化してほしいものだ。というか、自分でまとめたみたい(笑)

(文:平 格彦)

シンプル・シックなパリジェンヌ流おしゃれレシピ

著者:米澤よう子(著)
出版社:朝日新聞出版
イラストとエッセイで綴るフランス流の“シンプルで心豊かな暮らしの知恵”。パリジェンヌのライフスタイルを貫く、「少ないお金でよりお洒落にみせたい」というフランスの価値観が、日本でも浸透しつつある。今こそパリジェンヌのお洒落術に学ぶべき。パリジェンヌのクロゼットから発信されるコーディネートのヒント満載。

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