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アメリカの大統領候補が大切にしているものとは

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共和党のトランプVS民主党のヒラリーの熾烈な戦いが繰り広げられているアメリカ大統領選挙。オバマが引退を表明したことと、トランプ氏の過激発言が話題となったこともあって、世界から注目されています。さて、アメリカ大統領選挙はメディアを駆使した派手なパフォーマンスや、民衆の熱狂振りを見ても、アメリカらしいスケールの大きさが感じられます。

当然、選挙にかかる費用も日本とはケタ違いでした。

費用がかかりまくる大統領選

選挙にまつわる情報が満載の『池上彰の あした選挙へ行くまえに』(池上彰・著/河出書房新社・刊)によると、2000年のアメリカ大統領選挙でかかった費用はなんと約700億円(約6億700万ドル)、2012年の選挙ではなんと約2090億円(約26億ドル)もかかっています。ちなみに、一概に比較はできませんが、同年に日本で行われた衆議院議員選挙は約588億円です。

これだけ費用がかかる選挙なので、日本人の感覚だと、資金を出してくれたスポンサーのために仕事をしてしまうのではないかと批判が出そうです。しかし、本著によると、アメリカでは資金を多く集めることができるほど人気があると受け止められるのだそうです。

また、最近はインターネットで政治資金を募る例も多く、気軽に一般国民も献金できるシステムになっています。アメリカの人々が選挙のたびに熱狂的になるのは、自分が選挙に参加している気分を持ちやすいためなのです。

大統領になるのは相当に大変

アメリカの大統領は単にアメリカ一国の政治指導者にとどまらず、世界的に軍隊を配備してにらみを利かせていて、大きな指導力を持っています。世界に大きな影響力を持てる立場になるのです。そのため、大統領になるのも茨の道です。

まず、党のなかで候補者の座を射止めるために戦わなければなりませんし、その過程で異性とのスキャンダルや金銭トラブルなどが明るみにでることもあります。そのたびに、しっかりと言葉で説明しなければなりません。試練を乗り越えながら、候補者は鍛えられていくのです。池上氏は、「選挙は大統領の養成システムである」、と書かれています。

お金よりも武器になるものとは

アメリカ大統領選挙ではお金がかかりますが、本著を読んでいると、お金よりも候補者が大切にしているものが浮かび上がってきます。それは“言葉”です。

日本の選挙では政治家が無味乾燥で漠然とした演説をする例が少なくありません。一方、アメリカではすべての候補者が言葉を大切にしています。トランプ氏がわかりやすい例でしょう。彼は自分の言葉で話しすぎているため、様々な批判が巻き起こりますが、しっかりと本音でトークしていることはよくわかります。

多くの候補者にはスピーチライターがついているとはいえ、日本人のように手もとの原稿を棒読みすることにはならず、自分の言葉で話そうとする候補が多いのです。言葉が持つ力を信じているからこそできるのですね。池上氏は最後にこう結んでいます。

政治家にとって、言葉こそ大きな力になる。そのことを、日本の政治家にも知ってほしいと願っています。

(文:元城健)

池上彰の あした選挙へ行くまえに

著者:池上彰
出版社:河出書房新社
いよいよ18歳選挙。あなたの1票で世の中は変わる!選挙の仕組みから、衆議院と参議院、マニフェスト、一票の格差まで――おなじみの池上解説で、選挙と政治がゼロからわかる。

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